シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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PSM

価格決定と売上の関連性

シナプス後藤です。

先日、PSMと価格弾力性について記載しました。
・価格を決めるために ・・・PSM:価格感度分析
・価格弾力と価格決定

ただ、実際の価格決定は「売上をどれだけ上げられるか?」「利益をどれだけ上げられるか?」に影響してきます。PSMや価格弾力の話はどちらかと言うと「何人の顧客を獲得できるか」にフォーカスしています。ですが、売上はそもそも、

売上=人数×単価

ですね。実際には人数を多少減らしても単価を上げて、利益を獲得する、というやり方もあります。

たびたびの登場になりますが、PSMで利用したデータで考えて見ます。
価格弾力の項では、価格と需要の関係性を書きましたが、これに単価を加えて、「売上げが幾らになるか?」も表してみます。
PSM_価格と売上


こうすると、売上ベースで考えると4500円が最も売上を獲得できる価格であることが分かります。
ここで興味深いのは、5000円、10000円、20000円に谷があることですね。

皆さんも、小売店に行くと、2980円という価格を良く目にすると思いますが、これは要するに「桁を変えないちょうど良い価格」なのですね。今回は500円刻みでアンケートを取りましたので、4500円が一番高く見えますが、10円刻みぐらいで見れば、4980円が一番高くなるのではないかと思います。

ここからさらにコスト面も考慮して「どれだけ利益が出たか?」を考えるとまた違った価格がベストになると思います。

このアンケートは意向調査、つまり、「どんな価格がうれしいか?」を聞いているため、実際にその価格に設定した場合に同じ結果になるとは限りません。ですが、このようなアンケートをとることで、妥当なゾーンが分かってくるのも事実ですね。

価格弾力と価格決定

シナプス後藤です。

先日、価格決定の調査方法としてPSMをご紹介しました

ですが、価格を考慮する場合、「価格弾力性」についての考慮も必要です。価格弾力性とは、価格が変化した場合にどの程度需要変動があるかを表す指標です。
価格が変化した場合に、需要が大きく変動する場合、需要は「弾力的」であり、変動が少なければ、「非弾力的」ですね。


さて、再び、仕事塾でのアンケートで見てみましょう。アンケートベースの所謂「意向調査」なので、実際の価格弾力を表しているわけではありませんが、一つの目安として。
PSM_価格弾力性



このグラフは、「高いと思ったら買わなくなる(=高いと思うまでは購入する)」という事を前提にしています。
その前提でグラフを見ると、カーブが急になるのは5000円〜2000円のあたりですね。このあたりの価格帯での変更は大幅に需要が変動します。一方で、10000円以上の価格帯でも購入するような方ですと、もともと高い価値を期待しているタイプなので、「良いものなら出せるところまで幾らでも出す」というスタンスなのでしょうね。こういう顧客をターゲットとすると、価格が極めて非弾力的になります。

一般的に、必需品は非弾力的であり、贅沢品などは弾力的と言われます。ただ、モノとして差別性の低い必需品、例えば、牛乳やトイレットペーパーも弾力的な商品になります。(価格しか差別化するものがないので、安くすると急に売れるわけです。)
ですので、これらの品は良く、スーパーの特売品としてチラシに載っていますね。これは、売り手側が経験的、あるいはセオリーとしてこれらの商品が弾力的だと知っているからです。

価格戦略を組み立てる際には、自社の商材がどれくらい弾力的なのかも考慮してみてください。

価格を決めるために ・・・PSM:価格感度分析

シナプス後藤です。

皆さんは価格をどうやって決めていますか?
以前、価格決定の基本的な考え方や、新規参入における方針について記載しました。ですが、やはり、科学的に「幾ら」というところまで出せると気持ちが良いですよね。
PSM(Price Sensitivity Measurement:価格感度分析)は、アンケートによって価格を決めるための方法です。

PSMでは、4つの質問をします。
1) この商品が安すぎて購入したくないと思うのは幾らからですか?
2) この商品が安いと思うのは幾らからですか?
3) この商品が高いと思うのは幾らからですか?
4) この商品が高すぎて購入したくないと思うのは幾らからですか?

この4つだけで判断できます。
1)は、価格に対する品質リスクですね。安かろう悪かろう、と思うのは幾らからか、と言う質問です。また、4)は、高すぎて手が出ない、と言うのが一般的ですね。また、値ごろ感から大きくかけ離れている場合にも言えます。

この4つの質問から、度数分布のグラフを書きます。

以前、家弓正彦の仕事塾でこのアンケートを取りました。ご受講された方は、「仕事塾の値段を上げるのか?」と警戒された方もいらっしゃるかもしれませんね。(笑)
こういったアンケートはたまにとっておきたいと思って実施しましたが、せっかくなので、ここでも公開しようと思います。
PSM全体


グラフには4つの曲線の交差点が合計4点出てきます。
それぞれ、最低品質保証価格、理想価格、妥協価格、最高価格、です。

最低品質保証価格:
 最低限、この値段以上でないと品質に不安が出てしまう、と言う価格。「安すぎる×高い」の交差点ですね。

理想価格:
 顧客にとって理想的な価格です。「安すぎる×高すぎる」の交差点ですね。
購入者数を最大化したい場合には、この価格が一番多くの顧客を獲得できると推定されます。価格が要因で買わないという選択を最も少なく出来ます。

妥協価格:
 「この価格なら買って良いか」と顧客が思う価格です。「高い×安い」の交差点です。高いとも安いとも思わない、顧客が妥協してくれるところです。

最高価格:
 「安い×高すぎる」の交差点です。この価格を超えると買わない人がたくさん出てくる、と言うことです。

価格のゾーンとしては、最低品質保証価格〜最高価格のあいだに設定する必要があります。でないと、ターゲット層の離反が起こります。


さて、「仕事塾」というセミナー商品で考えて見ましょう。この仕事塾は、以前より「多くの方々の自己成長の一助として」という社会貢献的な側面が含まれているので、価格は安く2000円と設定しています。
この価格はPSMで考えると、最低品質保証価格を下回っていますので、「安すぎて怪しい」価格帯ですね。仕事塾に参加すると、高いセミナーも受講させられてしまうのではないか、怪しい30万円の壷を売りつけられるのではないか、変な宗教に勧誘されるのではないか、そんなことまで疑われてしまっているのかもしれません。

PSMの結果で考えると、我々として設定すべき価格は3500円ですね。

なお、通常は理想価格<妥当価格、になります。ただ、今回のアンケートは、
「セミナーという付加価値を期待する商材を対象にしている」
ことから、高いセミナーの方が良い、と言うような心理が働いている可能性はありますね。所謂、付加価値商材です。

また、この数字は、仕事塾にご参加いただいた方へのアンケートですので、「2時間2000円の講座(しかも、満足度は結構高い)を受講している方」が回答しています。ですので、2000円が一つの基準価格になってしまっている、という事をご了承ください。
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