シナプス後藤です。

ユニクロブランドを持つファーストリテイリングのトップ、柳井さんの記事が日経のサイトに出ていました。

日本経済新聞「『泳げない者は沈め』 ユニクロ柳井氏の業と情 」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD290G8_Z20C12A8X11000/

以前、柳井さんの直属で働いていたと言う方、つまり役員クラスの方で何人かお話を伺った事があります。大分前になりますが、一時期社長を勤められた玉塚さんも弊社主催で講演をしていただいた際の事前打合せで、当時の話をチラッと話されていました。
いずれも一様に「厳しい人」というのが総評だったのが印象的です。また、楽天の三木谷さんも同じような評を聞くことがあります。
そういう場合、No.2クラスの方々の横の結束が固くなるらしいですね。要するに「共通の敵が出来ると仲良くなる」という構図です。(笑)

柳井さんは正確には創業者ではありません(創業は父親の柳井等氏)が、今のユニクロをつくりあげ、成長させてきたと言う意味では実質創業者と変わらないでしょう。
今元気の良い企業の創業者と言えば、他にはソフトバンクの孫さんや日本電産の永守さん辺りも上げられると思います。

彼らから一様に感じるのは直属の部下、つまり役員クラスに極めて厳しい、という点ではないでしょうか。
恐らく、これだけ大きな会社にしていく力があるのですから、一個人としては魅力のある人だとは思うのですが、企業経営者として役員に対するスタンスは自分と同じものを求める、という事なのだと思います。
特に、企業を成長させる、と言う意味だと、「リスクを取る」ことを期待します。玉塚さんが社長になり、結果的に更迭されたのも「成長のリスクを自分ほど取れなかった」と言う事に尽きます。


ただ、創業者とそれ以外ではやはり大きな差はあるでしょうね。
創業者がリスクが取れるのは、「自分が作ってきたものなので、壊すのも自分だ」という意識があるからではないでしょうか。会社は自分の子供みたいなもので、ものすごく可愛いけど、しかるのも自分だ、と言うところがあると思います。一方、No.2以下の役員だと結局他人の子供なので、「無茶してダメにしてしまったらどうしようか」と言う恐怖感があるわけです。

ただ、そういった事も含めて、創業者のリーダーシップ、と言うのがあるわけですし、それが企業成長の原動力にもなっているのでしょうね。