シナプス後藤です。

ソチオリンピックが熱くなってきましたね。冬季オリンピックは毎回フィギュアスケートが楽しみです。

さて、女子モーグルの上村愛子選手の順位について、多くの人が疑問視をしているようです。途中で足を取られたハナ・カーニー選手よりもスピードも速く滑りも綺麗な上村愛子選手の方が順位が上だろう、という意見が多く出ており、リアルタイムでは見られなかったのですが、ニュースなどを見ると確かに上村選手の滑りは美しかったです。


幾つか、参考記事を。

ガジェット通信:【五輪】モーグル上村愛子が4位でメダルならず 採点が明らかにおかしいと世界中から批難殺到http://getnews.jp/archives/511829

日刊スポーツ:上村がカーニーに負けた理由http://www.nikkansports.com/sochi2014/column/ogishima/news/f-sochi-tp0-20140209-1255400.html


上記の二つの記事(だけ)から、陰謀説や八百長説等を除いて、「正しく審査しようとした」と仮定して考えると、直接的な理由は大きく二つでしょう。

1) 現在のルールに合わせて点数の高い滑りが出来なかった
2) 準決勝で6位だったため、カーニーと直接比較されなかった

日刊スポーツの記事を見ると、ジャンプでは負けているようですし、ターンでも点数で負けています。今のルールでは上村選手の綺麗な滑りが評価されません、という事です。
一方で、もし準決勝で1位や2位につけていれば、直接カーニーと比較して貰えたのでしょうが、ガジェット通信の記事からすると、基準が変わった、という事もあり得ると思うので、やはり後半にすべる方が有利だったと言う事ですね。


ソチオリンピックでメダルを取る、というのは結局そのルールの中で如何に高い点を取るか、という勝負です。審判による採点方式が取られていますので、恣意性も含めたグレーゾーンがたくさんあるのだと思いますが、そのグレーゾーンの中で高い点を取って行く必要があるわけです。
言い換えれば、不利なルールが導入されていた時点で、勝つ可能性が低かった、という事に他なりません。
だから、自分でルールを変えていく努力も必要になってくるのではないでしょうか?
ビジネスにおいても同様で、法律を作る、規制を作る、或いはデファクトスタンダードを作ると言う事かもしれませんが、与えられたルールの中でクリーンにやるよりも、「クリーンの定義を変える」という方が勝つ可能性が高いのです。



オリンピックでは過去も様々な誤審があり、多くの問題が出ていますので、より公正にしていくべきとは思います。
少なくとも、納得感のあるルールの方が、見ている方も応援のし甲斐があると言うものです。

ですが、それとは別に、勝負の結果だけに拘るなら、戦略レベル、より上位のレベルで勝利を収める事が必要です。そのためには、自らルールを作りに行く、という気構えが必要なのでしょうね。
少なくとも、今のモーグルのルールはおかしい、と抗議する姿勢は最低限必要ではないでしょうか。