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プレゼンテーション

プレゼンテーションは質疑応答が勝負(2):相手に話させる

シナプス後藤です。

昨日、プレゼンテーションの質疑応答では「分からないところを認めた方が良い」というエントリーを書きました。
この前提は、「フィードバックを目的とするプレゼンテーション」の場合です。
プレゼンテーションは質疑応答が勝負(1):アドバイスをもらう

一方で、「相手に共感して欲しい」場合のプレゼンテーションではどうでしょうか?

ビジネスにおけるプレゼンテーションでは、「相手に何かして欲しい」、例えば、営業が自社の商品を買って欲しいとか、上司に自分の提案を採択して欲しいとか、そういったものがほとんどです。
つまり、相手にプレゼンテーションの内容に共感してもらい、行動してもらう必要があります。


そういった場合でも、やはり質疑応答は重要です。

相手の興味が100%分かっていて、プレゼンテーションだけで完璧に共感させ、行動してもらう事が出来れば理想的ではあるのですが、多くの場合、限られた時間の中でのプレゼンテーションですので、不明点が出来ます。
経験上、分かりやすいプレゼンテーションであればある程、より具体的にイメージできるため質問は増えるものです。


この手のプレゼンテーションでは、勿論、「鋭い質問」(本質を問うような質問、ヌケモレを指摘するような質問)も飛んできますし、興味や具体的に行動することを想定した質問もきます。
そういった時に、さすがにしどろもどろに答える、と言う事は無くても、長々と演説してしまう方を結構見かけるのですよね。(私もたまにやってしまいますが、、、)

人間は話すのが好きです。相手に聴いてもらえると気持ちが良いもので、長々と話してしまいます。ですが、実は長く話す事はそれほどメリットがあるわけではありません。勿論、「正しく理解してもらう」ことは重要なので、必要な説明はしなければなりませんが、「十二分に理解してもらう」必要はないのです。


営業について書いた本等には良く記載されていますが、人間は他人に説得されるより自分に説得されることを好みます。ですので、長々と説明されたところで、必ずしも説得されるわけではない。
質問する、と言う行為は、自分の中で自分に納得させるための行為と捉えた方が良いのではないでしょうか。

そう考えると、質問が来た時にはポイントだけ説明して、「ということなのですが、ご意見をお聞かせ頂けませんか?」と聞いてしまった方が良いのではないでしょうか。


相手に共感してもらうためのプレゼンテーションでは、質疑応答は「相手の疑問点をことごとく明確にしていくこと」が必要なのと同時に併せて相手に納得してもらう必要があります。
ですので、出来る限りこちらが話す時間を減らし、相手に質問してもらう、或いは、意見を話して貰う事に注力した方が良いのではないでしょうか。

プレゼンテーションは質疑応答が勝負(1):アドバイスをもらう
プレゼンテーションは質疑応答が勝負(2):相手に話させる
プレゼンテーションは質疑応答が勝負(3):質問の意図を聞く

プレゼンテーションを学びたい方はこちら→シナプスのプレゼンテーション講座

プレゼンテーションは質疑応答が勝負(1):アドバイスをもらう

シナプス後藤です。

シナプスの研修では、受講生の方にプレゼンテーションをお願いすることがあります。特に、研修内で新規事業や新製品を考えるようなものでは、頻繁にプレゼンテーションの機会があります。
プレゼンテーションの上手さ、優劣には様々なテクニックがありますが、この手のプレゼンテーションの場合、如何に質疑応答の内容を濃くするかが重要に思います。


私の見るところ、多くのプレゼンターは、「鋭い質問」を嫌います。鋭い質問とは、本質を問うようなものや、ヌケモレを指摘するようなものです。
なぜこれらの質問を嫌うかと言えば、プレゼンテーションした内容を否定される、価値のないように思えてしまうからです。ですので、通常、鋭い質問が浴びせかけられると、言い訳を開始します。多くの場合、鋭い質問というくらいですから、まともな言い訳が出来るわけもなく、長々と演説を始める事になってしまいます。

しかし、鋭い質問は見方を変えれば、内容をブラッシュアップしてくれる可能性があるわけです。そんな貴重な「プレゼンテーションを磨く機会」を無駄な演説で終わらせるのはもったいないと思いませんか。

そんな時は是非こう返して欲しいのです。
「なるほど、それは考え付きませんでした。改善のためにどんなアイディアがあるか、アドバイスを頂けませんか?」


人間は「自分のことを分かって欲しい」という気持ちが強いがために、話し始めるとどうしても長くなってしまいます。だから、プレゼンターがよほど気を付けないと、貴重なフィードバックの機会を失ってしまいます。
分からないところは素直に分からないと認める。特に、フィードバックを目的とするプレゼンテーションにおいては重要な資質だと思います。

プレゼンテーションは質疑応答が勝負(1):アドバイスをもらう
プレゼンテーションは質疑応答が勝負(2):相手に話させる
プレゼンテーションは質疑応答が勝負(3):質問の意図を聞く

プレゼンテーションを学びたい方はこちら→シナプスのプレゼンテーション講座

橋下大阪市長の朝生を見て思うプレゼンテーションの難しさ

シナプス後藤です。

先日、朝まで生テレビに大阪市長 橋下徹さんが出演されて、彼の主張についての議論がありました。私自身はこの番組をyoutube等でチラッと見た程度なのですが、blogその他で思う事があります。
テレビ朝日:朝まで生テレビ

橋下さんは非常に話がうまい方のように思います。彼の演説やプレゼンテーションは非常に明快で、ロジックという観点でも、その見せ方や話し方という観点で見ても非常に分かりやすい。これは小泉元首相が郵政民営化を主張していたときと同じように、ある一面から見れば非常に分かりやすい議論だし、ビジョンが明確であるがゆえに、「変える」という事がとても分かりやすいように思います。


さて、それでは橋下さん以外の参加者がなぜ彼を批判するでしょうか?
可能性は大きく三つあると思います。
[1] 彼の描くビジョンに反対している
[2] ビッグネームを批判することでメジャーになりたい
[3] 見えないことが怖いので反対している

議論として正しい批判は[1]ビジョンに反対、です。また、いらっしゃるかどうかわかりませんが、[2]メジャーになりたい、というような方もいらっしゃるかもしれません。ですが、参加している人がどうかは分かりませんが、多くの人たちは[3]の「見えないことが怖い」ということから反対をしているのではないでしょうか?

参加者の批判として、
・「前に行ったこととやったことが違う」
・「主張は分かるがプロセスが見えない」
・「優先順位とは弱者を切り捨てることか」
・「進め方が早すぎる」
等がありました。
これらのほとんどは、橋下さんのプレゼンテーションが彼らに伝わっていない、という事が大きな要因のように思います。

大きなテーマを扱う場合、そのテーマが大きければ大きいほど、関係者が増えてきます。そして、関係者は「変わる」事を嫌います。既得権益、と良く言いますが、多くの人は「自ら所有しているもの」を過大評価する傾向があります(*1)。だから、自分の利益になるかどうか、ということだけでなく感情的に「変わる」ということに対して反対意識があるのではないかと思うのです。

それに対して、説明が少ないと当然「それは困る」となります。橋下さんは「じゃあ対案を」と言います。これは企画会議等では重要な観点ですが、[3]の「見えないことが怖い」という方はもともと対案を持っていないのです。なぜなら、「怖いから変えるな!」ということが本音だからです。
言い換えれば、「対案を」というのが無理な要求という事になります。


さて、「コミュニケーションは受け手が決める」と言います。今回のケースで言えば、橋下さんのプレゼンテーションやコミュニケーションに対して、受け手は「なんだかわらかないから怖い」という反応をしているわけです。
発信者側としては、「だからこいつらはダメなんだ!」というのではなく、積極的に対話を図り、自分の意図を理解してもらう必要があります。

意外と、イノベーションを阻害する要因、というのはこういった手間を惜しんでしまうこちら側の心理だったりするのかもしれませんね。


※なお、このエントリーで、橋下さんや他の参加者の議論の是非を問うつもりはありませんし、参加者の主張が上記通りかどうかは推測ですのでわかりかねます。間違っていたらスイマセン、、、

*1:参考 「予想どおりに不合理−行動経済学が明かす『あなたがそれを選ぶわけ』」
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

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ワールドビジネスサテライト「プレゼンの経済学」

シナプス後藤です。

先日、テレビ東京のワールドビジネスサテライトに取り上げられた書きました。皆さん、ご覧頂けましたでしょうか?

テレビ東京のサイトを見ていましたら、特集が動画になって視聴できるようになっていましたのでご紹介します。

ワールドビジネスサテライト「プレゼンの経済学」


5分50秒くらいから、家弓が登場します。


ご興味のある方は是非ご覧になって下さい。

野田佳彦氏 「どじょう演説」を分析してみる

シナプス後藤です。

野田佳彦氏が日本の総理大臣となりました。野田さんは、演説がうまい、と言われますが、その力を代表選でいかんなく発揮されていましたね。



先日、家弓正彦の仕事塾「プレゼンテーション2.0」で野田さんの話に触れましたが、彼の演説を纏めてみたいと思います。

野田さんの演説の良さは最後の「どじょうの政治」に尽きると思います。ただ、そこに至るまでのストーリーやテクニック等、様々な要素が重なり合っての「どじょうの政治」ですね。

プレゼンテーションは次の三つで構成されています。
・シナリオ・・・どのようなストーリーで話をするか?
・ドキュメンテーション・・・どのような資料を見せるか?
・デリバリー・・・どうやって話すか?

今回については、完全な演説型で資料提示なしでしたので、シナリオとデリバリーがポイントになりますが、とりあえずシナリオを見てみましょう。

■ シナリオの分析
 野田さんの演説シナリオは次のような流れで構成されていました。
[1] あいさつと全体像の提示・・・政治信条、政治理念の一端を示す
[2] 政治は命がけだと考えている
[3] 政治に必要なのは夢、志、矜持、人情の機微、血の通った政治
[4] 一人ひとりを大切にする政治が重要だ
[5] 一票の重さを痛感、排除の論理は通さない
[6] 中小企業は日本の宝であり、彼らを支援する
[7] 子供手当が必要だ。
[8] 政権政党として削れるところは削るが国民に負担することがあるかもしれない
[9] 「どじょうの政治」を命をかけてやりぬきたい

流れとしては、政治信条や理念を自分の幼少の体験、政治家になりたてのころを話しながら、説明します。途中から、事例を交えて党首の主張として「排除の論理をしない」というほか、政策の主張である、「中小企業支援、子供手当、増税」について触れています。
最後に、「どじょうの政治」としてやりぬく覚悟を伝えています。

シナリオから考える話の良さは大きく3つですね。
a) 構造化されたストーリー
 上述したシナリオは非常に分かりやすく構成されています。
 [1] 話の全体像を説明する(政治信条、理念を示しながら主張する、ということを最初に述べている)
 [2]-[4] 信条、理念の説明
 [5]-[8] 具体的な施策の主張
 [9] まとめ
 また、[2]で「政治家は命がけ」と言い、[9]で「命をかけてやりぬきたい」と主張する等、全体的に話に一貫性が出来ています。
 最後の「どじょう」も冒頭から父、母が農家の末っ子で自分がシティボーイに見えない、というような話から入り「自分は泥臭くカッコ悪い」というトーンを作り出しています。

b) 具体例と主張の繰り返し
 ほぼ全ての話で「具体例」->「主張」を繰り返しています。
 例えば、政治家は命がけの仕事であることを説明する[2]の件です。
====
父のトランクの上にお茶碗をのせて、そして食事をした、そういう信仰生活から始めた層です。でも、これからの時代は良くなっていくだろう、という希望のあった、いわゆる三丁目の夕日の時代でございました。
そんな私が初めて政治を意識したのは昭和35年10月、(中略)当時の日本社会党委員長 浅沼稲次郎が日比谷公会堂で刺殺される事件がございました。
私の家にはなぜか白黒テレビがあったんです。オヤジは貧乏だったけど、プロレスが大好きでテレビを買っていました。しょっちゅうニュースが流れていました。怖い刺殺されるシーン、お葬式のシーン。
私は子供心に母に聞きました。
「なんであのおじさんは殺されたの?」
その時に言われた言葉。
「政治家って、命がけなのよ。」と言われた記憶があるのです。

====
「政治家は命がけ」を言うなら、「政治家は命がけである」と言えばいいだけです。それだと具体的にイメージがしにくいので、上記のような具体例、自分の目線からの話をしているのではないでしょうか。

c) 共感を呼び感動をさせるストーリー
 上記の具体例は単に「分かりやすさ」を狙っているだけでなく、共感を呼ぶ、感動を起こすことも効果の一つです。
 具体例を出すだけなら、政治家をやっていて無くなった例、JFKだったり、あるいは、日本なら故小渕元首相の事例でも良いかもしれません。ですが、自分の視点で、自分の原典として「政治家は命がけでやるものだと思っている」ということを共感して欲しいわけです。ですから、
「三丁目の夕日」というキーワードで世界観、あるいは、その時代の空気を共有し、そのうえで自分の目で見たことを説明するわけです。聴衆はその話を聞きながら、まるで彼の目線で世の中を見るように、頭の中で映像をイメージしたに違いありません。
この「映像を頭の中でイメージさせるように語る」ことで、左脳・Logicだけでなく、右脳・Passionに訴えかけたのですね。
 なお、この「三丁目の夕日」という表現も絶妙だと思います。彼と同世代、もしくは彼より年上の方はリアルに体験しているからイメージできますが、若い方、40代以下だと共感しにくいのです。ですので、「三丁目の夕日」という多くの人が知っている映画を例に出す事で、体験していない人でも「映像を頭の中でイメージさせる」ことに成功しています。

 これを[2]-[7]の間、ずっと繰り返すわけです。最後の主張に至る時には、プレゼンターと同じような映像イメージを持つことになり、彼の最後の主張「どじょうの政治」が感情で理解できるようになるのではないでしょうか。


改めて見直すと、シナリオが精緻に考えられ、
・伝えなければいけないこと
・言っておかなければいけないこと(民主党の各派閥への配慮など)
・どう盛り上げていくか
がしっかりと練りこまれた演説だったように思います。
国家のトップになるためにはこれくらいのストーリーを描かなければダメだ、と言う事なのでしょうね。


また時間があれば、今度は「デリバリー編」に挑戦したいと思います。
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