シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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ラガード

ラガードがスマホを買う日

ラガード:E.M.ロジャースが定義したイノベーター理論における採用カテゴリの一つです。「イノベーションの普及」(翔泳社)には、「ラガードは社会システムのなかでイノベーションを最後に採用する人々である。」と説明されています。
E.M.ロジャースによれば、物事の革新性に対するスタンスの区分は正規分布で分かれ、最も革新的でない上位16%がラガードと定義されています。

イノベーターやアーリーアダプターが「イノベーションを初期に採用する革新的な人たち」と考えられるのに対して、ラガードは最も因習的で古い考えを持った人たちです。当然、スマートフォンを持たないどころか、場合によっては携帯電話を持っていない可能性すらあります。

先日、日経で「従来型携帯の生産終了」というニュースが出ました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21H8H_T20C15A4MM8000/

これは正確には「独自OSを搭載した携帯電話の終了」という意味であり、全ての会社がスマートフォンではない折りたたみ型携帯を止めるわけではありませんので、もう少し「いわゆるガラケー」は残り続けるでしょう。

しかし、もし本当にこれらの携帯が無くなったら、或いは、携帯キャリアがこれらの携帯へのサービスを停止したらいよいよラガードの人たちは機種変更をせざるをえなくなります。


ラガードが新しい製品に切り替えるのはまさにこんなときです。
「もはや自分が今まで使っていたものが入手できない」というときこそがラガードが革新ていなテクノロジーに切り替える時でしょう。
ただし、残念ながら彼らが切り替えた時にはもはや革新的ではなくなっているのですが。


このことが何を意味するかと言うと、
・既存製品・サービスが存在する限り、どんなに頑張っても市場シェアは84%程度までしか取れない
・製品・サービスを止めない限り、市場の16%のユーザは留まり続けてくれる
と言う事です。

端末の動向やキャリアの動静を見ていると、ここ数年で折りたたみ型形態がなくなったりサービスが終了する事はなさそうに見えます。と言う事は、ラガードがスマホを購入するのはまだまだ先になりそうです。

イノベーター理論

シナプス後藤です。

このblogでもイノベーションについてのエントリーを幾つか書いていますが、イノベーションに関する古典の一つ、エベレット・ロジャース教授が提唱する「イノベーター理論」を紹介したいと思います。

イノベーション、つまり、新しいアイディアややり方が社会に浸透していくには時間がかかります。時間軸で採用者の特性が異なっている、というのがこのイノベーター理論の基本的な考え方です。
イノベーター理論は、彼の著書「イノベーションの普及」に詳しく書かれています。
(余談ですが、以前、読んだ覚えがあるものの、どうも正確に理解していない気がするので、改めて熟読したい一冊です。)
イノベーションの普及
イノベーションの普及


彼は、「アイオワ州における雑種トウモロコシの普及」など、農業に関するイノベーションでこれを説明しています。例えば、雑種トウモロコシは、それまでのトウモロコシより生産量が20%も多く、更に干ばつに強く機械による刈り取りにも適していました。しかし、種子を次の年に使えないので毎年買わなければいけない(今までは出来たトウモロコシから種子を取っておけばよかった)ため、行動変化を余儀なくされました。
簡単に言えば、「新しいやり方は効率よく儲かるが、やり方を変えなければならない」という事です。
結果的には、13年間でほとんどの農民(259人中、2人を除いた全員)が切り替えました。
これを時系列に表すと、釣鐘状(数学的には正規分布に近い形状)となり、採用タイミングによって特徴が異なるため、5つの採用カテゴリーを定義しました。(※1)

1) イノベーター
2) 初期採用者
3) 初期多数派
4) 後期多数派
5) ラガード

これらは、正規分布上に分布していると考えられ、次のように分布していると考えられています。
採用者カテゴリ1

採用者カテゴリ2

■1) イノベーター(Innovator)・・・2.5%
 冒険的で新しいアイディアに関心が高い層。
 集団の中では異端であることも多い。

■2) 初期採用者(アーリーアダプター Early Adopter)・・・13.5%
 集団の中では、尊敬の対象となっている「オピニオンリーダー」となっていることが多い。周囲から尊敬されており、しかも新しいアイディアを上手に利用できる体現者的な存在である。

■3) 初期多数派(アーリーマジョリティ Early Majority)・・・35%
 多数派の中でも早めに新しいアイディアを採用する人達。自分から新しいアイディアを採用することはなく、オピニオンリーダーの行動を見てから(あるいは意見を聞いてから)採用する。

■4) 後期多数派(レイトマジョリティ Late Majority)・・・35%
 懐疑的な考え方の人たちで、集団の多数が採用するまでは採用しない慎重派である。

■5) ラガード(Laggard)・・・16%
 彼らは、「確実に採用した方が良い」と判断するまでは採用しない。集団の中では情報伝達が遅い位置にいることもある。


イノベーションの普及において重要なのは、この中でも初期採用者です。初期採用者の中には多くのオピニオンリーダーが存在するからであり、言いかえれば、「オピニオンリーダーが初期採用者のタイミングで採用しなければ、イノベーションは限りなく普及しにくい」という事です。


最近のイノベーションに関する本は、多くが創造性、あるいは、組織文化に関わるところが多いと感じています。勿論、これらの理論は重要なのですが、実務上は「どうやって普及させるか?」も創造性や組織文化と同様に極めて重要な考え方だと思います。
それは、「どんなに創造的で価値の高いモノを生み出しても普及出来ないこともある」からです。


なお、テクノロジーに関するイノベーションで良く使われる「キャズム(Chasm)」はイノベーター理論が前提になっています。普及割合が16-17%を超えたら「キャズムを超えた!」と言われるのは、初期多数派が使い始めた、という意味と同じです。
キャズム理論では、初期採用者が利用したとしても、初期多数派との間には「断層がある」と述べていますね。

*1:上記の書では、他にも幾つかの事例を使っていますが、説明上割愛しました。
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