一般的に、顧客ニーズと言うと顧客が欲しているもの全てを指しますが、マーケティングでは、もう少し細かく定義をしています。例えば、「私はハンバーガーが欲しい」など、具体的な商品を指している場合はウォンツと呼び、ニーズとは分けています。「私は空腹を満たしたい」がニーズになります。

ニーズとは、顧客が理想とする状態と現状のギャップです。
もう少し平易にいうと、具体的な商品を指している場合はウォンツ、自分の状態を変化させることを指している場合はニーズ、になります。日本語では「〜したい」はニーズ、「〜が欲しい」はウォンツになることが多いようです。

ニーズとウォンツをなぜ分けなければいけないのか?
顧客がモノを購入する時には何らかの目的を持っています。この目的がニーズになるわけですが、購入するモノをニーズと解釈してしまうと、顧客に最大の満足を提供できないことがあるからです。
例えば、「私はハンバーガーが欲しい」と言っている人がいたとしましょう。その目的は空腹を満たすことかもしれないし、それほどお腹がすいているわけではないがハンバーガーを味わいたい、と思っているかもしれない。場合によっては、化学分析のためにハンバーガーのソースの部分だけを分析したいのかもしれない。
あるいは、思いついたからハンバーガーと言っているだけで、詳しく聞いてみるとラーメンが食べたいというかもしれない。
顧客を最大に満足させるものはハンバーガーでない可能性も高いし、ハンバーガーだとしても、高級ハンバーガーなのか、早く食べられるものなのか、も違います。

ニーズの把握方法として最も一般的な方法は顧客に聞くことです。マーケティング・リサーチを用いたニーズ把握を行っている企業もかなりありますが、それ以上に「顧客ニーズを聞いた事が無い」と言う方が多いようです。ニーズ把握の方法は様々ありますが、もし御自身が顧客と会話が出来る立場にあるのでしたら、一度聞いてみては如何でしょうか?
その際は、「ニーズは何か?」と聞くのではなく、「なぜその商品が欲しいのか?」「なぜその商品を選ぶのか?」と言う理由を聞いてみることです。

マーケティング活動において、最も重要な活動がこの「顧客ニーズ把握」だと思います。マーケティング施策の全ての立脚点になるのがニーズです。商品を選ぶのも、価格に妥当性を持つのも、全て顧客ニーズによって決まります。だからこそ、ウォンツではないニーズを把握することが重要なのではないでしょうか?

「顧客は常に正しい」という言葉が語る通り、常に顧客ニーズを押さえておきたいものです。

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