シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ

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ファシリテーション

ブレインストーミングのポイント:批判だけでなく評価もしない

シナプス後藤です。

アイディアを出すときの手法の一つにブレインストーミングがあります。
皆さんは上手く使えていますか?
BrainStorming


ブレインストーミングのルールは、多くの場合4つ挙げられます。
1) 批判しない
2) 自由奔放なアイディアを歓迎する
3) 質より量を求める
4) 人のアイディアに便乗する

批判から入ると、最初から突飛なアイディアが制限されることと、それ以上に参加者の心が萎えてしまって面白いアイディアが出にくくなってしまいます。
また、自由奔放なアイディアを歓迎する、とは、馬鹿げたもの、幼稚なもの、出来ないと分かっているもの等もアイディアとして出しておこう、と言う事です。これは、前提として良いアイディアは単体で思いつくものではなく組み合わせで作られていく、というものがあります。よく「ひねり」等と言われますが、このひねりを加えるために自由奔放なアイディアが呼び水になることが多いのです。
質より量、とは、効率から考えると良いモノを一個だけ出せばそれが一番良いのですが、アイディア発想の場合、たくさんださないと結局良いモノが出てこない、と言う事が往々にしてあります。それは上述したようにアイディアは「組み合わせ」で出来るため、ベースになるものが多い方が良い、と言う事です。
そして最後がアイディア便乗で、これがまさにアイディアの組み合わせを積極的にしましょう、と言う話です。


最近、この中の「批判する」というキーワードでは弱いのでは、と思いつつあります。
批判しない、と言うのは「そのアイディアは前にやって上手くいかなかったからダメだ」「そんな実現できない事は挙げても意味がない」等の指摘の事です。これを言い始めるとアイディアを出す方も心が萎えてきてしまい、発想が量より質になっていってしまいます。
では、批判しなければ良いのか?
正確には口に出さなければ良いのか?

「批判しない」と言うルールを決めると、「ダメ」と言う人は極端に減ります。なので、一定の縛りは出来るのですが、防げないことが一つあります。それは、表情に出てしまう、と言う事です。

例えば、将来の自動車のあり方を考えよう、というブレインストーミングをしたとしましょう。
誰かが「自動車に乗らない」と言ったとしましょう。

こういうケースの場合、批判が口をついて出なくても、考え込んでしまい、「これってそもそも論じゃないの?」という顔をしてしまったり、「うーん、そういうのも有るんだけど、その場合は、、、あぁ、批判しちゃいけないよね。」という意見になります。


なぜ、こういう事が起こるのか?
それは出たアイディアをその場で評価してしまうからです。これは良いのか悪いのか。出来るのか出来ないのか。テーマに合っているのか合っていないのか。

ただ、ブレインストーミングで出てくるアイディアは単体で評価することにあまり意味がないケースが多いように思います。前述したとおり、「組み合わせて使うから」で、組み合わさる前のパーツパーツ単体はNGであることが多いのです。
喩えて言えば、自動車になる前の鉄の塊を目の前にして、「この鉄の塊は運転できないよね」と却下するようなものです。それは当たり前でしょう。鉄の塊ですから。ただ、それを加工することで、立派な車になっていくわけです。

つまり、ブレインストーミングの初期の段階では、やらなければいけないのはアイディアの量を出す事。そのアイディアの内容は後で組み合わせるためのパーツに使えればよく、その場で評価することは害でしかないのではないでしょうか。


効果的なブレインストーミングを行う場合、「批判しない」ではなく、「評価しない」というルールをお勧めします。

※「評価しない」という表現は何かの本で読んだか、誰かに聞いて気が付いたことなのですが、出所を失念してしまいました、、、思い出したら記載しようと思います。

立って考える

シナプス後藤です。

コンサルタントという職業は考えたものをパワーポイントに纏める、というのが一つの仕事の形になります。(勿論、他にもいろいろとやることはありますが、、、)
パワーポイントを作る際には当然PCの前に座って作業することになりますが、当然行き詰ることが山程あります。

そんな時、皆さんはどうされていますか?


私は考えに詰まった時はホワイトボードの前に向かいます。書いて整理する、というのも一つの目的なのですが、最近どうやらそれだけではないらしい、という事に気が付きました。

何で知ったか忘れてしまいましたが、「立つ」「座る」というときに脳の働き方が違う、と言われています。すなわち、立って考えると頭の回転が早くなるそうです。正確には、DirtyだけれどもQuickに考えがまとまる、と言われます。一方、座っていると深く考えることができますが、そのスピードが落ちるのだそうです。

ホワイトボードに向かうときは当然立っています。また、会議でディスカッションになった時も、自分がファシリテーターでなくとも立つケースがあります。勿論、立つ場合はホワイトボードに近づきますが。
これらの行動はいずれも、「立って考える方が効率が良い」と私が経験的に考えていたためです。


これは経験的に感じる事ではありますが、研修や講座等でグループワークをやる場合、話がはずむチームは全員が起立していることが多いです。恐らく活性化しやすいのでしょうね。私は以前は、「参加者同士の距離感」だと思っていたのですが、それだけでなく、脳のメカニズムからも意味のある事なのかもしれません。


悩んだら立って考える。一度、試してみてはいかがでしょうか?


ホワイトボードのテクニックはファシリテーション研修で。

困る会議 〜沈黙に対処する

シナプス後藤です。

ファシリテーターにとって、やりにくいのは「沈黙が訪れる」時です。
ファシリテーターだけでなく、営業現場だったり、上司と部下だったり、公式な場でのディスカッションやヒアリングで相手に黙られると結構つらいですよね。

多くの場合、相手が黙ってしまうと、さらに説明を重ねます。これは沈黙が怖いから、と言う事と、もう一つは、「黙ってしまうのは説明が足りないからに違いない」と思うからです。


この対応は、間違いです。


沈黙、には様々な理由があります。ざっくり分けると、
1) 質問に答えたくない(個人的な事や、守秘性の高いもの)
2) 考え中
3) 答えをしらないため回答できない
4) 質問内容がわからない
という四つがあります。この中で、新たに説明を加えて良いのは4つめの「質問内容が分からない」だけです。
それ以外のものは、説明を重ねたところで回答の仕様がありません。

ではどうすべきか?

最初から沈黙の理由が分かっていればよいのですが、多くの場合はなぜ黙っているのか分かりません。
なので、それを見極める必要があります。

まず、質問に黙ってしまったら、

[1] 待つ

とにかく、反応を待ちましょう。感覚的には30秒くらい。ファシリテーターは沈黙が不安ですが、参加者も不安なのです。ですので、待っていると参加者から、なぜ沈黙しているか、についてのコメントがあるかもしれませんし、考え中であれば、回答が来ます。
次に、

[2] 沈黙を理解する

のがポイントです。「黙っている」という事実を明示するわけです。「おや、黙っちゃいました?」等と言ってみると良いでしょう。あるいは、沈黙の理由を聞いてしまいましょう。

[3] 質問が分かりにくいかどうか聞く

ファシリテーターが質問を投げかける場合、回答できるだろうと思って聞いているはずです。が、回答が来ないので、可能性が高いものとしては質問がわからない、と言う事だと思います。
最後は、これです。

[4] 沈黙を認める

ただし、黙っていることを認めるのではなく、「話せない」という回答をもらうようにしましょう。例えば、「答えたくない質問であれば、言いたくないと言って下さい。」等です。


気をつけたいのは、説明し倒す事です。
ファシリテーター:「施策はAとBどちらが良いのですか?」
参加者:・・・。
ファシリテーター:「Aというのは、***というもので、Bというのは***というもので、この質問は今後の施策の方向性の根幹になるので聞いています。参考になる情報としては、、、」

このように説明を重ねられるとゆっくり考えられないので、考え中の時には困ります。また、答えたくない場合や、そもそも答える術を持たない場合は説明を重ねることは無意味ですね。


慣れてくると、沈黙自体は怖くなくなります。沈黙の時間も楽しめるようになれるのではないでしょうか。

シナプスのファシリテーション講座
企業向け研修 「ミーティングファシリテーション」

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南極大陸に見る「悪魔の代弁者」

シナプス後藤です。

今週の南極物語はなかなか厳しい話でしたね。ついに、倉持(木村拓哉さん演)の悲願であったボツンヌーテンへのチャレンジです。

TBS 日曜劇場「南極大陸」
ドラマ「南極大陸」を見て時代について考える
南極大陸にみるリーダーシップ
南極大陸で考える重い組織
南極大陸で考える創造的な組織

今回は、堺雅人さん演じている、いつも冷静で憎まれ役の氷室について考えたいと思います。

南極のような厳しい状況で、チームが結束力を持ち始めると、常に「間違った方向に全員が納得して動いていく」リスクが存在します。たとえば、ボツンヌーテンの登頂というような世界初の試み、中心人物である倉持の夢だったりすると、誰もがマイナス面を考えずに「チャレンジするべきだ!」という思考に向かって行きます。平常時はそれほど問題にならなくても、このような状況で全員が間違えると、チーム自体が全滅の恐れもあります。それほどの危険性がある状況なのですから、そんな時には誰かが、「それはおかしい」という異論を投げかけるべきではないでしょうか?

悪魔の代弁者、とはディベートのテクニックの一つで、多数派や正論に対して、敢えて反対する人の事を指します。グループの空気がイケイケになっている場合等、支配的な空気がある場合、全員が同じ方向に向かっている、と言うのは危機的な状況です。正しい方向に全員が向かっていれば結果的に問題ないのですが、全員が間違っている可能性だってあるわけです。そういう時、「正しい議論を経て」結論を導く必要があります。
そんな時に重要になってくるのが異なる意見です。たとえ、反論自体は間違っていたとしても、反論されることによって、全員が「これで本当に良いのか?」と考えることになります。方向性はあっているにしても各論が甘い事はいくらでもあります。そういった時に、悪魔の代弁者がいることによって、多面的に考えることになり、よりよい方向性に向かう事ができるわけです。


氷室は、ドラマの全体の流れから見ると、単なるひねくれやの側面もありますが、それだけでなく敢えて反論しているような雰囲気も有ります。分かっていてやっているのでしょうね。

勿論、やり過ぎはチーム全体の空気を悪くしますし、悪魔の代弁者本人が全員から反発を受ける可能性もあります。ですので、例えば、
「敢えて反対すると」
「悪魔の代弁者として言ってみると」
等、前置きを置くのも一つの選択肢ですね。
ファシリテーターとして立つならば覚えておきたいスキルの一つだと思います。


それにしても、その氷室の行方が気になります。来週もまだまだ楽しみです。

困る会議 〜「私も同じ意見です」から逃れる

シナプス後藤です。

会議の時に新しい意見が出ない時がありますよね。
「皆さんはどう思いますか?」と聞くと、「私もAさんと同じ意見です」と答えられて終了してしまう。

そして、会議が終わって、決まったことを実行してみると、「いやいや、そんなこと言ってないだろう!」となるともう最悪ですね。あの時、同じ意見と言ったじゃないか、と。


そこまで厳しい場面でなくても、色々な意見が欲しい場面で、「同じです」と言われるのは結構つらいと思います。ただ、「同じ」というのは本当なのでしょうか?
私は多くの場合、総論賛成、各論反対、という状態になっているのではないかと考えています。
例えば、Fをファシリテーターとして、

F;「あなたはTPP参加に賛成ですか?反対ですか?」
A:「私は反対です。やはり、日本の農業保護の問題もありますし、他にもいろいろと課題があるでしょう。」
F:「他のご意見は?」
全員:「・・・・。」
F:「Bさんは?」
B:「私もAさんに同意見です。(特に、医療サービスの問題があるし)」
F:「Cさんは?」
C:「私も同じです。(まぁ、みんな反対しているから早く終わりたいし同じと言っておこう)」

という感じですね。各論では違う事を言っている方もいますし、めんどくさいから同じ、と言う人もいます。
これを避けるために、全員にちゃんと意見を述べさせます。
それが、メモ発言。

まず、ファシリテーターが全員に意見を求めたい時には個別に言わせないことです。
「まず、皆さんが考えるご意見をお手元のメモに書いて下さい。賛成か反対か、とその理由をお願いします。」
と言って下さい。
その次に、
「それでは順番にメモを読んで下さい。」
と言って下さい。


複数の人がいる会議の中では、どうしても他の方の意見に引きずられます。ですので、先にバイアスがかからない状態で書かせる。そのうえで、それを「読んでもらう」と良いのです。読むだけなら誰でもハードル低く出来ますし、他の方の意見を聞く前に書いたことなので、余計なバイアスが入ってきません。
この状態なら、全員、「反対」という意見でも、理由が異なるでしょうから、少なくとも3-4個の意見がでるはずです。


単純なテクニックですが、意外に効果が大きいです。私がやる時は、最初からメモ発言をするケースもありますが、「どうも意見が出にくいな」と感じた時に急きょメモ発言に切り替える、と言う事も良くやりますね。

ファシリテーター以外に4人以上いる場合には、結構効果があると思います。
一度試してみて下さい。

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