シナプス後藤です。

消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法が成立しました。これはつまり、現在5%の消費税率が2014年4月には8%に、2015年10月には10%になる、と言う事です。

勿論、様々な政治的動きによってひっくり返る可能性もありますが、今の国家の財政状況から考えると「このまま増税する」と言うのが今のところの政治の動きではないかと思います。

さて、これを前提とした場合にはどういったことが考えられるでしょうか?
PEST分析とは、まさしく、こういった国家レベルくらいの大きなマクロ環境の流れを捉えるフレームワークですが、Politicalな要素が変われば当然、Economicalな要素やSocialな要素は変わってくるわけです。
PEST分析についてはこちら



一番大きいのは景気に対する動向でしょう。消費税が上がるとすれば当然消費意欲が下がります。ですので、2014年4月、2015年10月と徐々に消費は絞られていくことが想定されます。
一方で、消費税が5%に上がる時もそうでしたが、消費税が上がる直前は消費が増えます。今回で言えば、2014年の1-3月や、2015年の7-9月辺りがそれに当たるでしょう。
この動きは、消費者が賢いから、というよりもむしろ小売業界がこの動きを増長しているように感じます。「今買わないと損しますよ!」と言う事をうたってプロモーションしますから、消費者としては当然買いだめに走るわけです。

意外にこの手の法律変更で特需になるのはIT業界でしょうね。多くの情報システムは消費税パラメータを変更すれば問題なく稼働するはずですが、それでも影響範囲が読めないケースも有り、変更するための予算が計上されるはずです。


一方で、上述したとおり、税率が上がると消費が絞られます。これは個人でも企業でも同じですが、価格転嫁をするかどうかについては、各企業が意思決定を迫られる形になるでしょう。
例えば、飲料の自動販売機で考えると、今、350ml缶の飲料が120円のところ、5%上がると言う事は、126円になるわけです。価格転嫁すれば、通常自動販売機は1円玉や5円玉には対応していないでしょうから、130円にするしかないわけです。とすると、便乗値上げ?
こうなると、単純に価格の問題なのか、あるいは、「入れる枚数が、3枚から4枚に増えるから」と言う理由かもしれませんが、とにかく消費は落ちるでしょう。一方で価格転嫁しない、とすると、今の利益から単純に5%マイナスになる、と言う事になります。


一市民、一国民として法案をひっくり返すような投票をするというのも選択肢ですが、冷静客観的に「変わってしまうものは変わってしまう」と捉えることも必要になります。と言う事は、このタイミングを上手く利用して売上を増やす、と言う事も選択肢でしょうね。消費税率が上がる前のタイミングは消費しやすいマインドが出来ますので、そこに上手く乗れると良いのでは、と思います。

弊社でもお客様が望むなら、「前払い制の研修・コンサルティングチケット」等を売り出してみるのも良いかもしれません。ただ、これをやる場合は、お客様のAsset(資産)が増えることになるので、そういった経理処理に対応できるかどうか、みたいな議論にはなると思いますが。

いずれにしても、変わることに備えて何らかの準備は必要ですね。