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商品戦略

プロダクトライフサイクル(PLC:Product Life Cycle)

プロダクトライフサイクルとは、商品が生まれてから消えていくまでにどのようなサイクルがあるかを整理したフレームワークです。
一般に、Product Life Cycleの頭文字を取って、PLCと書かれることが多いようです。

PLCには4ステージあり、それぞれ、導入期、成長期、成熟期、衰退期です。
導入期:
・商品が市場に導入されたときにはごく限られた人たちが購入するだけで、世間的な認知度も低いため、じわじわと売上げが上がっていきます。
成長期:
・成長期に入ると多くの人たちが興味を持ち、購入し始めます。成長期に入ると、「今、流行の」というキーワードで語られることが多くなります。成長期の前半では流行に敏感な人が買い始め、徐々に、より多くの人に使われることになります。
成熟期:
・ある程度商品が浸透してくると、徐々に成長が鈍化し、市場も商品も成熟してきます。
衰退期:
・その商品へのニーズがなくなったり、多くは代わりの商品が発生して衰退していきます。

たとえば、デジタルカメラ(特に、コンパクトデジタルカメラ)を考えて見ましょう。
デジタルカメラは、フィルム型の写真の代替品として登場しました。当初は画像も悪く、価格は高く、と良い所はまるで無い状態だったはず(実は、使ったことが無いので知らないのですが)なのですが、メーカーが未来を信じて、あるいは、ごく一部のマニアに支えられて細々と作られてきたようです。wikipediaによると、デジタルカメラの元祖はイーストマン・コダックが1975年に発明されたようです。その後、一般向けの上市は1990年のDycam社「Dycam Model 1」。その後、約5年間は導入期として、細々と市場が動いていた模様です。
成長期に入るのは、カシオ計算機が「QV-10」を発売してからです。これは、画像をPCに取り込む機能を持っており、Windows95の普及と併せて急速にデジタルカメラが売れていきます。ここから、各社がデジタルカメラに参入します。最初は「画素数競争」。それが途中で手振れ補正などの新たな機能を付加することで差別化競争に入ります。
日本では、デジタルカメラが高機能化し多くの方が手にするようになったことで成熟期に入ります。基本的に「新しくデジタルカメラを買う」という人が存在しなくなり買い替え需要がベースになってくるわけです。こうなると、各社とも他社ユーザからのスイッチを促進します。もう一つ、成熟期は基本的に利益の刈り取りにも当たりますので、新たな投資をするよりも新しい市場や商品への投資を開始します。それが一眼レフであったり、携帯用のカメラですね。
今では、携帯電話に搭載されたカメラが高機能化し、デジタルカメラと遜色ない、と言うより元々デジタルカメラのブランドであったCyber-ShotやEXILIM等のブランドを冠した機種も登場しています。
まだ、無くなる、というわけではありませんが、そろそろ市場が停滞していますので、携帯電話が代替品としてかなり出てきていますので、「コンパクトデジタルカメラ」というカテゴリは徐々に縮小していく可能性があります。これが衰退期につながるかもしれません。

関わっている方からすると衰退は溜まったものではありませんが、早い遅いはともかく、代替品の存在や、ニーズそのものがなくなることで、市場は衰退します。例えば、今、危機におかれているのがネクタイかもしれません。クールビズ、節電ビズでネクタイを締めなければならない、というニーズがなくなってしまったため、かなり市場は縮小してしまっているのではないでしょうか?

商品によって、それぞれの期間の長さや動きに違いはありますが、一般的には4ステージを踏むと考えられます。これを4つのステージに分けるのは、ステージ毎に戦略の打ち手が変わってくるためです。

導入期の基本戦略は、とにかく市場自体を盛り上げることです。多くの新しい商品が市場に出されたにもかかわらず、全く話題にもならずに消えていきます。このタイミングでは競合がどうの、とかわが社の強みはどうの、と言う前に、市場そのものを立ち上げなければならないのです。
成長期に入ると、一気に市場が拡大しますので、いかに効率よく商品を供給していくか、と言うのが一つのポイントになります。特に、シェアを獲得することがその市場で重要な場合には、特に重要になります。一方で、このタイミングで「この市場はおいしい」と見た多くの競合が参入してきますので、特に成長期の後半ではターゲットを絞り込んだ差別化が必要です。つまり、投資競争など、とにかくスピードを上げて顧客を獲得していく競争環境なわけです。
成熟期はもはや新しい顧客を獲得できないので、顧客獲得のための投資より、今いる顧客から利益をいかに効率よく得るか、と言うことが重要になってきます。所謂「刈り取り」ですね。シェアが獲得できていれば、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)でいう「金のなる木」の状態になります。
最後の衰退期になると、「いつ撤退するか」(あるいは残るか)というのが重要な議論になります。多くの場合、全く必要ないということはありえないのですが、複数社が残れるほどの市場でもなくなってしまうため、最後に1社だけがほそぼそと(しかも儲からないのに)残るということもありえます。一方で、1社だけだと独占状態になりますから、わずかな市場ではありますが、最後まで利益を獲得できる可能性も残されます。

PLCは商品特性や市場特性によって、きれいなカーブにならないケースもありますが、戦略を立てる上でかなり重要な要素になります。また、様々なマーケティング理論、経営戦略理論のベースになっていることも多いので、概念として覚えておきたいものです。

プロダクトミックス

商品戦略を考える場合、顧客に対して単一商品をどうするか、どう議論だけでなく、保有する商品で考える必要があります。特に、小売業態の場合、顧客は「選ぶ」という価値を感じるため、ターゲット顧客にあった品揃えが必要になってきます。

プロダクトミックスを考える際、幅、長さ、深さの三の軸があります。

幅とは、製品ラインが何種類あるか、です。例えば、家電量販店であれば、パソコン、音楽プレイヤー、オーディオ、ビデオ、テレビ、、、等の一つ一つが製品ラインになります。長さとは、一つの製品ラインの中にどれだけの種類があるか、です。例えば、テレビで言えば、REGZA、AQUOS、BRAVIA、VIERA、、等ですね。さらに、深さとは、その中で幾つアイテムがあるか、色やサイズなど、どれだけのバリエーションをそろえているか、と言うことです。

小売はその業態特性から、プロダクトミックスの決め方が差別性になることが多いです。
もともと、小売店はモノの無い地域に様々なものを届ける最終地点として整備され拡大されてきました。したがって、一番最初はとにかく幅が重要でした。それが拡大していったのが百貨店という業態ですね。
百貨店は商品の幅も長さも深さも多いのですが、これは顧客が「この店で全てをそろえられる」という価値を感じられるため、広い商圏からたくさんの顧客を集客し、「何でも揃えて何でも買える」状態を作り上げてきたのです。
もう一つの方向がコンビニで、「とにかく近くにある」という事を重視した業態です。近くにあってとにかく困っているから、製品ラインの幅だけ準備して最低限のものをすぐに買える状態を作り出しています。

モータリゼーション、つまり、車社会が出てくると人々の行動範囲は格段に広がりました。そうなると、「良い物をより安く」買いたくなり、買い回り現象が起こり始め、百貨店のように1店で、というよりも、複数店回ってもよいのでいろいろみたい、という現象がでてきます。そこで拡大したのが、「専門小売店」と言う業態ですね。
例えば、家電量販店は基本的にその一店で家電が揃いますが、家電以外の商品は買えません(※)。つまり、幅は捨てて長さと深さを拡大した業態なのです。


小売店と言う業態は、結局、良い品揃えが出来れば強い差別化が出来ます。したがって、歴史的にバイヤーの地位が高くなってきたのですが、そもそも論にからすると「誰を顧客として」「その顧客が望む品揃えをどうやって実現するか?」が重要です。ただ、安く仕入れればよい、という事ではなく、顧客にいかに提案するか、これが今求められるプロダクトミックスのポイントになるでしょう。

※家電量販店、特に、ヤマダ電機は奥行きよりも幅を優先するような業態になってきましたね。これは家電が売れ筋商品の価格勝負、というのが強い業態だからなのかもしれません。ドラッグストアも同様ですが、専門領域だけでなく、食品なども扱い始めており、百貨店化が進み始めているのが興味深いところです。
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