シナプス後藤です。

先日、マーケティング・カレッジで講師をして頂いている松尾さんからご紹介いただいて、NPS(*)入門講座に参加してきました。
http://www.shinqoo.com/news/205.html

01休憩


NPS:Net Promoter Scoreは、顧客ロイヤリティを測る指標として、2004年にコンサルティング・ファーム ベイン・アンド・カンパニー社が提唱したものですが、実際には今回の講師でもあるSATMETRIX社が調査などかなり動いているようですね。

設問そのものはシンプルで、
「あなたは会社(や商品)を友人や同僚にどの程度推奨したいですか?」
に対して、
0:推奨しない
5:中立
10:推奨する
という11段階の質問に答えて貰うだけのものです。
この数字のうち、
0-6:Detractors(批判者)
7-8:Passives(中立)
9-10:Promoters(推奨者)
として分類して、自社の顧客ロイヤルティ指標:NPSを

NPS = 推奨者% - 批判者%

で計算します。

NPSの最大の強みはそのシンプルさにあるでしょう。たった1設問で、顧客ロイヤリティが測れる、というのが特徴的で、数字を集めるのが極めて簡単です。


NPSは、顧客ロイヤリティを測るものです。顧客満足度や購買意向等もありますが、SATMETRIX社の調査によると最も売上や利益などの経営パフォーマンスに相関性が高く、KPIとして妥当である、という事なのでしょう。
参加者から、「NPSが顧客ロイヤリティに効きやすい、効きにくい業種・業態はあるのか?」という質問がありましたが、恐らく顧客が自分の意思で意思決定できる状況であれば全ての業種・業態で効くのでは、というのが私の解釈です。改善ポイントとして一般にメーカーであれば商品、サービス業であれば顧客接点となるサービスが重要になりますが、そういうことも含めて、顧客が推奨したくなるキーをNPSから探しましょう、という事ではないでしょうか。
(言い換えれば、独占企業で選択の余地が無い、或いは、あらゆる項目より価格が重要、というようなKBFが明確な業界ではNPSに投資するよりも他へ投資した方が良い、という事はあります。)


今回の講座では、NPSの使い方やTIPSよりも、「なぜ、顧客ロイヤリティにNPSが効くのか?重要なのか?」という点が中心になっていました。これは営業向けイベントだから、という事ではなく、顧客ロイヤリティ工場を目的としたNPSの導入において、中途半端な入れ方では機能しないから、という事だと理解しています。
NPSは講師が言うように、顧客ロイヤリティを測る仕組み、ではなく、顧客ロイヤリティを上げることで業績を上げる仕組み、であるからです。
測ることそのものに価値はなく、それを用いて業績向上につなげる、その仕組み作りこそが最も重要なテーマと言う事ですね。



※NPS、Net Promoter Scoreはベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの商標