シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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意思決定

仕事のスピードを決めるのは専門能力や頭の良さではない

シナプス後藤です。

様々な意思決定をし、仕事をバリバリ進めていく方を見ていると「この人は凄いな」と思います。往々にして、我々は「彼は能力が高い」と見ます。たとえば、地頭が良い、とか、スキルが高い、とか経験が豊富、とか。
ただ、最近、仕事のスピード、特に意思決定を伴う仕事や外部とのやり取りが必要な仕事においては、スキルや経験や知恵、と言った能力とは別の要素が関わっているのではないかと思い始めました。それはすなわち、「意思決定力」とでもいいましょうか。

バイクに乗って、ある地点からある地点へ行く時、例えば、国道246号線で渋谷から御殿場まで行こうとする場合、到着時間に最も影響する者は何でしょうか?
・馬力?
・操作性能?
・運転技術?

違います。
どれくらい飛ばすか、という気持ちの問題です。
極論を言えば、道交法や安全などを無視してどこまで飛ばせるか。


勿論、バイクに乗れる最低限のスキルや、せめて120キロくらいは出るバイクの性能等はあります。が、日本で発売されている中型バイクに乗ればその差は余り影響しない。それよりも、乗り手がどれくらい無茶するかに依存します。


では、仕事のスピードはどうでしょうか?例えば、一人で数学の問題を解きなさい、最速で解けるのは誰か?と言われたら、頭の良い方、或いは、高性能のコンピュータを持っている方でしょう。ですが、この仕事を早く終わらせなさい、という内容で言えば、自分一人の能力と言うよりも関係する人達を巻き込んでどれだけ進めるかにかかっています。つまり、自分がボールを握りこんでいる限り物事は全く進まなくなります。
言い換えれば、さっさと意思決定し、ボールを投げ返す必要があるのです。この時に必要なのは、勿論、少ない情報から判断できる力も必要ですが、それ以上に、「えいや!」と決められる胆力みたいなものが要求されるのではないでしょうか。
良く分からないから決まらない、のではなく、良く分からないからどちらかに決める。

決めてPDCAを回す事によって意思決定が磨かれると言う事にもなります。


結局、「とにかく早く決める」「早くアウトプットする」と言う意識を持てるかどうか、中途半端な状態でもドンドン外に出してブラッシュアップできるかどうかが仕事のスピードにつながるのではないでしょうか。

※道交法や安全は無視してはいけません。

意思決定を先延ばしにしないコツを歯医者で考える

シナプス後藤です。

私は比較的、意思決定を先延ばしにする方です。
多分、性格的に保守的なのと基本めんどくさがりなので決めるのがめんどくさいのだと思います。

先日、親知らずを抜きました。
親知らずは「今すぐに抜かなくても問題ない」状態でした。
ですが、どうせいずれ抜くことになるのだし、抜いてしまおうか、と歯科医と相談して一気に抜歯してしまいました。

実は、この意思決定は2週間ほど先延ばしにしています。「これは抜くなら抜いても良いが」と歯科医に言われていたのですが、その時はどうも抜く気が起きず止めたのでした。


そもそも、意思決定を先延ばしにする理由は何故でしょうか?
その前に、「どういうケースは先延ばしにして、どういうケースは先延ばしにしないのか?」を考える方がわかりやすいでしょう。

先延ばしにするケースは次の条件に当てはまるものが多いと思います。
1) すぐに決める必要がない
2) 決めると元に戻れない(他の選択肢を失う)
3) 決めると失うものがある


2)、3)はどちらも失うのですが、性質が若干違うので分けました。


■1) すぐに決める必要がない
 緊急性の高いモノは決めなければなりません。たとえば、「血がダラダラ流れ出ていてほっとくと死んでしまう」場合は悩んでいないですぐに止血するでしょう。
 高速道路を走っていて道が二又に分岐した場合、止まらないでどちらかを「エイヤ」で選ぶでしょう。
 今決めなければダメ、という場合には人間は強制的にどちらかを選択します。

 一方で、一刻を争わないような意思決定、例えば、「ダイエットをいつ始めるか」、「どうも最近、胃が調子悪いがすぐに困っているわけではない」等、今すぐ決めなくても直ちに問題にならない場合は意思決定しなくて済むわけです。

■2) 決めると元に戻れない(他の選択肢を失う)
 一度決めても簡単に元に戻れる場合は比較的楽に意思決定出来ます。たとえば、「家を買う」という意思決定は一度買ってしまうと(よほどお金がない限り)、他の家を購入することが出来なくなります。ですが、内覧会に行くぐらいであれば行ったとしても他の内覧会も行けるし、どの家も購入できる選択肢がありますから意思決定は簡単です。

■3) 決めると失うものがある
 ダン・アリエリー著 「予想どおりに不合理」によると、人間は何かを「手に入れる」よりも何かを「失わない」方により高い価値を見出すそうです。
 米国 デューク大学ではバスケットボールの決勝トーナメントの試合が学生の間で人気があり、抽選になるそうです。その時、「抽選に当たった学生」と「抽選に外れた学生」が出来ます。当然、全員が同じように試合を見たい学生です。著者たちは、この学生達に当たった人には、「チケットを売らないか?」、外れた人には「チケットを買わないか?」と持ちかけました。
 概して、チケットがはずれた学生たちは一枚に約170ドル支払う意志を見せた。この学生たちが払うと言った金額は、(中略)お金の他の使い道(スポーツバーの飲み物や食べ物に使うなど)によって調節されていた。一方、チケットが当たった学生は、一枚のチケットに約2400ドルを要求した。こちらの学生たちは、(中略)この経験が重要で、忘れえない思い出になるだろうことを価格の理由にした。

 合理的に考えれば、買う人と売る人の「試合を見る」ことに対する価値は同じはずです。勿論、個人差はありますが、平均を取れば大差ないはずで、10倍以上の開きがあること自体おかしいわけです。
 つまり、我々は「所有している」と言う事に非常に価値を感じ、「新たに手に入れる」よりも「失う事」の方がよほどハードルが高いのです。


さて、親知らずを抜く話です。「親知らずを抜く」という行為は、
1) 今すぐに決める必要は全くなく
2) 一度抜いたら「戻す」という選択肢が失われ
3) 自分の丈夫な歯を失う
意思決定に当たります。
つまり、最も先延ばししやすい部類のものです。


ではどうやって考えたのか?
最初に意思決定の前提として次の要素を入れました。
「親知らずは早めに抜かないと抜いた箇所の傷の治りが遅くなる」

私は、既に3本抜いていまして、今回が4本目です。最初の2本は20代前半の若いころに、3本目は1年前ですが、大きく違ったのがその治りの遅さです。場所や歯の生え方も影響しているのでしょうけど、私は細胞の若さが回復力に影響しているのでは、という仮説を立てています。その仮説に則れば、早く抜かなければ益々傷の治りが遅くなる、と言う事です。

つまり、最初の条件、1)を頭の中で補正したわけです。
今と変化後の状況ではなく、
・抜かない場合の未来の状況
・抜いた場合の未来の状況
を比較してみました。抜かない場合、仮に「どうしても抜かなければならない状況」が来たとしたら、今よりも不利な条件になってしまいます。
つまり、「今意思決定すること」の価値をより重要と位置付けたのです。

次にやったのは、選択肢の問題です。歯科医と、「将来この歯は抜歯する必要があるか?」という事について議論しました。彼の見立てでは、今の生え方だと歯周病、または虫歯が進行する可能性が大きく、高い確率で抜くことになるだろう、とのことでした。それが55%なのか、99%なのかは分かりませんが、専門家の見立てを冷静に受け止めれば、「抜くか抜かないか」の意思決定ではなく「いつ抜くか」の意思決定の可能性が高い、と言う事です。つまり、元々抜かない、という選択肢は無く、抜かない確率が上がる可能性もない。

ただし、「高い確率」と言うからには当然低いながらも抜かなくて良い可能性もあります。
その可能性はダン・アリエリーを思い出しました。恐らく私は無条件に「今生えている歯」に高い価値を見出しているだろう、と。

つまり、感情の問題が影響していることを考慮して、合理的に判断しようと試みた、と言うわけです。


冷静に考えると先延ばしにしてはいけないが、ズルズルと先延ばしにしてしまうものは多々あります。大体、後で「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」と他の人から怒られ、自分自身も後悔する羽目になるでしょう。
既に、自分自身も「先延ばしにしている」と薄々、或いは明確に気付いているはずです。
そういう時には次の三つの観点から考えてみてはいかがでしょうか?


1) 今と未来を比較するのではなく、「変えた未来」と「変えない未来」を比較する
2) 放っておいた場合に「変えないという意思決定」にプラスになる環境変化が起こり得るかどうかを確認する
3) 「失う事」の価値は過大評価していると考え、冷徹に合理性計算する


勿論、全ての意思決定がこんなに簡単に出来るわけではありません。私もたまたま親知らずを抜いたから書いているだけですが、いずれにしても「変える」ことの意思決定は難しいと思います。
だからこそ、「そもそも心理的に難しい意思決定である」と理解して臨むべきなのではないでしょうか。

予想どおりに不合理[増補版]予想どおりに不合理

ルネサスに迫る意思決定の難しさ

シナプス後藤です。

半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの経営再建に対して、産業革新機構を中心に日系自動車メーカーのトヨタ、日産、ホンダや電機メーカーのパナソニック、キヤノン、さらには自動車部品メーカー等多数が共同出資する、と言う話が持ち上がっています。
ロイター「ルネサス再建で産業革新機構など官民が出資案=関係筋」

ルネサスエレクトロニクスは、「日の丸半導体」とも言われ、NEC、日立製作所、三菱電機の半導体部門が統合して作られた企業です。
2011年の東日本大地震では、東北エリアにあった工場が停止したため、かなり多くのメーカーが影響を受けたようですが、ルネサスが作っているマイコンは性能が高く、最先端部品は他メーカーでは代替が難しいようです。

ただ、そのルネサス自体がそもそも7期連続の赤字、2012年度も赤字を見込んでいると言うかなり経営的には苦しい状態です。

その再建のために、米大手投資ファンド KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)が約1000億円の出資提案をしていました。それに対する対抗提案として、産業革新機構が手を挙げた、と言う事でしょう。


ルネサスの赤字の理由は、システムLSIの不振、と報じられていますが、そもそも論として、事業で利益を得られない構造になっているのが原因のように思われます。
内情に詳しくないので想像で書きますが、一般に半導体は安く大量に作ってコストダウンによって儲けるか、高付加価値品を高く売るか、つまりコストリーダーシップ戦略か差別化戦略かいずれかのスタンスを取ることが基本です。
ところが、ルネサスの得意とするところは、主に日系の自動車メーカー、電機メーカーに対して、独自仕様に合わせた高付加価値カスタマイズ品を提供することです。であれば、高く売れば済むことなのですが、メーカーとの力関係から買い叩かれて結果的に安値受注し続けてきたという事なのではないでしょうか。
言いかえれば、「安価の標準部品を代替できるほどには高付加価値ではない」と言う事です。

KKRが再建に入ると恐らく最初にやることは「儲からない部品を切り捨てる」事でしょう。日系メーカーとの「今までの関係性」や雇用の確保等、切り捨てられない事情があったはずで、こういう状況に追い込まれたのだと思います。言い換えれば、儲けるためには事業構造を変える必要があるのです。
そうすると困るのは、今まで安価で高性能な部品を調達できていた、日系メーカーでしょう。日系メーカーとしては、国際競争で勝つためには安価で高性能な部品が調達できなくてはならず、だからルネサスを叩いてきたのだと思いますが、今後も彼らに提供してもらわなければならないのです。

だから、産業革新機構を中心としたスキームに乗りやすい、と言うわけです。


では、このスキームだと経営状態は改善するのでしょうか?
想像ですが、多分難しいでしょう。なぜなら、ルネサスの経営改善は株主になろうとしているメーカー群にとって利益相反となる可能性が高いからです。一番簡単なのは「儲かる部品に集中する」か「儲からない部品の価格を上げること」です。いずれにしても、儲からない部品をなんとかしなければならない。
なんとかさせられるのがこれらメーカーなわけです。
そうなると、株主は反対します。反対するとルネサスは赤字のままでいるしかない。

つまり、バリューチェーン全体でみれば、かなり無理がきている構造である、と言う事でしょう。


この意思決定は誰目線で行うかによって答えが変わるように思います。
もし、「ルネサスという事業体を残す」と言うことであれば、大胆な構造改革を行うKKRの方が良いように思います。
また、日系メーカーが戦える状態を創る、と言うことであれば、産業革新機構案の方が良いでしょう。

今の取締役にとってみれば、KKR案では全員クビなので、彼らが残りたいと思うならKKR案は退けるべきでしょう。また、従業員でも「儲かる部門」ならKKR案は結構ハッピーな気がしますが、「儲からない部門」は職を失う可能性も有りますね。

ここまで構造的に厳しい状況だと、全員がハッピーというシナリオはありえません。それは調達を受けているメーカーも含めて。

個人的な意見では、どちらの案も詳しく見ていないので感覚値ではありますが、KKR案の方が妥当になりそうな気はします。構造的に儲からない事業はどうやっても難しいと思うので、ルネサスの中に残すべきではありません。本当に必要であれば、メーカーのどこか、あるいは同業他社が買い取るでしょう。
ただ、無理に買い取るよりも、日系メーカーも特注品で賄うのではなく、標準品を使ってスケールメリットを効かせる方が今後の国際競争力の観点からは妥当に思います。(或いは、最終製品まで徹底的に高付加価値化を狙う、と言うのも選択肢ですが。)


いずれにしても難しい意思決定ですね。恐らく、内情を知れば知るほど、もっと難しくなっていくのでしょう。だから、7期連続赤字、と言う事になってしまったのだと思いますが。
感情的には頑張って欲しいところですが、今後、どのように推移するのか、興味を持ってみたいと思います。

「迷ったらワイルド」でなければならない理由

シナプス後藤です。

先日、Yahoo!Japanの意思決定ルールについて書きました。迷ったらワイルド、というやつです。
シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ 「迷ったらワイルド:Yahoo!Japanで考える意思決定ルールの効果」

これはとても大事なことだと思うのですが、あえて言わないとなかなかできないのも事実です。
wild


なぜなのでしょうか?

人間は不確実なものを嫌う、と言われます。特に確率がわからない不確実性、をもっとも嫌うようです。昨日の日本経済新聞朝刊に次のような記事が載っていました。

こうした予測不可能な事態が経済行動に与える影響について、最近のゲーム理論で研究されている内容を説明する。経済学では、この予測不可能な事態を「リスク」と「不確実性」という2つの場合に区別して分析する。

 リスクとは、例えばサイコロの目のように、実際にどの数字が出るのかは予測できないが、各数字が出る確率はあらかじめわかっている場合をいう。これに対し、不確実性とは、あらかじめ各数字が出る確率さえわかっていない場合をいう。例えば、次に中東で戦争が起きる可能性や、今から20年以内にタイムマシンが発明される可能性については、誰も正確な確率を見積もれない。こうした不確実性に直面した場合には「あいまい性回避」と呼ばれる現象が発生することが知られている。

 例えば、赤玉が3個と白玉が5個入っている壺(つぼ)Aと、それぞれいくつかはわからないが、赤玉もしくは白玉が合わせて8個入っている壺Bがあるとする。このとき、どちらかの壺から1つだけ玉を引き、赤玉を引けば賞金1万円がもらえるとしたら、どちらを選ぶかと尋ねると、多くの人が壺Aと答える。

 壺Aでは赤玉を引く確率は8分の3とわかっている。一方、壺Bでは全部が赤玉かもしれないし、全部が白玉かもしれないし、赤・白が半分ずつかもしれない。こうした不確実性の高い「あいまいな」状況よりは、当たりの確率の高低にかかわらず、確率がわかっている状況の方を人は好む。これが「あいまい性回避」という現象であり、「人々が不確実性に直面したとき、生じうる可能性の中で最悪のケースを想定する」という理論を用いるとうまく説明できる(イツァーク・ギルボア「意思決定理論入門」)。

ゲーム理論で考える政治・経済 (上)「不確実性」、景気に悪影響


つまり、不確実性の高い意思決定は基本的に選択しない、と言う事に他なりません。


では、不確実性の高い意思決定は基本的に選択しない、というのはいけないことなのでしょうか?
ある状況、ある意味では正しい意思決定だと思います。企業経営において不確実というのは危険であり、特にキャッシュフローの観点から考えると「良く分からないがキャッシュをショートするかもしれない」と言うような話は経営者としては受け入れられないでしょう。だから、出来る限り確実にしようとする、あるいは、「最悪の場合、どこまでリスクを想定しなければならないか」を意識することは悪い事ではありません。

ところが、一方で環境は基本的に変化していきます。大きいもの、強いものではなく、変化するものが生き残る、と言われる通り、環境に如何に適合して変化していくかが重要になります。
と言う事は、ある時点で不確実な事が確実に起こり得る、と言う事も意味します。それは、環境変化自体が確実な方向に変化するわけではないからです。


そう考えると、有る瞬間では不確実性の高い意思決定をしていかなければなりません。
ワイルドとは何か?それは、つまり、よりわからない方、不確実な方にチャレンジしていく表現のように思います。つまり、「迷ったらワイルド」と言うのは変化対応力の別な表現なわけです。


この辺の話は、Yahoo!Japanの方に聞いたわけではありませんので、それこそ不確実な話なのですが、「迷ったらワイルド」と言うのは環境変化に適合していく上で極めて重要な考え方のように思います。

マイルドセブンをメビウスに変える意思決定

シナプス後藤です。

mildseven
写真出所:日本経済新聞


スモーカーの方にはなじみ深い通称マイセン、こと、マイルドセブンの名前をメビウスに変更する、というニュースが出ていました。
ロイター:JT、「マイルドセブン」を「メビウス」に名称変更



理由は
・「マイルド」という単語を欧州では煙草に使えないこと
・日本と比較して欧州の方が市場として魅力的であること
の2点と想定されます。

要するに欧州を攻略するために、欧州向けにネーミングを変えた、と言う事です。


ネーミングはブランドのかなりの部分を持っています。たとえば、社名変更として今のアデランスが一時期「ユニヘアー」という名前に変更していました。アデランスはカツラのブランドとしてかなり立っていましたので結果的に戻す、という選択肢を摂りましたが、ブランドネームが大きいと言う結論です。

ユニへアーとアデランスの社名変更から長期戦略の難しさを考える



上記のロイターの記事によると、単に欧州展開しよう、という事だけでなく、今現在サブプレミアムにあるブランドをプレミアムに上げていきたい、という意思も有るようなので、名称を変えることでリブランドを狙っている、と言う事なのでしょう。


元々、欧州で「マイルド」がダメなのは、マイルドやライトという名称が煙草の害が少ない、という印象を与えるからで、ネーミングそのものの影響を大きくとらえている、と言う事ですね。

一方で、日本人の多くは煙草の代名詞としてマイルドセブンを思い描いているのは間違いありません。また、現在、17カ国・765億本売っている、と言う事ですから、そのマイナス影響がどの程度出るのかが気になるところです。

戦略的には衰退する日本市場と一緒に落ちていくのか、多少リスクが合っても伸びるマーケットに適合していくのか、という議論だと思います。その意味ではまだまだ利益が出ている今のタイミングでブランドシフトをする、と言うのは悪い選択ではないと思います。

環境適合するための意思決定は、単にネーミングで合っても様々なリスクが伴うものです。特に、日本のような「金のなる木」市場に対するリスクはかなり大きなものでしょう。ですが、金のなる木に金がなっている間に動かなければならないのも自明のことであり、今回の意思決定は極めて正しいものではないかと思います。

今後の動向が楽しみですね。
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