シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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新規事業

新規事業開発はなぜ難しいか

シナプス後藤です。

わが社も新規事業に力を入れるべきだ、という経営方針のもと、新規事業開発に力を入れ、なかなか成果が出ない、ということは良くあります。
もちろん、成果が出るに越したことはありませんが、そもそも新規事業は難しいのです。

なぜ、難しいのか、を3つのポイントから整理します。

[1] 既存事業より新規事業は難しい
[2] 事業開発できる人材は不足している
[3] 既存事業と同じルールで運営させられる


[1] 既存事業より新規事業は難しい
 「新規事業は」の比較対象は既存事業です。
既存事業(利益が出ている事業)は、利益を出すのはそれほど難しいことではありません。
それはすでに利益を出せる体制が出来上がっているから、つまり企業の「強み」が生かされている状態です。
また、事業計画を書く際も調査をしなくてもある程度確度の高いものが作成できるでしょう。これは、すでに利益を出している経験から、顧客のニーズや競合の動き、自社のリソース状況など、わかっていることが多い、仮説立てすることが容易だからです。
 一方で、新規事業は、「新規」なので、今までの既存事業で培った強みがほとんど活きません。もちろん、強みが生きるところに出ていくほうが良いのですが、往々にして「強みが生きる新規事業」はすでにチャレンジ済みだったりして、そんな都合の良い領域は残されていないことがほとんどです。
また、新規なのでわからないことだらけで仮説が立てにくいです。そのため、仮説があまり当たらず、やることなすこと外したり裏目に出ることが往々にしてあります。
 
 つまり、新規事業開発とはよくわからない領域に新たに強みを打ち立てる作業でもあります。したがって、どれだけ早期にちいさなダメージで失敗しそれを糧にPDCAを回していくか、ということがポイントになります。新規事業の難しさを乗り越えるためには既存事業のPDCAサイクルの何倍、何十倍のスピードでPDCAを回していく必要があります。

[2] 事業開発できる人材は不足している
 ビジネスにおいて、「優れた人材」は往々にして経験値の高い人材でしょう。ところが、企業の中で新たに事業が作られることはまれなので、新規事業・事業開発を経験している方はほとんどいないのが実情でしょう。企業によっては、創業者以外に事業開発をした経験をした人がいない、というケースもあるかもしれません。
 社外から獲得(中途採用)するのも選択肢ですが、事業開発の際には既存リソースへのリーチも重要になってくるため、よほどのサポート体制がないとなかなか中途社員が機能しないのが実態です。
 また、[1]で記載した通り、難しいからこそできればエース級の人材をアサインしたいものです。ところが、新規事業は難しいために成果が出にくく、その結果、社内の出世競争から考えるとあまり得な道ではありません。したがって、手が挙げられにくく、また既存事業側もわざわざ優秀な人材を手放すようなことはしないでしょう。
 結局、進められる人材が不足しているため、難しいのです。
 
 したがって、事業開発をやらせながら育てる、というのが結果的に早道になります。ところが、うまくいかないと早々と既存事業に戻してしまう、ということになるとなかなか人材が育ちません。新規事業開発はほとんどの場合、人材開発と事業開発がセットになっていると考えたほうが良いでしょう。だからこそ「人」のスキルや意識にも目を向けておく必要があります。


[3] 既存事業と同じルールで運営させられる
 新規事業開発も、企業の中では予算で動きます。そして、その評価は往々にして既存事業の基準で語られます。
 破壊的イノベーションを提唱しているクリステンセン教授は、「企業の評価基準がイノベーションを阻害している」と言っています。「既存事業を成功させるKPI」は新規事業においては失敗する基準にもなりえます。
 既存事業の基準で評価すると、どうしても「儲からない事業」になりますので、成果が出る前に撤退、予算縮小ということになりえます。

 本来、新規事業の評価は、その事業特性に合わせて決められるべきです。ですので、予算投資基準、撤退基準もそれぞれの事業に合わせて設定すべきでしょう。ただし注意したいのは、経営管理のような既存事業を評価する部門に任せないことです。人はそう簡単に「忘れる」ことができませんので、どんなに気を使っても、既存事業の枠から出ないことが多くなってしまいます。


以上、新規事業が難しい三つの理由を記載しました。
[1] 既存事業より新規事業は難しい
[2] 事業開発できる人材は不足している
[3] 既存事業と同じルールで運営させられる


これらを回避するために、高速でPDCAを回すこと、事業開発の中で人材を育てること、新規事業独自の評価基準を作ること、が抜け出すポイントになります。

イントレプレナーシップ:企業内起業家の作り方 〜新規事業開発の処方箋

シナプス後藤です。

起業家精神:アントレプレナーシップ(entrepreneurship)とは、新しい事業の創造に燃えて高いリスクに挑んで行く姿勢、です。
ベンチャー起業する、と言う時にはアントレプレナーシップが必要ですね。

かのドラッガーさんもアントレプレナーシップは非常に重要だ、と説きます。

ところで、イントレプレナー、という言葉があります。ベンチャー起業家に対して、大企業の中で企業内起業する人の事を指します。いわゆる新規事業のリーダーですね。
では、アントレプレナーとイントレプレナーでは何が違うのでしょうか?

アントレプレナーになくてイントレプレナーにあるのは、圧倒的なリソースでしょう。大企業にはお金があります。また優秀な人材も揃っていますし、使おうと思えば様々な設備や商品、技術等モノもあります。ヒト・モノ・カネ・情報と揃っています。
ところが、アントレプレナーにはあるがイントレプレナーには無い決定的な物があります。
それは、

自由

です。
イントレプレナーには様々なしがらみがあります。新しい事にチャレンジしようとすると、「前例が無い」等出来ない理由が100個くらい簡単に並びます。リソースはたくさんありますが、いざ使おうとすると「既存事業の壁」が阻みます。

根っこにあるチャレンジ精神はアントレプレナーもイントレプレナーも同じなのですが、イントレプレナーにはリソースがある代わりに自由が無い、という制限があります。そのため、イントレプレナー特有の「泳ぎ方」があるわけです。


イントレプレナーとして活躍するために、今回、「イントレプレナー:企業内起業家の作り方 〜新規事業開発の処方箋」というテーマで講演会を開催します。

講演者には、リコーで新規事業を自らも立ち上げ、また、新規事業開発室の事実上の責任者として様々な事業立ち上げの支援をしてきた瀬川さんをお招きして、イントレプレナーに必要な立ちまわり方を語って頂きます。
瀬川さんは、リコー時代に知り合い、facebookで「辞めます」と言うのを見た瞬間に「それならシナプスの仕事を手伝って下さい」と私が声をかけましたところ、快く引き受けて下さいました。そのご縁もあり、今回、講演をして頂ける事になりました。

私も楽しみな講演です。

大企業でくすぶっている方にこそ聞いて頂きたい、新規事業開発の処方箋、是非ご参加くださいませ。

http://www.cyber-synapse.com/mkay/150212/

■日時
 2015年2月12日(木) 19:00〜21:00

■料金
 4,000円(税込み)

■会場
 銀座三丁目会議室
 東京都中央区銀座3-7-10 松屋アネックスビル 
 Tel: 03-3544-0611

■講演者
 瀬川 秀樹 氏(せがわ ひでき) Creable(クリエイブル) 代表

株式会社リコーにて、技術戦略室室長、新規事業開発センター副所長、未来技術総合研究センター所長を歴任。 技術戦略運営責任者の経験に加え、シリコンバレー及び日本にて、複数の新規事業の立ち上げ、運営を経験。 新規事業開発センターの実質責任者として、全社の新規事業の位置付け定義、プロセスの設計と運営、個別プロジェクトの推進まで関わる。 新規事業に関する講演、ワークショップ経験多数。 新規事業に対する抱負な経験を活かしファシリテーション だけでなく、自らもアイデアを出しながら対話と通じて ワークショップ参加者と事業をつくることを得意とする

■ファシリテーター
 家弓 正彦 氏 かゆみ まさひこ (株式会社シナプス 代表取締役)

1959年生まれ。松下電器産業株式会社にて、FA関連機器のマーケティングを担当し、広くマーケティングの現場を経験。その後、三和総合研究所を経て、有限会社シナプスを創設。経営戦略、マーケティング戦略を中心としたコンサルティングに従事。戦略構築から、現場へのインプリメンテーションプラン(導入計画)までをカバーする。 同時に、「マーケティング・カレッジ」を立ち上げ、マーケティングに特化したビジネスマン教育事業に取り組む。中央大学非常勤講師(96〜04年)、グロービス経営大学院講師など、マーケティング分野での豊富な教職経験をも有する。


■お申し込み
 下記サイトにてお申し込み下さい。
 http://www.cyber-synapse.com/mkay/150212/

新規事業や起業で成功するために最も必要な素養

シナプス後藤です。

新規事業や起業で成功するために最も必要な素養はなんだと思いますか?

業界知見、ビジネスのスキル、事業への意思、成功イメージ、ネットワーク、行動力等々色々挙げられますが、一般に、新規事業や起業を成功させるには、「やり続ける意思」が必要、と言われます。新しいことへのチャレンジは難しいので大抵失敗が続きます。そのときに、折れずに続けられる「何か」が必要になりますが、どこかのタイミングで自分以外は全員反対、という四面楚歌状態に陥ることもあり、結局「何か」は本人の意思以外ではありえない事がほとんどでしょう。

シナプス代表の家弓は
「パッション」は新規事業の必要要件
「ロジック」はその成功確率を上げるもの
と言っています。
ロジックとパッションの狭間から。。。「新規事業開発の10ステップ」


これはまさにその通りで、結局情熱がなければ続かない。
では、何に対する情熱を持つべきなのか?
以前、01Boosterの鈴木さんと話したときも、彼は「起業家や新規事業の担当者にやる『必然』が絶対に必要」といいます。多くの場合は、新規事業から得られる結果や新規事業が解決する社会的課題、になるのでしょう。
ところが、先日、下記の鈴木さんのエントリーを見て、違うのではないか、と思い始めました。
【01Blog】やりたい起業ネタがあることの罪

要約すれば、余りに事業テーマに対する思い入れが強いと判断を間違える、上手く行かない、ということで、つまり、「新規事業のテーマそのものに対する必然」はある一定確率で上手く行かない、という事です。(たまたま大きなマーケットを見ていれば上手く行くでしょう。)

私は、新規事業や起業で成功するために最も必要な素養は、「プロセスを楽しめること」だと思います。

もう少し拡げて考えると、新規事業や起業だけでなく、困難なことへのチャレンジ全てに当てはまることではないでしょうか。
例えば、今、日本代表としてワールドカップに出ている本田選手は、小さい頃からの夢でセリエAで10番を着ける、ワールドカップに出る、など高い目標を掲げていたことで話題になりました。もちろん、目標を持ち、その夢にコミットすることは重要です。ただ、彼がここまで頑張れた理由のかなりの部分は、「サッカーをプレイするのが好き」という事では無いでしょうか。これは、野球選手であるイチロー選手や松井選手なども同じでしょう。

新規事業や起業では、様々なことに走り回ることになります。下げたくない頭も下げ、売れると思ったプランが失敗し、それでも前に走り続ける必要があります。そのプロセスを楽しめるかどうか。失敗も含めて、「失敗が経験になった」と喜べるかどうか。
結局、そんな素養が必要なのでは無いでしょうか。

新規事業の立ち上げ屋やシリアルアントレプレナーといわれる人たちは、このプロセスそのものが好きだから何度も何度もチャレンジする、そして経験が溜まって成功率が高くなる、ということなのだと思います。



なお、シナプスでは、このプロセスを楽しむ術を知っている新規事業のリーダー 伊藤羊一氏をお招きして、講演会を行います。ご興味のある方はご参加くださいませ。
家弓正彦の仕事塾「新規事業におけるリーダーシップ」 http://www.cyber-synapse.com/mkay/140724/?mblog

社内にイノベーションを興すために必要な要素

シナプス後藤です。

先日、鈴木規文さんをお招きして、「新規事業の起こし方」というタイトルで講演と、弊社代表の家弓とのディスカッションを実施しました。
内容は、次世代型アフタースクール「キッズベースキャンプ」を立ち上げ、事業運営し、東急にバイアウトし、軌道に乗せるまでの流れを話しながら、新規事業・イノベーションに必要なものや難所を説明していくと言う流れです。

鈴木さんは、最後のまとめとして、「社内にイノベーションを起こすために必要な要素」として次の三点を挙げておられました。
1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。


企業が新規事業、イノベーションを興すと言う観点で考えると、難しい理由は概して2つあるでしょう。それは、「儲かる事業を作る」ことそのものの難しさと、儲かっている本業を持っているが故の「組織につぶされる」ことです。
まず、大企業がやろうとも、ベンチャーがやろうとも、新しく儲かる事業をやるのはとても難しいものです。なぜなら、もし簡単に出来るなら当然他の誰かがやっているだろうからです。
新しいチャンスを発見し、誰もまだ手を付けないのだとすれば、それは見つけた人が慧眼だという事ではなく(慧眼でないと見つけられませんが)、それ以上に手を付けるのが極めて難しいと言う事を示しています。たとえば、ガンの特効薬を作れればそれだけで凄いビジネスになりますが何でやらないかと言うと誰も実現できないからです。

一方で、企業が「新規事業」・「イノベーション」をやることの難しさは、儲かっている本業があることに起因します。通常、企業は如何にして効率的に利益を生み出していくか、ということを目標に戦略が組み立てられ、組織が組み上げられ精度が出来あがります。この時、効率的に利益を生み出す最高のやり方は、儲かっている既存事業をもっと儲かるようにすることです。
言い換えれば、それ以外のやり方、例えば新規事業・イノベーションは既存事業にとって悪でしかありません。
だから、真面目に既存事業に取り組めば取り組む程、新規事業やイノベーションに対する取り組みは邪魔になってくるわけです。


これらの背景から、改めてこの3つを見てみましょう。
1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。

■1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
 シナプス代表の家弓は、
「パッション」は新規事業の必要要件
「ロジック」はその成功確率を上げるもの

「新規事業開発の10ステップ」 http://kayumi.jp/archives/1766289.html

と言っています。なぜ、個人のパッションが必要要件かというと、新規事業はそもそも難しいからです。儲かる事業にすることだけでも大変なのに、社内の抵抗に合うわけです。その抵抗は具体的な悪口や意地悪、という形ではなく、
・リソースが配分されない
・意思決定がなかなか通らない
・社内ルールを適用する羽目になる
等の形で訪れます。ドラマ「半沢直樹」であるような具体的な意地悪であれば「倍返し」のしようもありますが、正論で来られるとなかなか対処はしんどいでしょう。
途中で折れても仕方が無いような状況のなかで折れずにいるためには、その人がどれだけモチベーションを維持できるかにかかっていくるでしょう。言い換えれば、最初からモチベーションの高い状態を作っておく必要があるわけです。

■2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。

 企業の中で新規事業を興す時に、ベンチャーと違う最大のメリットは既存リソースがある事です。資金かもしれないし、人材かもしれないし、設備かもしれません。場合によっては顧客や流通チャネル、或いは、パートナー企業との付き合いかもしれません。こういったものが使えるのは極めて有利に働きます。が、一方で、これだけでは新しいものは生まれません。もし、生まれるなら、担当者以外の誰かが既に発見し、事業化し儲けているでしょう。だから、外に出て行くべきなのです。
 イノベーションとは、組み合わせによって成し遂げられます。従って、自社のリソースを外部のリソースと「どのように組み合わせるか?」を最初から目指す必要があるわけです。NIH(Not Invented Here)等と言っている場合ではありません。

■3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。

 まさに新規事業・イノベーション構築活動中は、既存事業より儲かるはずがありません。絵を描くことは出来ないとは言わないまでもかなり眉唾な絵になるはずです。従って、短期的な経済合理性で考えれば新規事業などやらない方が良いに決まっています。
 したがって、意思決定をするには、将来どれくらい期待できるのか、もしくは、「どれくらい今見えていない可能性が存在するのか?」がキーになるかもしれません。


企業内で新規事業・イノベーションを興すために、担当者が考えなければならないことは勿論ですが、マネジメントや経営企画等、「新規事業・イノベーションを管理する側」としても考えておくべきポイントがあるのではないでしょうか。

新規事業においてどの市場が有望か?という議論

シナプス後藤です。

内田和成さん(早稲田大学ビジネススクール教授 )が次にように書いていました。
5年後に花開く商売のネタをどう探すか


新規事業のコンサルティングで、顧客から「今後、どの市場が有望か調査してほしい」と依頼されることがある。私はこれを“死のパターン”と呼んでいた。というのも、膨大な無駄が発生するだけでなく、何も決まらないケースが多いからだ。例えば縦軸に顧客、横軸にその会社の持つ技術でマトリクスをつくり、一つ一つの市場性を網羅的に分析したとする。その結果を伝えると、「なぜここの市場は小さいと判断できるのか」「このセグメントは、もっと分解できるのではないか」と、さらに分析を要求される。そうやってたまねぎの皮をむくかのごとく調査を重ねるうちに、最初に提案した市場に他社が新規事業で参入した、というケースが後を絶たなかった。


企業側のニーズ、担当者の気持ちは良く分かります。新規事業は難しい、と言われていますので、「外した領域に取り組んだらどうしよう?」とか「どうせやるなら最も有望なところでやりたい」とか思うわけです。

そして、まず考えるのは、アンゾフのマトリクス、或いは、製品を「技術」に置き換えたマトリクスです。
評価は大体、3Cの視点で行うでしょう。市場規模は大きいか?ニーズはあるか?業界の収益性は?競合は強いのか?自社のリソースは活かせるのか?


それがいけないと言うわけではないのですが、内田さんが書かれている通り、膨大な時間とコストがかかった末に出た結論は、「どうも納得できない」と言う事は往々にしてあるでしょう。
言わば、青い鳥症候群の一つですね。

新規事業において、魅力的な市場、と言うのは確かに存在します。
少なくとも成熟市場よりは成長市場の方が機会は多いです。成長市場は「需要>供給」ですから、ある程度チープであってもその瞬間は儲かることが多いわけです。
また、顧客が5人しかいない市場より、1億人いる市場の方が儲かります。前者だと、一人1万円買ってもらっても売上は5万円、後者は一人1円でも売上は1億円です。だから多くの部品供給メーカーは、携帯電話(スマートフォン含む)、自動車を志向するわけです。パイが大きければ儲かるだろう、と。
更に、本質的ニーズのあるところはニーズが必ず存在するので機会があることが多いです。命、健康にかかわることや、食欲、性欲、睡眠欲に関わること、或いは、衣食住等、人間が活動する上で基盤となっているような所は市場が大きいうえに要求も多岐にわたるのでチャンスは多いですよね。


では、新規事業の対象領域をどのように選べば良いのでしょうか?


まず、対象領域は、決めの問題と考えています。これは企業におけるビジョンやミッションと呼ばれる類のものと同じです。「世の中のどんな領域に価値を提供するのか?」は往々にして創業者、或いは、時の経営者が決めるだけです。
ただ、決め方としては「世の中の困っている人たちに価値を提供する」など考えているのではないでしょうか。
決めるにしても最低限の条件はあって、
・希望する事業規模を満たすような顧客数が存在する
・顧客ニーズが存在する
の二つは必須です。

例えば、「某離島に住んでいる人たちに向けた新規事業を立ち上げる」と決めるのも一つの選択肢ですが、売上100億円はまずもって望めないでしょう。人口100人だったとしても、一人1億円出すとはとても思えないからです。
100億円のビジネスを作りたければ、少なくとも100万人単位のユーザが存在するようなビジネスを志向するのが必要でしょう。
一方で、ニーズがなければビジネスとして成立しません。たとえば、「火星でプレイするためだけに開発されたサッカーボール」というビジネスを志向したとしても買う人はいないでしょう。そこにニーズがないからです。(よほどの物好きは買うかもしれませんが、本来のニーズとは違いますので割愛)

この領域を決めるのは経営の意思、或いは、新規事業のリーダーの意思でしょう。


「領域を決めたとしても魅力的なニーズがなかったら困るのではないか?」
という疑問は出ると思います。
ですが、全くない、と言う事は恐らく無いでしょう。だから、決めてしまえばいいのです。
その上でもし、成功確率を挙げたいのだとすれば、
・成長市場(或いは、もうすぐ成長市場になりそうな分野)
・人間の本質的ニーズに関わるところ
の二つの観点から見ていくと良いと思います。


いずれにしても、どのような事業領域にもほぼ必ず新規事業の機会はあります。なぜなら、人間は飽くなき欲求があり既存のものより依りよいモノを必ず求めますし、人間は多様なので、「ある人が100%満足する物は他の人は何らかの不満がある」からです。

だから、内田さんが書かれている通り、
一方、成功する新規事業は逆のアプローチを取る。これをやりたいという思い、これなら売れるはずだという仮説やプロトタイプが先にあって、「これをやりたいが、本当にそこに市場はあるのか。競合はどうか」という裏付けを求める形で分析を依頼される。

というパターンがやりやすいと思います。
どこに言っても成功する要素はあるわけなのですから。

同じコストをかけるなら、「どこが最も魅力的か?」という網羅的な分析よりも「ここで儲かる事業をどうやったら作れるのか?」を考える方が建設的ではないでしょうか?
正直に申し上げて、一番魅力的な領域と二番目に魅力的な領域は、ほとんどの企業において大差はありません。どちらもとても魅力的なはずです。1番目と10000番目は勿論違いますが、それくらいの判別は高いコストをかけてやるまでもないでしょう。


つまり、新規事業においてどの市場が有望か?という質問に対しては、
・成長市場(或いは、もうすぐ成長市場になりそうな分野)
・人間の本質的ニーズに関わるところ
が魅力的だが、それ以上はどこも大差ない、という事です。


なお、自社が競争優位性を獲得できるか、という観点を考えると、やはり自社の既存事業の周辺領域が一番獲得しやすいです。なぜなら、何らかの既存リソースが使えることが多いからです。
そういった意味では、決めるにしても「なるべく既存事業の周辺を」と言う事をお薦めしています。
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