最近、人事関係の方と話をすると、「OJTが課題なんです」という話を良く聞きます。別に今に始まったことでもないと思うのですが、多くの企業で、OJT(On the Job Training)、つまり、現場で仕事を通じた人材育成が昔ほどうまく言っていない、と感じられているのは確かなようです。

なぜ、OJTがうまくいっていないのか、という理由は様々あるような気がしますが、何人かの方に話を伺うと、OJTを担うべき中間管理職、マネジャーの方々がネックになっているという指摘をされます。
ただ、マネジャーの皆さんが「ダメだ」というつもりはありませんし、彼等が原因である、というわけではありません。どちらかというと、社会状況が変わってきたために、マネジャーというポジションがネックになってしまっている、と言うのが実状ではないでしょうか?

OJTが出来ない、というのではなく、「昔と比べてうまくいかなくなった」という声が多いので、つまり、何かが変わった、と考えるのが妥当でしょう。昔は良かったが今はダメだ、と言うのは決してノスタルジックな話ではないと思うのです。

さて、マネジャーの皆さんは昔と今で何が違うのでしょうか?
「管理者」から「プレイングマネジャー」に変化していった、と言うの大きな変化に感じます。特に、機能別組織から事業別組織に変わると、機能を円滑に回すためのコントローラーの役割から、事業を現場で回すリーダーに変化します。もし、業績が悪ければ、当然自分で稼がないといけない、というのが実状でしょう。
一方で、社会的要請から、コンプライアンス、セクハラ・パワハラなど、昔よりやらなければならないことが増えているので、部下の育成まで手が回らないというのも正直なところでしょう。

結局、「短期的な売上」と「社会的な要請によるコンプライアンス」の二つが重視されて、中長期的な企業の成長、と言うことが相対的に重視されなくなった、と言うことなのでしょうか。

難しいものですね。

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