名和田です。

4月度の「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」、
今回は、シナプスの講師でも有り、中小企業診断士の資格を始め建設業
関連の資格も多々持つ、五十嵐博一先生にご登場頂きます!

テーマ「コンサルタントとしての活動」を中心にお届けいたします。

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┃今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー
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今月の「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」のゲスト
は、シナプスの講師でもあり、中小企業診断士の資格を始め建設業関連の
資格も多々持つ、五十嵐先生をお迎えしてお話しを聞いていきたいと思
います。

【今月のゲスト】…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…

1964年生まれ。早稲田大学理工学部卒。清水建設株式会社勤務を経て、
有限会社ファイブ・コンサルティングを設立。
企業の経営戦略、マーケティング戦略のコンサルティングや人材教育に
携わっている。全国各地で開催する建設業経営者向け経営革新セミナー
も大好評。大学や専門学校などの講師も務めている。
「起業のお値段」
「3日間でできるLLP設立ガイド」「日本版LLCはこうつくる」
「生産管理クイックマスター」「建設業 残された選択肢」など著書
多数。技術士(電気・電子)、建築設備士、インテリアコーディネーター、
中小企業診断士。
http://five.dreamblog.jp/

◆インタビュー◆────────────────────────

【名和田】
今日は、同じシナプスで講師をされている五十嵐先生をお迎えして、改
めて先生の仕事や活動についてお話を伺いたいと思います。

まず、先生のプロフィールで目につくのが、その資格の多さですよね。
中でも特に強みとしているものはどの資格になりますか?

【五十嵐】
資格の難易度から言えば「技術士」ということになりますが、実用上は、
独立するきっかけになった「中小企業診断士」ですね。
とりあえず、すぐに日銭を稼げる仕事にありつけましたから。

【名和田】
『中小企業診断士』の資格ですか。
確かに人気も有り、実用的な気がしますね。

中小企業診断士の資格について、取得プロセスやメリットなどもう少し
詳しく教えて下さい。

【五十嵐】
中小企業診断士は元々、行政サイドが地域の中小企業を支援するための
資格でした。

それが2000年に制度改正されて、一般の経営コンサルタントという位置
付けに変わったのです。
新制度の中小企業診断士の領域は、かなりMBAに近いものになってい
ます。

資格取得のためには、専門学校を利用するのが最も一般的です。
最短で1年程度の学習でも取得可能ですが、大部分の人は2年以上掛っ
ているようです。
以前、2年で取得する人が最も多いという統計データを見たことがあり
ます。
私自身も2年かかりました。

【名和田】
実際取られてみていかがですか?

【五十嵐】
この資格を取ってよかった、というより、この資格のために勉強してよ
かったのは、経営学、経済学、マーケティング、財務会計、生産管理、
企業法務、コーチングなどを網羅的、体系的に学べたことですね。

【名和田】
そういえば、私の知人にも、途中で挫折してしまった人が何人かいまし
たが、その為の勉強は意味があったって言ってましたよ。
かなりハードらしいですね(笑)

【五十嵐】
ただ、実際に独立してフリーの立場で仕事をしてみると、資格そのもの
は大した強みにはならないと感じます。

資格があろうとなかろうと、上手くいっている人は上手くいっているし、
上手くいっていない人は上手くいっていませんから・・・。

実感としては、今一番の強みになっているのは、18年間に渡るサラリ
ーマンとしての実務経験だと思っています。

【名和田】
確かに。それは私も実感するところです。
ところで、独立したきっかけというのは何だったんですか?

【五十嵐】
30才のころから、漠然と「一生サラリーマンでいるのは抵抗があるな」
と感じていました。

でも、どうしたら独立できるのかわからず、とりあえず出来ることをやろ
うと思って、仕事に関係のある資格を取得しはじめました。
資格があれば“食いっぱぐれる”ことはないだろうと考えたのです。

そんな中で、阪神大震災の復興事業に携わり、被災地でがんばる多くの中
小企業経営者と出会ったことで経営に興味を持ち、コンサルタントに転進
する決意を固めました。

【名和田】
そうだったんですか。
それで資格を色々お持ちなんですね。

でも、阪神大震災がこういう形できっかけになることも有るんですね。
あの早期復興に携わった人達のパワーとスピードは凄いエネルギーだった
のでしょうね。

では、現在の活動についてお聞かせ下さい。
ワークスタイルやお仕事の内容というのはどんな感じなのですか?

【五十嵐】
主な仕事は、コンサルティングと講演やセミナーの講師、そして執筆です。

経営系のコンサルティングや技術系のコンサルティングに関しては、一定
期間、あるいは個別プロジェクト単位で依頼を受けて契約を結んでいます。

講演や講師に関しては、主催者から直接依頼される場合と、エージェント
経由で依頼される場合があります。

執筆のほうは、一般の書籍と専門誌から依頼される記事などです。

【名和田】
コンサルタントと一言でいっても、その内容やスタイルは人によって千差
万別ですよね。
五十嵐先生の場合、かなり理想に近い形なんですか?、

【五十嵐】
色々好きなことをやっていますからね。
サラリーマン時代に比べると、仕事に費やす時間も半減しましたし、余計
なストレスもないから正直楽ですね。

【名和田】
おぅ。それは素晴らしい。
時間に関しては大抵逆ですよね。

でも、この厳しい時代ですから、クライアントへの影響は何か感じるもの
があるんじゃないでしょうか?

【五十嵐】
クライアントの取引先が倒産したり、関与していた取引が頓挫したりと、
それなりに影響は受けています。

ただ、そんな中でも、増収増益を続けている元気なクライアントもいます。
今回の金融危機は、マクロ的に景気が後退しているのは間違いありませんが、
ミクロ的に見れば、損をしている人と得をしている人が混在していると感じ
ます。

【名和田】
確かにそれも有りますね。
実際今の未曾有の不況をどのように捉えてますか?

【五十嵐】
かつて日本は“バブル景気”とその崩壊を経験しましたが、今回は世界的規
模です。
大袈裟かもしれませんが、かつての日本のバブル崩壊と今回の金融危機は、
波の出るプールとビッグウェンズデーくらいの差があるように思います。
今はまさに“歴史の1ページに残る激動の瞬間”なのではないでしょうか。

個人的には、“100年に一度”という滅多にない状況を今の年齢と立場で経験
できたことは、ある意味でラッキーだったと思っています。(笑)

【名和田】
う〜ん。。。
とてもポジティブなコメントで驚きです(笑)
ただ、そういう見方がいいのかも知れませね。

では、この状況を乗り切るためのアドバイスは?

【五十嵐】
ビッグウェンズデーを目の前にして、果敢に挑むか尻込みするかで経営者の
価値が決まるのだと思います。

「ピンチ」や「変化」の陰には、必ず「チャンス」が隠れています。
まずは今の状況を前向きに捉え、どこにチャンスが隠れているのか貪欲に探
すべきでしょう。

まわりが大騒ぎしているときこそ、冷静に状況を分析すべき時なんです。
そして、こういう時こそ、先人が築いた基本的なフレームワークが有効に使
えるのではないでしょうか。

【名和田】
おっしゃる通りです。私もそう思いますね。

話は変わりますが、本も色々出されていますよね?
特に新しい仕組みの会社設立関係の本などが目につきますが、この辺りの
理由は何か有るんですか?

【五十嵐】
独立したばかりのころ、ちょうどLLP(有限責任事業組合)が制度化され
ました。
これは面白そうだなと感じて、仲間とLLPを作ってみることにしました。

でも、始まったばかりの制度でしたから、具体的な設立手続きはほとんど
知られていませんでした。
そこで、自分たちのLLP設立手続きの進捗状況をブログで速報しました。
そして設立完了後に、設立手続きの体験をそのまま本にしようと出版社に
企画を持ち込んだのです。
それが『3日間でできるLLP設立ガイド』という本になりました。

【名和田】
実は、私もその本を買ってその通り登記しました。。。(笑)
確かに3日で出来ますね。
まさか後に筆者と出会うとは思いませんでした・・・(笑)

【五十嵐】
そうでしたね。お役に立てて何よりです(笑)。

まぁ、これがきっかけとなり、今度は出版社から、新しい「会社法」で制
度化されたLLC(合同会社)の設立手続きの本を書いてみないかと言わ
れて引き受けたのが、『日本版LLCはこうつくる』という本です。

さらに別の出版社から、起業をテーマにした本を書いてほしいという依頼
があり、『起業のお値段』という本を書きました。

そんなわけで、会社設立関係の執筆が続いているというわけです。

これらの本がきっかけとなり、実務上でも幾つかの会社設立や事業立ち上
げのサポートをさせて頂いてます。

【名和田】
今後の執筆予定はありますか?

【五十嵐】
実は、これまで出した本以外にも、企画を考えては出版社や編集者に持ち込
んでいるんです。

でも、簡単には採用されませんね。ボツネタもたくさんあるんです。
めげることなく、常に本のアイデアをあれこれ考えています。
まだ具体的にお話しできる段階ではありませんが、頭の中では常に企画進行
中です。

【名和田】
なるほど。中々出したい本と世の中のニーズというのも合致しませんからね。

今後の展望についてはいかがでしょう?

【五十嵐】
個人としての価値を高める取り組みと、会社として事業を育てていく取り組
みの両立を目指しています。
そのためには、自身の研鑽と地道な営業活動が必要だと考えています。

コンサルティングのほうは、まだ下請の立場になることが多いのですが、
最近少しずつ元請で仕事を受注できるようになってきました。

講師業のほうは、同業の仲間とも連携して、エージェント的な機能を強化し
ようとしています。

なんだかんだ言っても、お客さんを獲得できなければビジネスになりません
からね。
泥臭いことを地道にやる、それが一番大事なんじゃないかと思っています。

【名和田】
同感です。
最後に4月28日(火)からシナプスで「問題解決スキル」講座がスタートし
ます。それについて一言お願いします。

【五十嵐】
「問題解決スキル」は、ひと言とでいえば、マーケティングのスパイスを効
かせたロジカルシンキングの講座です。

「論理的に考えるのは苦手」という方にお勧めしたい講座です。
右脳と左脳をバランスよく鍛えたいという方にもいいと思います。
よかったら是非お試しください。お待ちしてます!

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<インタビューを終えて>

今回のインタビューは、私も立場が近いこともあり、共感する部分
が多々有りました。
中でも独立してフリーの立場で仕事をしてみると、資格そのものよ
り実務経験がものをいう・・・というのは、まさにその通りだと思
います。経験に優るものは確かにないなと改めて実感しました。

                       (by nawata)
◆ 名和田 竜(なわたりょう)────────────────

企業のマーケティング戦略から、販売戦略・促進を専門とするマー
ケティング・コンサルティングプランナー。
ランチェスター戦略をベースに、個人及び小さな会社が大きな会社
に勝つための戦略指導に力を注ぐ。

・シナプス・マーケティングカレッジ講師
・NPOランチェスター協会認定コンサルタント
☆著書:『誇りを持って稼げる/最強の私を手に入れる!』(ビジネス社)
(http://www.relation-stage.com/)
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┃五十嵐博一講師担当講座情報
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◎「問題解決スキル」講座 −−−−−−−−−−−−−−−−

ロジカルに考えることが苦手な人へ。論理的思考力の強化と習得
http://www.cyber-synapse.com/college/course/lm/?090414ml/

■時間:19:00-21:30 (火)
■日程:4/28 5/12 5/26 6/9
■会場:銀座1丁目会議室
■講師:五十嵐博一