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ポジショニング

マーケティング理論と経営戦略理論のポジショニングの違い

シナプス後藤です。

「ポジショニング」という言葉があります。
マーケティング戦略では当たり前のように出てくる言葉ですが、個人的に整理できていなかった部分もあるので自身の整理もかねて。

ポジショニング、と言えば、ポジショニング・マップが有名ですね。一般的には2軸で自社のポジションを明確にする、というものです。
マーケティング理論において、ポジショニングマップとは、

「顧客の頭の中の認識を描いたもの」

です。決して、事実としての自社商品、サービスの位置を明確にするものではありません。
マーケティングのある意味基本ですが、顧客はワガママであり、彼ら彼女らの心のままに商品を購入します。彼らが物を買うのは、「その商品が良いから」ではなく「その商品が良いと思ったから」なのです。
これが、マーケティングにおけるポジショニングの大前提ですね。


一方、経営戦略理論には「ポジショニング理論」というものがあります。元々はマーケティング理論のポジショニングの考え方から派生したもののようなのですが、この理論が決定的に優れたものとなったのは、やはりマイケル・ポーター教授の「競争の戦略」からでしょう。
これは、5Forces分析と、競争の戦略三類型(コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略)で有名ですね。

競争の戦略では、「儲かるビジネスの構造」があると述べています。儲かる事業領域では基本的に儲かるし、儲からない事業領域ではどうやっても儲からない。例えば、競合がいなければ、競争環境は緩く、基本的に儲かります。一方で、競合が価格競争を仕掛けてくるような状況であれば、競争に応じざるを得ず儲からなくなります。

マイケル・ポーター教授が提唱したのは、「ビジネスの構造を分析し、儲かるビジネスの構造を発見し、その位置を獲得しよう」ということです。この儲かる位置をポジショニング、と呼ぶわけです。

こちらは、顧客の認識に関係なく(勿論、関係することもありますが、一部に過ぎません)、儲かる位置は儲かるし、儲からない位置は儲からない、という事になります。


つまり、マーケティングにおけるポジショニングとは、「顧客の心の中に独自の位置を作る」ことであり、経営戦略におけるポジショニングとは、「ビジネスの構造の中で儲かる位置を作る」ことです。
言葉としては同じなので、「どちらの話をしているか?」を気を付けておくと間違いないと思います。

※但し、経営戦略における「ポジショニング」は経営理論を勉強されている方で無いと使わないので、「顧客の心の中に独自の位置を作る」と覚えておいても大きな間違いはないでしょうね。

関連エントリー:
ポジショニング
ポジショニングマップをどのように書くか?
5Forces分析 (5つの力分析) とは?

ポジショニングマップをどのように書くか?

ポジショニングマップは顧客の知覚認識によって描かれる、と言う話を前回書きました。
それでは、どのようにポジショニングマップを書けばよいのでしょうか?

ポジショニングマップは、次の手順で書くことをお薦めします。
1) ターゲットのKBFを洗い出す
2) 顧客にとって最も重要なKBFを確認する
3) 競合と比較して差別化できるKBFを確認する
4) 顧客にとって重要&競合と差別化できる軸を選択する

ポジショニングマップを書く際、「自社の特徴」で決めていませんか?勿論、ユニークかどうか、という観点で考えると、自社の特徴で決めるのは必ずしも間違いではありません。しかし、顧客に支持されてこそのポジショニングなので、顧客視点は重要です。
また、顧客視点は重要でも、他社との差別化が出来ないようなら、価格競争に巻き込まれてしまいます。ポジショニングの軸を決める際には、「顧客視点」「競合視点」の両方が必要なのです。

一方、顧客視点、競合視点で考えた時に差別化が出来なければ、どうすればよいか?
大きく二つの方針があります。
一つは、差別化できるように自社のプロダクトを強化する、あるいは、正しく差別化点を顧客に伝える、という方法です。
もう一つは、自社の強みを重要な価値である、と考えるセグメントにフォーカスするという方法です。
KBFは顧客セグメントごとに異なります。同一セグメントでも微妙に異なる事はあります。もし、市場規模が自社にとって、十分以上に大きく、セグメント化しても自社の売上規模を十分獲得できるの出れば、むしろ良いことです。
その場合は、ターゲットをより絞り込んで、「自社の訴求点が届く層」に絞り込んで下さい。

ポジショニングは、自社の価値を顧客にどれだけ際立たせるか、がキーです。その観点でも、顧客視点+競合視点は重要になります。

ポジショニング

ポジショニング、とは、ターゲット顧客に対して、競合と比較して「どのように見られたいか?」を決める事です。言いかえれば、顧客に対して、「自社の商品を買うべきだ」と言う訴求点を主張することです。

なぜ、ポジショニングが必要か?
ある人が、店に缶ビールを買いに行ったとします。すると、そこには、様々な種類の缶ビールが並んでいて、それがいったい何が違うのだろうか?自分は何を飲みたいのだろうか?と悩むわけです。その時に選ばれるかどうかは、顧客にとって「飲みたい、買いたい」と思わせる何かが無いといけないわけです。さもなければ、山のようにある競合のビールの中に埋もれて、買われない事になってしまいます。また、見た目が同じであれば、当然顧客も安い方を選ぶので、買われるにしても価格競争は避けられません。
一方で、「他とは全く違う素晴らしいビール」と思われていれば、当然買われることも多くなってきます。
ポジショニング、とは、価格競争から脱却し、顧客に選ばれる商品を作るための活動なのです。

ポジショニングに必要なのは、「ユニークな地位を気付く訴求点を顧客に理解してもらう事」です。従って、まず第一に、自社の商品が他社に比べて「これこれこのように魅力的である」と言う事を決めなければなりません。それを行うのがポジショニングマップです。

ポジショニングマップは、一般にX-Y軸のグラフとして表記されます。業界内に競合商品がほとんどなければ、2軸である必要もないのですが、複数の競合があると、2軸くらいは最低限書かないと、競合との相対的な地位を描けないためです。

ポジショニングマップは、顧客の知覚認識に基づいて作成されます。良く「わが社の商品の品質は優れているので、ポジショニングマップも品質を付け加えよう」等と言う議論がなされます。が、勿論これでは不十分です。商品が優れているかどうかは、ポジショニングマップには直接関係ないのです。重要なのは、「顧客が『わが社の商品の品質が優れていると感じている事』」です。
さらには、「(ターゲット)顧客がそれを重要と考えている事」も必要になります。

ポジショニングマップを書く際には、大きく二つの観点で軸選択をする必要があります。
・(ターゲット)顧客が重要だと思っている事
・競合に比べてユニークなポジションを作れる事
これを外すと、まったく意味のないポジションが作られてしまいます。

さて、ポジショニングマップは、大きく二つの観点から描かれます。すなわち、
1) 現状を理解するための顧客パーセプションマップ
2) 将来的に作りたいポジショニングマップ
です。

基本的には、1)を作成し、その後2)を書いてみると良いと思います。
1)は、「顧客がどのようにその商品を捉えているか?」を確認します。ラフにやる場合には、社内の仮説で作ることもありますが、ある程度正確性や今後の施策の効果を期待するのであれば、顧客リサーチを行って情報を取得する必要があります。
ポジショニングマップ、と言うと、「男性的←→女性的」というような軸で、業界に存在する全ての商品をプロットしているものがあります。特に自社の商品の位置付けもあまり意識せず、「マーケット全体の分布」を示しているもの です。全体を捉えるためのマップですね。
そのうえで、自社の商品の訴求が十分でないことが判明した場合には、さらに2)として、「今後どのような訴求点を強化すべきか?」を考えていくと良いと思います。
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