シナプス後藤です。
先日、鈴木規文さんをお招きして、「新規事業の起こし方」というタイトルで講演と、弊社代表の家弓とのディスカッションを実施しました。
内容は、次世代型アフタースクール「キッズベースキャンプ」を立ち上げ、事業運営し、東急にバイアウトし、軌道に乗せるまでの流れを話しながら、新規事業・イノベーションに必要なものや難所を説明していくと言う流れです。
鈴木さんは、最後のまとめとして、「社内にイノベーションを起こすために必要な要素」として次の三点を挙げておられました。
1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。
企業が新規事業、イノベーションを興すと言う観点で考えると、難しい理由は概して2つあるでしょう。それは、「儲かる事業を作る」ことそのものの難しさと、儲かっている本業を持っているが故の「組織につぶされる」ことです。
まず、大企業がやろうとも、ベンチャーがやろうとも、新しく儲かる事業をやるのはとても難しいものです。なぜなら、もし簡単に出来るなら当然他の誰かがやっているだろうからです。
新しいチャンスを発見し、誰もまだ手を付けないのだとすれば、それは見つけた人が慧眼だという事ではなく(慧眼でないと見つけられませんが)、それ以上に手を付けるのが極めて難しいと言う事を示しています。たとえば、ガンの特効薬を作れればそれだけで凄いビジネスになりますが何でやらないかと言うと誰も実現できないからです。
一方で、企業が「新規事業」・「イノベーション」をやることの難しさは、儲かっている本業があることに起因します。通常、企業は如何にして効率的に利益を生み出していくか、ということを目標に戦略が組み立てられ、組織が組み上げられ精度が出来あがります。この時、効率的に利益を生み出す最高のやり方は、儲かっている既存事業をもっと儲かるようにすることです。
言い換えれば、それ以外のやり方、例えば新規事業・イノベーションは既存事業にとって悪でしかありません。
だから、真面目に既存事業に取り組めば取り組む程、新規事業やイノベーションに対する取り組みは邪魔になってくるわけです。
これらの背景から、改めてこの3つを見てみましょう。
1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。
■1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
シナプス代表の家弓は、
「新規事業開発の10ステップ」 http://kayumi.jp/archives/1766289.html
と言っています。なぜ、個人のパッションが必要要件かというと、新規事業はそもそも難しいからです。儲かる事業にすることだけでも大変なのに、社内の抵抗に合うわけです。その抵抗は具体的な悪口や意地悪、という形ではなく、
・リソースが配分されない
・意思決定がなかなか通らない
・社内ルールを適用する羽目になる
等の形で訪れます。ドラマ「半沢直樹」であるような具体的な意地悪であれば「倍返し」のしようもありますが、正論で来られるとなかなか対処はしんどいでしょう。
途中で折れても仕方が無いような状況のなかで折れずにいるためには、その人がどれだけモチベーションを維持できるかにかかっていくるでしょう。言い換えれば、最初からモチベーションの高い状態を作っておく必要があるわけです。
■2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
企業の中で新規事業を興す時に、ベンチャーと違う最大のメリットは既存リソースがある事です。資金かもしれないし、人材かもしれないし、設備かもしれません。場合によっては顧客や流通チャネル、或いは、パートナー企業との付き合いかもしれません。こういったものが使えるのは極めて有利に働きます。が、一方で、これだけでは新しいものは生まれません。もし、生まれるなら、担当者以外の誰かが既に発見し、事業化し儲けているでしょう。だから、外に出て行くべきなのです。
イノベーションとは、組み合わせによって成し遂げられます。従って、自社のリソースを外部のリソースと「どのように組み合わせるか?」を最初から目指す必要があるわけです。NIH(Not Invented Here)等と言っている場合ではありません。
■3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。
まさに新規事業・イノベーション構築活動中は、既存事業より儲かるはずがありません。絵を描くことは出来ないとは言わないまでもかなり眉唾な絵になるはずです。従って、短期的な経済合理性で考えれば新規事業などやらない方が良いに決まっています。
したがって、意思決定をするには、将来どれくらい期待できるのか、もしくは、「どれくらい今見えていない可能性が存在するのか?」がキーになるかもしれません。
企業内で新規事業・イノベーションを興すために、担当者が考えなければならないことは勿論ですが、マネジメントや経営企画等、「新規事業・イノベーションを管理する側」としても考えておくべきポイントがあるのではないでしょうか。
先日、鈴木規文さんをお招きして、「新規事業の起こし方」というタイトルで講演と、弊社代表の家弓とのディスカッションを実施しました。
内容は、次世代型アフタースクール「キッズベースキャンプ」を立ち上げ、事業運営し、東急にバイアウトし、軌道に乗せるまでの流れを話しながら、新規事業・イノベーションに必要なものや難所を説明していくと言う流れです。
鈴木さんは、最後のまとめとして、「社内にイノベーションを起こすために必要な要素」として次の三点を挙げておられました。
1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。
企業が新規事業、イノベーションを興すと言う観点で考えると、難しい理由は概して2つあるでしょう。それは、「儲かる事業を作る」ことそのものの難しさと、儲かっている本業を持っているが故の「組織につぶされる」ことです。
まず、大企業がやろうとも、ベンチャーがやろうとも、新しく儲かる事業をやるのはとても難しいものです。なぜなら、もし簡単に出来るなら当然他の誰かがやっているだろうからです。
新しいチャンスを発見し、誰もまだ手を付けないのだとすれば、それは見つけた人が慧眼だという事ではなく(慧眼でないと見つけられませんが)、それ以上に手を付けるのが極めて難しいと言う事を示しています。たとえば、ガンの特効薬を作れればそれだけで凄いビジネスになりますが何でやらないかと言うと誰も実現できないからです。
一方で、企業が「新規事業」・「イノベーション」をやることの難しさは、儲かっている本業があることに起因します。通常、企業は如何にして効率的に利益を生み出していくか、ということを目標に戦略が組み立てられ、組織が組み上げられ精度が出来あがります。この時、効率的に利益を生み出す最高のやり方は、儲かっている既存事業をもっと儲かるようにすることです。
言い換えれば、それ以外のやり方、例えば新規事業・イノベーションは既存事業にとって悪でしかありません。
だから、真面目に既存事業に取り組めば取り組む程、新規事業やイノベーションに対する取り組みは邪魔になってくるわけです。
これらの背景から、改めてこの3つを見てみましょう。
1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。
■1) 社員個人の事情(覚悟/執念)を尊重する。
シナプス代表の家弓は、
「パッション」は新規事業の必要要件
「ロジック」はその成功確率を上げるもの
「新規事業開発の10ステップ」 http://kayumi.jp/archives/1766289.html
と言っています。なぜ、個人のパッションが必要要件かというと、新規事業はそもそも難しいからです。儲かる事業にすることだけでも大変なのに、社内の抵抗に合うわけです。その抵抗は具体的な悪口や意地悪、という形ではなく、
・リソースが配分されない
・意思決定がなかなか通らない
・社内ルールを適用する羽目になる
等の形で訪れます。ドラマ「半沢直樹」であるような具体的な意地悪であれば「倍返し」のしようもありますが、正論で来られるとなかなか対処はしんどいでしょう。
途中で折れても仕方が無いような状況のなかで折れずにいるためには、その人がどれだけモチベーションを維持できるかにかかっていくるでしょう。言い換えれば、最初からモチベーションの高い状態を作っておく必要があるわけです。
■2) 経済的成果をもたらす革新は、広範囲の他社の資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を動員する。
企業の中で新規事業を興す時に、ベンチャーと違う最大のメリットは既存リソースがある事です。資金かもしれないし、人材かもしれないし、設備かもしれません。場合によっては顧客や流通チャネル、或いは、パートナー企業との付き合いかもしれません。こういったものが使えるのは極めて有利に働きます。が、一方で、これだけでは新しいものは生まれません。もし、生まれるなら、担当者以外の誰かが既に発見し、事業化し儲けているでしょう。だから、外に出て行くべきなのです。
イノベーションとは、組み合わせによって成し遂げられます。従って、自社のリソースを外部のリソースと「どのように組み合わせるか?」を最初から目指す必要があるわけです。NIH(Not Invented Here)等と言っている場合ではありません。
■3) 短期的な合理性より、偶発性(長期的な合理性)を大切にする。
まさに新規事業・イノベーション構築活動中は、既存事業より儲かるはずがありません。絵を描くことは出来ないとは言わないまでもかなり眉唾な絵になるはずです。従って、短期的な経済合理性で考えれば新規事業などやらない方が良いに決まっています。
したがって、意思決定をするには、将来どれくらい期待できるのか、もしくは、「どれくらい今見えていない可能性が存在するのか?」がキーになるかもしれません。
企業内で新規事業・イノベーションを興すために、担当者が考えなければならないことは勿論ですが、マネジメントや経営企画等、「新規事業・イノベーションを管理する側」としても考えておくべきポイントがあるのではないでしょうか。