シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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マーケティング戦略

ポジショニング

ポジショニング、とは、ターゲット顧客に対して、競合と比較して「どのように見られたいか?」を決める事です。言いかえれば、顧客に対して、「自社の商品を買うべきだ」と言う訴求点を主張することです。

なぜ、ポジショニングが必要か?
ある人が、店に缶ビールを買いに行ったとします。すると、そこには、様々な種類の缶ビールが並んでいて、それがいったい何が違うのだろうか?自分は何を飲みたいのだろうか?と悩むわけです。その時に選ばれるかどうかは、顧客にとって「飲みたい、買いたい」と思わせる何かが無いといけないわけです。さもなければ、山のようにある競合のビールの中に埋もれて、買われない事になってしまいます。また、見た目が同じであれば、当然顧客も安い方を選ぶので、買われるにしても価格競争は避けられません。
一方で、「他とは全く違う素晴らしいビール」と思われていれば、当然買われることも多くなってきます。
ポジショニング、とは、価格競争から脱却し、顧客に選ばれる商品を作るための活動なのです。

ポジショニングに必要なのは、「ユニークな地位を気付く訴求点を顧客に理解してもらう事」です。従って、まず第一に、自社の商品が他社に比べて「これこれこのように魅力的である」と言う事を決めなければなりません。それを行うのがポジショニングマップです。

ポジショニングマップは、一般にX-Y軸のグラフとして表記されます。業界内に競合商品がほとんどなければ、2軸である必要もないのですが、複数の競合があると、2軸くらいは最低限書かないと、競合との相対的な地位を描けないためです。

ポジショニングマップは、顧客の知覚認識に基づいて作成されます。良く「わが社の商品の品質は優れているので、ポジショニングマップも品質を付け加えよう」等と言う議論がなされます。が、勿論これでは不十分です。商品が優れているかどうかは、ポジショニングマップには直接関係ないのです。重要なのは、「顧客が『わが社の商品の品質が優れていると感じている事』」です。
さらには、「(ターゲット)顧客がそれを重要と考えている事」も必要になります。

ポジショニングマップを書く際には、大きく二つの観点で軸選択をする必要があります。
・(ターゲット)顧客が重要だと思っている事
・競合に比べてユニークなポジションを作れる事
これを外すと、まったく意味のないポジションが作られてしまいます。

さて、ポジショニングマップは、大きく二つの観点から描かれます。すなわち、
1) 現状を理解するための顧客パーセプションマップ
2) 将来的に作りたいポジショニングマップ
です。

基本的には、1)を作成し、その後2)を書いてみると良いと思います。
1)は、「顧客がどのようにその商品を捉えているか?」を確認します。ラフにやる場合には、社内の仮説で作ることもありますが、ある程度正確性や今後の施策の効果を期待するのであれば、顧客リサーチを行って情報を取得する必要があります。
ポジショニングマップ、と言うと、「男性的←→女性的」というような軸で、業界に存在する全ての商品をプロットしているものがあります。特に自社の商品の位置付けもあまり意識せず、「マーケット全体の分布」を示しているもの です。全体を捉えるためのマップですね。
そのうえで、自社の商品の訴求が十分でないことが判明した場合には、さらに2)として、「今後どのような訴求点を強化すべきか?」を考えていくと良いと思います。

今、この人に聞く!:株式会社ディープブルース マーケティング事業部 山本 喜昭氏

今月は、総合広告制作会社「株式会社ディープブルース」執行役員:
マーケティング事業部 ストラテジックプロデューサー:山本 喜昭
(やまもと よしあき)氏を迎え、お話を聞いていきたいと思います。

▼テーマ:『広告会社は即刻変化に対応を!?』

【今月のゲスト】…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─

●山本 喜昭(やまもと よしあき)氏

http://www.deepblues.co.jp/sted

1971/4/7京都生まれ。
インテリア商社営業を経験後、ファッションエージェンシーマネージャーへ。
その後アートスクール研究生を経て、総合広告制作会社deepbluesに参画。
映像ディレクション、プロデュースからはじまり、WEBプロデュース、
デジタルコンテンツプロデュースを経てマーケティングの世界へ入る。
現在は、deepbluesストラテジック事業部ストラテジックプロデューサー、
コミュニケーションデザイナーとして様々なクライアントの
マーケティング戦略を立案。

◆インタビュー◆──────────────────────────

【名和田】
この不況下で、どの業界も大変厳しい状況が続いておりますが、その中でも
広告業界は特に厳しい状況であるという声が聞こえてきます。

【山本】
おっしゃる通り、業界的にはかつて無いほどの厳しい状況に晒されています。
各社が特色を持ち、存在感を示さねば生き残ることが難しい状況にあること
は間違いないでしょう。

【名和田】
その様な業界の中で、貴社はどのような会社なのでしょか?

【山本】
マーケティング戦略、コミュニケーションデザインから映像、イベント、
WEB、グラフィック、音楽制作をする総合広告制作会社です。

企業の戦略策定からクリエイティブ制作までマーケティングの川上から川下
までをカバーできることが強みでしょうか。

【名和田】
よく広告の分野では、代理店や制作会社の業務範囲や請負う範疇などが棲み
分けされてますが、貴社に関しては川上の戦略から、川下の制作までを全て
一気通貫に提供できるというわけですね。

【山本】
その通りです。
戦略とクリエイティブなどのアウトプットがチグハグにならない、
全て整合性の取れた提案をすることが可能ということです。

【名和田】
確かに専門分野を絞り、その範囲だけをやっていくということが、
専門特化する強みとも言えますが、こと広告分野に関しては、それが戦略
と現場での乖離を生む要因にもなってますからね。

その1つとしても言えるかも知れませんが、マス広告が効かなくなったと
言われ続けています。

【山本】
ハイ。モノが一通り行き渡り、商品の差別化が、ちょっとしたデザインや
機能の違いだけで大量生産し、広告を画一的に大量投下すれば、生活者に
情報が届き、モノが売れるという時代は終わったということは言うまでも
ありません。

ただ一方で、インターネットを代表としたメディアの変化に加え、生活者
の消費行動の変化など、広告というビジネス自体のパラダイムが劇的に変化
してきているため、単にマス広告の終焉だけでは語れない時代に入っている
とも言えます。

【名和田】
つまり、マス広告だけが効かないわけではないと?

【山本】
そうです。要は1人ひとりに向けたコミュニケーションが主流になりつつ
ある中で、いかに「個」を捉えていくかの問題でもあります。

しかし、これは大企業に限らず、中小企業にとっても、よりマーケティング
が重要になって来たことを意味しています。
今は逆にそれがやりやすい時代になってきたともいえます。

【名和田】
確かにそれは言えますね。
そこで、クロスメディアという考え方がここ何年かで業界では急速にいわれ
続けてますが、まずクロスメディアの意味とそれについての貴社の取組みに
ついてお聞かせ下さい。

【山本】
生活者が接する情報量がここ10年間で410倍になったといわれています。
テレビや新聞の他、CATV、ゲーム、携帯電話、デジタルサイネージ、インタ
ーネット等々、生活者が接するメディアやデバイスは、其の個人の趣味趣向
によって様々です。

前述のマーケティング環境の変化もあいまって、一律に大量のメッセージを
発信してもターゲットに届かなくなっています。

重要なのは、商品やサービスのターゲット特性を分析して、彼らの行動にあ
ったコンタクトポイントに的確なコミュニケーションを構築することです。
これらのコミュニケーションをデザインするマーケティングをクロスメディ
アマーケティングといいます。
(解釈は人によって様々ですが。。)

弊社でも約3年ほど前からマーケティング事業をはじめています。
マーケティング戦略の策定から実制作までをカバーできる、つまり企業の
課題解決のwhatからhowまでをカバーできる体制創りをしています。

【名和田】
なるほど。貴社は、いち早くこの状況の変化に対応した会社と言えますが、
今後広告会社や制作会社が取組まねばならないことはどのようなことでし
ょうか?

【山本】
今までの手法にしがみつくことなく、クライアント本意の施策を提案できる
ことかが生き残りの鍵になると思います。

【名和田】
そうした中、これからの業界で求められる人材というのは?

【山本】
これからは、コミュニケーションデザイナーがマスマーケティング全盛時代
のCMプランナーやコピーライターのような花形になるのではないでしょうか。

企業のマネジメント要素の知識から、マーケティングのスキル、クリエイテ
ィブ能力、各種テクノロジーツールの知識など総合的なスキルが求められる
かと思います。

【名和田】
ほう。それはかなりハードルが高そうですが、これまでの感覚値や感性だけ
でなく、より現実的な事業能力も求められるわけですね。

では、今後の貴社の展望をお聞かせ下さい。

【山本】
今までのナショナルクライアントのマーケティングはもとより、さらに日本
経済のこれからの原動力となる全国の中小企業をターゲットに、マーケティ
ング事業を展開して行く予定です。

クライアントにとって費用対効果の高い戦略の立案とクリエイティブの制作
をより多くの企業にご提供していきます。
今後の展開は随時ホームページでリリースしていきますので、是非チェック
して見て下さい。

http://www.deepblues.co.jp/sted

【名和田】
全国の中小企業ですか。素晴らしいですね。
最後に山本さん個人としての今後の展望をお聞かせ下さい。

【山本】
コミュニケーションデザインやマーケティングストラテジーの能力を磨き、
おもしろい世の中を創っていきたいと思います。
宜しくお願いします。

■……………………………………………………………………………■
<インタビューを終えて>

今広告業界に携わる企業は、本当に厳しい戦いを繰り広げている。
まさに生き残りを掛けたサバイバルである。
何も手を打っていない企業は、この3年以内にかなり淘汰されて
行くのではないだろうか?
山本氏の言うとおり、今までの手法にしがみつくだけでは、
間違いなく通用しないだろう。

マーケティング戦略、コミュニケーションデザインから映像、
イベント、WEB、グラフィック、音楽制作・・・。
総合広告制作会社を謳うディープブルースという会社が、
今後この業界に何を投げかけていくのか?
注目していきたいと思います。
                       (by nawata)
◆ 名和田 竜(なわたりょう)────────────────

企業のマーケティング戦略から、販売戦略・促進を専門とするマー
ケティング・コンサルティングプランナー。
ランチェスター戦略をベースに、個人及び小さな会社が大きな会社
に勝つための戦略指導に力を注ぐ。

・シナプス・マーケティングカレッジ講師
・NPOランチェスター協会認定コンサルタント
☆著書:『誇りを持って稼げる/最強の私を手に入れる!』(ビジネス社)
(http://www.relation-stage.com/)
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