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基本戦略

ターゲティング

ターゲティングとは、自社が攻略すべき顧客を特定のセグメントに定めることです。平易な言葉でいえば、「お客さんが誰かを決める」、という事ですね。
顧客ターゲットを絞る最大の目的は資源を集中させ、その顧客ニーズに出来る限りマッチした価値を提供することです。

さて、ターゲティングでは、ターゲットを明確にしなければなりません。通常、企業のマーケティング活動は複数人で動いていますので、ターゲットを関係者で共有しなければなりません。だから、「ターゲットは若年層です」では、ほとんどのケースにおいてターゲットを決めた、とは言えないでしょう。

問題は大きく二つあります。
まず、「若年層」が意味する顧客層が人によって定義が異なること。何歳から何歳なのか、も人によって捉え方が異なるので、これを共有しても実態は何も共有されていない状態になってしまいます。
もう一つの問題は、仮に若年層を「18-22歳」と定義した場合でも、人によってニーズが全く異なることが多いことです。セグメンテーションの切り口で記載したとおり、今やデモグラフィック変数だけではニーズを分類するのが非常に難しいのです。だから、例えば、「18-22歳をターゲットに新しいお菓子を作ろう」、というケースの場合、そのターゲットは、そのお菓子を昼食べるのか夜食べるのか、親が買ってくるのか自分で買うのか、甘いものが好きなのか嫌いなのか、一人で食べるのか皆で食べるのか、等など、ザッと考えただけでも様々な疑問が湧きます。
ですので、ターゲットを決める際には出来る限り「具体的に」定義して頂きたいのです。

たまに、「具体的に定義して頂きたい」という話をすると、「我々は様々なタイプの顧客をターゲットに、、、」という返答を頂きます。それも勿論おっしゃる通りと思います。ここで決めたいのは、いわゆる「代表ターゲット」ですね。明確に定義したいのは、自分たちの商品を購入して頂ける最も代表的なターゲットです。上記の事例で「お菓子」とするのであれば、例えば、下記です。

・理系男子大学生2年生、一人暮らしで夜型の生活、お菓子はコンビニ弁当と一緒にコンビニで購入し、夜中にパソコンを使いながら食べる。主にポテトチップスなどの駄菓子系。食事が不規則なので、日によってはお菓子が食事にもなる。アルバイトは積極的にやっていないため、あまりお金を持っていない。

・高校卒業後地元企業に事務職として就職、親と同居。甘いものが好きで、たまに都市部のデパートに友達と行ってケーキを食べる。家賃がかからないが、給料が多くないため、余りお小遣いは持っていない。スイーツは「自分へのご褒美」なので、良いものを食べたい。オフィスの引き出しにチョコレートが入っており、休憩時間に同僚と一緒に食べる事が多い。

これでもまだ粗いと思いますが、若年層よりはずっとターゲットイメージが分かりやすいのではないでしょうか?
少なくとも関係者が同じ人をイメージ出来る、あるいは、歩いている人を見て、「彼はターゲット」「彼はターゲットではない」と言えるようになっておきたいものです。

情緒ベネフィットをメインとした消費財を扱っている場合、ペルソナと呼ばれるターゲットイメージを作ることも多いようです。これは、ターゲットをさらに具体化したもので、容姿のイメージを画像で表現したり、細かい消費行動や家族構成、趣味、性格、等など定義していきます。ペルソナ構築まではかなりパワーが必要になりますので、これは必要に応じて、という形になります。ペルソナの話もまたいずれ、ですね。

セグメンテーション

セグメンテーションとは、顧客を区分け、分類する活動のことを指します。市場には様々な趣向をもった人たちが存在します。「違う」人達に対して同じ施策を打つのは効率的ではありません。ですので、マーケティング戦略を構築するに当たっては、まずセグメンテーションを行います。

セグメンテーションの目的は、それぞれの顧客動向を把握することにあります。どの顧客層が伸びているのか?競争環境が緩いのか?、つまり、成長性と収益性の動向を把握します。
多くの場合、ターゲティングの基本情報として扱うので、最終的にはターゲットとして絞った顧客セグメントにマッチした施策を打って、競争を有利に進める必要があります。その意味では競合企業が少ないようであれば、大雑把なセグメンテーションでも大丈夫なケースが多いのですが、競合企業が多く競争が激しい場合にはより顧客を絞り込んで、マッチした施策を展開する必要があります。

セグメンテーションの分類方法は、大雑把にいえば、「ニーズで分ける」ことです。異なるニーズを持っている顧客層に適合する施策は、異なる施策です。ですので、ニーズで分ける、というのが基本スタンスです。
実務的に考えると、大きく、「顧客のニーズに合わせて分ける」ことと、「自社の状況で分ける」ことの二つがあります。後者は、例えば、エリアに特化しているため全国にサービスが提供できない、等、施策実施時の制約条件や戦略的都合が考えられます。
多くの場合、後者の「自社都合」でセグメンテーションを分けてしまいがちです。実務の効率を考えると決して悪いことではないのですが、ただ、前者の「顧客ニーズ」が考えられていなければ、結局効果は出ません。考え方としては、まずはニーズでわけ、施策を考えていく際に自社の都合も加味してセグメント分けしていくと良いと思います。

ところで、セグメンテーションと言うと、一般的にはM1層、F1層のように、性別と年齢で分類することをイメージする方が多いようです。これは、同じ世代の人たちは同じようなライフスタイルを持っているため、同じようなニーズを持つことが多い、と言う前提に立っています。例えば、現在の30代後半の世代の男性はかなり多くの割合でガンダムを子供の頃に見ています。ですので、「ガンダム」と言うキーワードが刺さりやすいし、それが共通のニーズでもあります。ただ、近年はニーズが多様化している、と言われている通り、単純に性別、年齢だけでは同じニーズを持つことが少なくなりました。そのため、ライフスタイルや、心理的特性、購買行動特性など、様々な観点からセグメンテーションを進めるようになっています。

一方、「セグメンテーションで顧客を分けてターゲットを決めましょう」と言う活動に対して「うちは老若男女全ての顧客に対してサービスを提供するので、セグメンテーションやターゲティングという考え方はそぐわない」という反応をされる方もいらっしゃいます。
例えば、代表的な例で言うと病院などがそれに当たるでしょうか。確かに、病院や医師が年齢や性別によって患者を選ぶのは問題です。しかしながら、そもそも「病気の人」に対象を絞っているはずです。基本的に病院のターゲットは、「今、病気で、健康になりたい人」というところに絞っている、と言い換えても良いと思います。この場合のセグメンテーションの軸は、「病気かどうか」となるでしょうか。病気かどうかで「健康になりたい」というニーズの強さはかなり異なります。ですので、セグメントとして分けるべきなのです。

いずれにしても、顧客のニーズをしっかりと理解する、という活動が重要になります。そのニーズが違うのであれば分ける。当たり前の事なのですが、難しいことでもあります。

※M1層、F1層:20-34歳の男性(M1)、女性(F1)を示す分類の通称。もともとは個人視聴率の集計区分の通称としてビデオリサーチ社で使われていたものであるらしい。
ビデオリサーチ社用語集

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