シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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ティナ・シーリグ

スタンフォード白熱教室を見て〜 起業家から何を感じるか?

昨日もスタンフォード白熱教室を見ました。今回は、4人のゲスト(創造力に優れた企業、個人。IDEO、Facebook、等)を招いて、質問をしながら「クリエイティブな組織とは?」という事を考える会でした。

創造性を発揮できる組織は、多くの場合、最終的には文化形成に行き着きます。
これは、様々な経営理論で散々語られているテーマではないかと思います。ですので、当然、採用には気をつけるし、組織文化を形成するようなあらゆる施策を企業内に入れていきます。組織のルールもあれば、部屋や設備など場の形成もそうですね。
ただ、「具体的に何をやっているか?」という点が語られるのはとても興味深いです。テレビ、もしくは、クラス構成上の問題でその施策を「どういう目的でやっているか?」まで深堀されなかったのは少し残念でしたね。

創造性発揮に関していろいろとポイントはあったかと思うのですが、私個人として感じたのは彼等が持つ空気感が一番参考になりました。ティナ・シーリグさんの教室が持つ空気感も影響しているのかもしれませんが、一様に「楽しいことを受け入れるスタンスが強い」ように感じられたのです。恐らく、創造性を発揮する組織を作るマネジャーとして、創造性をマネジメントするよう心がけてきたのでしょうね。
創造性をマネジメントする、と言うのはつまり、「面白いことを評価せずに面白がる」ことだと思います。そしてそれを伸ばす。良く「尖ったアイディア」と言いますが、出てきた瞬間は少し出っ張っているものを「より尖らせる」か「より丸まらせる」かはそのコントロール次第です。評価する、と言うことはつまり、ある尺度で丸めることになりますから、一旦出っ張っているものをより際立たせるようにする必要があります。
彼等は、それを意識的に、あるいは、無意識的に気づいており、実践しているということなのではないでしょうか?

そういった空気が醸し出せるまでになる、と言うのは凄いことだな、と思った次第です。

常識を破ることの重要性 〜創造性の鍵はどこにあるか?

日曜日に、NHK教育で放送されている、スタンフォード白熱教室を見ました。
所用により第2回を見逃してしまったのですが、第3回「最悪の家族旅行を考える」を見て、改めて「創造性」という事について考えさせられました。

番組は、スタンフォード大学 起業家育成コースの授業風景を編集して放映したもので、ティナ・シーリグさんを講師として、創造性を発揮するための様々な手法や考え方を説明しているようです。
第三回の大きな流れは、ブレインストーミングとマインドマップ、というアイディアを拡散させる手法を用いながら、
1) 最良のアイディアを考える
2) 最悪のアイディアを考える
3) 最悪のアイディアを出発点として、最良のアイディアを考える
という三つのプロセスを体感します。

私はイノベーションを「新しいものの見方や考え方でビジネスで成功すること」と定義しています。イノベーションや新規事業、という文脈の中で考える場合、「新しいものの見方や考え方」を創造する、というのが1つ鍵になります。

成功しやすいものの見方として、「常識を疑う」というものがあります。「常識」というのは多くの場合、なんらかの合理的な理由によって決められています。例えば、「人と会ったら挨拶をする」という常識は、人と人とのコミュニケーションを円滑にさせるための人間の知恵であり、共存共栄していくためには合理的な行動様式です。
ところが、常識は長い間「常識」として存在していると、いつのまにか合理的でなくなる事があります。例えば、少し前までは一家に一台以上、固定電話があるのが常識でした。これは、その家庭に連絡をするのに固定電話と言う手段が一番手軽で効率が良かったからです。(当然、その前には電話が高くて郵便や電報と時代も存在しました。)
それが今では、固定電話を置かなくなる家庭も有りますね。その代わりに携帯電話が出てきたわけです。これは技術の進歩によって合理的なものが変わり、常識が変わりつつある例です。

このように、常識がなんらかの「合理的な理由」で出来ているにもかかわらず、行動様式や文化に深く関わってしまうと、合理的な理由がなくなっても、「常識」だけが非合理的に存在するようになります。この非合理な常識に気付けるかどうか、がビジネスチャンスになるケースもあります。
番組では、シルク・ド・ソレイユについて触れていましたが、今までサーカスと言うものが「子供向け」「動物が出てくる」という常識を打ち破り「大人向け」「人が演じる」というエンターテイメントに変化させました。この常識は「サーカスは子供が見るもの」というもので、主要なマーケットが子供だった、という事でもあります。が、子供にとってもっと面白いエンターテイメント(テレビやゲーム)が登場すると、従来のサーカスというエンターテイメントが極めて不合理になった(ビジネス的に)という事でしょう。
日本では、QBハウスがそれにあたります。今まで「床屋で頭を洗うもの」という常識を大きく覆しましたね。また、ライフネット生命は、「生命保険は対面で無いと売れない」という常識を打ち破りました。

さて、常識を疑う、とは言うは易く行うは難し、です。常識とは、言い換えれば「暗黙の前提」でもあり、多くの場合、意識しないで行動できるようになっているからです。例えば、挨拶は人とあったら自動的に行うもので、人に会うたびに「これはコミュニケーションを円滑にするために合理的な行動である」と考えながらやるものではないでしょう。合理的になる、という事は言い換えれば、「意識せずに行動する」という事でもあるわけです。

さて、白熱教室の3つのプロセスは常識を疑う、というよりも、常識を打ち破る方法として非常に効果的だな、と感じました。
つまり、
1) 最良のアイディアを考える
  ・・・「今のビジネスの常識の中でベストを考える」
    →基本的な「良い」と考えられるルールを見出す
2) 最悪のアイディアを考える
  ・・・「今のビジネスの常識の枠を外す」
    →「最悪」を考えることで、既存のビジネスの常識から外れる
3) 最悪のアイディアを出発点として、最良のアイディアを考える
  ・・・「常識を外れたもの」+「良いもの」を考える
というアプローチです。

実は、アイディアを考える、という中には、「良いアイディアを考える時には突飛なアイディアは排除すべきである」という常識があります。例えば、面白いビジネスアイディアを考えよう、というときには、「こんなの絶対儲からない」とか、「こんなの実現できない」と言うものを自動的に排除する傾向にあるのです。それが、ティナ・シーリグさんによると「最悪のアイディアを考える際にはその意識を殆どしない」という事だそうです。それが上記の2)の最大の意義ですね。

恐らく、このアプローチの一本槍で良いビジネスが生み出される、ということはないのでしょうけど、ただ、このアプローチを一度体感しておくことで「自分の中に常識がある」という事を理解できるようになります。
創造性の鍵穴と扉は自分の中にあるとしても、この「常識を破る」という鍵を上記のようなアプローチで見つけなければ、イノベーションは起こせないのだろう、そんな事を考えました。

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