シナプス後藤です。

先日、友人と飲んでいるときに「コンセプトって大事だよね」という話になりました。
良いコンセプトがあれば、ビジネス、あるいはイベントなども上手く行きますし、逆にコンセプトが明確でないと、何がなんだか良く分からないものが出来あがったりします。

では、良いコンセプト、とは何でしょうか?


■良いコンセプトの形

「コンセプトが大事」と言う人はいますが、では何が良いコンセプトか、を示せる人は意外に少ないように思います。

飲んでいるときにも同じような議論になりましたが、自分でビジネスを回して成果を挙げている人はやはり良く分かっている感じがします。

「コンセプト、って、『一言で言うと何』ということを明示したものだ」
「本質を一言で言い表したものだ」

彼らにとってみれば、何が本質か、何が本質であるべきなのか、と言う議論で善し悪しを決定出来るのだと思います。
コンセプトはやはり「一言で言うと何」という事を明示する、これは確かでしょう。


では、一言で言えば何でも良いのでしょうか?
言い換えれば、一言で「何」を言えばよい?本質とは何?

私も含めた凡人は、このコンセプトを一言で言ってみると大体外します。彼らのような本質の分かった方から言わせると、
「そのコンセプトじゃ面白くない!」
とはじかれてしまうのです。


■良いコンセプトに必要な二つの要素

私はビジネスに関わるコンセプトにおいて必要な要素は二つだと思っています。
すなわち、
・顧客は誰か?
・価値は何か?
です。誰にとってどんな価値があるのか、それを一言で言い切るのが良いコンセプトではないでしょうか。

コンセプトの本質は「価値」です。その価値に意味があり、ユニークであれば、世の中に受け入れられる≒面白い、と言う事です。一方、価値がなければ世の中から見向きもされないわけです。その意味では価値がとても重要です。
難しいのは、「何が価値があるのか?」は人によって異なります。たとえば、私はオートバイが好きなのでバイクと言う事に価値を感じますが、世の中の多くの人たちには関係のない話でしょう。つまり、言いかえれば、「誰にとって」と言う事が価値を大きく左右するわけです。


■良いコンセプト一言で言わなければいけない理由

では、なぜ一言で言わなければならないのでしょうか?

それには大きく二つの理由があります。
1) 本質を捉えるため
2) コミュニケーションするため


1) 本質を捉えるため
 一言で言う、と言うのはとても難しいことです。たとえば、iPhoneの価値にしても、電話が出来る、メールが出来る、ブラウジングが出来る、画面が大きい、マルチタッチで使いやすい、カッコいい、、、山のようにあります。それらを纏めて言うと何なのか?と問われると極めて難しい。
 こういった色々な事を突き詰めて考える作業を行う事で初めて、「自分たちがどんな価値提供をしようとしているのか」「誰が本当のターゲットなのか」がわかってくるのではないでしょうか?
 一つに絞る、と言うのは余計な事を考えなくて良いのではなく、余計な事まで一度全て考えたうえで、削って削って初めて出来ることです。だからこそ、一言で言う、と言う作業は重要です。

2) コミュニケーションするため
 コンセプトがある、と言う事はその活動、それは商品でも良いし、サービスでも良い、あるいはイベントでもブランドでも企業活動全般につながる全てが関係してくる可能性がありますので、多くの人たちが関わります。少なくともその価値を届けたい人たち、多くの場合は顧客に価値を理解してもらう必要があるでしょう。
 その時、「あなた向けの商品で、こんな価値があります」と言わなければなりません。
多くの場合、一番最初に説明する時には興味も何もない段階ですから、簡単に理解してもらう必要があります。それが一言になっていれば伝わりやすいわけです。
 寄り多くの人を巻き込んで、動かしていくためには「一言」と言うのは極めて重要な事です。


■コンセプトまとめ

良いコンセプトとは、「ターゲットとその価値が一言に纏められていること」です。
本質を考えることでコンセプトを一言に纏め、その「一言」で周囲を巻き込むコミュニケーションを取っていきます。

コンセプト、と言う耳触りの良い言葉に流されず、本質を考えたいものですね。