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難しい

新規事業開発はなぜ難しいか

シナプス後藤です。

わが社も新規事業に力を入れるべきだ、という経営方針のもと、新規事業開発に力を入れ、なかなか成果が出ない、ということは良くあります。
もちろん、成果が出るに越したことはありませんが、そもそも新規事業は難しいのです。

なぜ、難しいのか、を3つのポイントから整理します。

[1] 既存事業より新規事業は難しい
[2] 事業開発できる人材は不足している
[3] 既存事業と同じルールで運営させられる


[1] 既存事業より新規事業は難しい
 「新規事業は」の比較対象は既存事業です。
既存事業(利益が出ている事業)は、利益を出すのはそれほど難しいことではありません。
それはすでに利益を出せる体制が出来上がっているから、つまり企業の「強み」が生かされている状態です。
また、事業計画を書く際も調査をしなくてもある程度確度の高いものが作成できるでしょう。これは、すでに利益を出している経験から、顧客のニーズや競合の動き、自社のリソース状況など、わかっていることが多い、仮説立てすることが容易だからです。
 一方で、新規事業は、「新規」なので、今までの既存事業で培った強みがほとんど活きません。もちろん、強みが生きるところに出ていくほうが良いのですが、往々にして「強みが生きる新規事業」はすでにチャレンジ済みだったりして、そんな都合の良い領域は残されていないことがほとんどです。
また、新規なのでわからないことだらけで仮説が立てにくいです。そのため、仮説があまり当たらず、やることなすこと外したり裏目に出ることが往々にしてあります。
 
 つまり、新規事業開発とはよくわからない領域に新たに強みを打ち立てる作業でもあります。したがって、どれだけ早期にちいさなダメージで失敗しそれを糧にPDCAを回していくか、ということがポイントになります。新規事業の難しさを乗り越えるためには既存事業のPDCAサイクルの何倍、何十倍のスピードでPDCAを回していく必要があります。

[2] 事業開発できる人材は不足している
 ビジネスにおいて、「優れた人材」は往々にして経験値の高い人材でしょう。ところが、企業の中で新たに事業が作られることはまれなので、新規事業・事業開発を経験している方はほとんどいないのが実情でしょう。企業によっては、創業者以外に事業開発をした経験をした人がいない、というケースもあるかもしれません。
 社外から獲得(中途採用)するのも選択肢ですが、事業開発の際には既存リソースへのリーチも重要になってくるため、よほどのサポート体制がないとなかなか中途社員が機能しないのが実態です。
 また、[1]で記載した通り、難しいからこそできればエース級の人材をアサインしたいものです。ところが、新規事業は難しいために成果が出にくく、その結果、社内の出世競争から考えるとあまり得な道ではありません。したがって、手が挙げられにくく、また既存事業側もわざわざ優秀な人材を手放すようなことはしないでしょう。
 結局、進められる人材が不足しているため、難しいのです。
 
 したがって、事業開発をやらせながら育てる、というのが結果的に早道になります。ところが、うまくいかないと早々と既存事業に戻してしまう、ということになるとなかなか人材が育ちません。新規事業開発はほとんどの場合、人材開発と事業開発がセットになっていると考えたほうが良いでしょう。だからこそ「人」のスキルや意識にも目を向けておく必要があります。


[3] 既存事業と同じルールで運営させられる
 新規事業開発も、企業の中では予算で動きます。そして、その評価は往々にして既存事業の基準で語られます。
 破壊的イノベーションを提唱しているクリステンセン教授は、「企業の評価基準がイノベーションを阻害している」と言っています。「既存事業を成功させるKPI」は新規事業においては失敗する基準にもなりえます。
 既存事業の基準で評価すると、どうしても「儲からない事業」になりますので、成果が出る前に撤退、予算縮小ということになりえます。

 本来、新規事業の評価は、その事業特性に合わせて決められるべきです。ですので、予算投資基準、撤退基準もそれぞれの事業に合わせて設定すべきでしょう。ただし注意したいのは、経営管理のような既存事業を評価する部門に任せないことです。人はそう簡単に「忘れる」ことができませんので、どんなに気を使っても、既存事業の枠から出ないことが多くなってしまいます。


以上、新規事業が難しい三つの理由を記載しました。
[1] 既存事業より新規事業は難しい
[2] 事業開発できる人材は不足している
[3] 既存事業と同じルールで運営させられる


これらを回避するために、高速でPDCAを回すこと、事業開発の中で人材を育てること、新規事業独自の評価基準を作ること、が抜け出すポイントになります。

農業経営が難しい理由

シナプス後藤です。

昨日、農業経営に携わっている友人から農業経営について幾つか教えて貰った事があるので、整理のために書いておきます。
恐らく正しいと思っていますが、裏取りしていないので、不正確であることをご了承ください。

まず、日本での農業経営(ここでは、作物を生産することを主体とした事業を指します)は儲かるのか?
一般に良く言われている通りどうやら農業経営は儲かりにくい事業のようです。一つは初期投資が大きくかかる点で、例えば、温室を作るならハウスを作らないと行けないし、土地なども準備が必要です。また、(投資過多という理由もあるのでしょうが)農業経営自体が利益率も低いようです。

農業経営では、投資の一つの基準となるIRR(内部収益率)は、概して1-2%程度になってしまうようです。詳しい数字は覚えていませんが、この数字も「補助金」をベースにしたもので、補助金が無ければ農業経営ではそもそも設けることすら難しい、という業界だそうです。

では、何故そんなに儲からないのか?

農業経営が難しい理由として私は大きく二つの要因があると感じました。
[1] 産業として儲からない構造になっている
[2] ボラティリティが異常に高い

詳細は改めて記載しますが、ざっくり書くと、
 [1] 産業として儲からない構造になっている
は、元々農産物がコモディティ品であることにより需給によって価格が決められてしまう事と、農業生産者の周辺のプレイヤー(農協や種苗メーカー、農薬メーカーなど)が利益を取っているため農業生産者が儲かっていない、という事です。

 [2] ボラティリティが異常に高い
とは、農業の生産高が安定しておらず、コントロールが難しいがためにロスが多くなってしまう、という事です。


農業経営について一般的に言われていること(と私が思っていること)では、農水省が関わる政策や農協(JA)によって明示的な規制、或いは暗黙の業界慣習が強く影響しているために儲からない業界になってしまっている、ということですが、その背景には上記の2つがあるのではないかな、と思います。

一方で、最近話題になっているTPPでもそうですが、関税障壁を緩和することで、農協にコントロールされていない農作物が入ってくる可能性が高まります。そうなってくると、業界は明示的な規制や業界慣習がなくなって行く方向に動いていくことが想定されるのですが、それでも上記の二つの要因は大きく関わってくるのではないでしょうか。

参考:mblog 「農業が産業として儲からない構造になっている」
参考:mblog 「農業が本質的に難しい理由:ボラティリティ」
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