【8月のゲスト】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〜富田 眞司 氏(とみた しんじ)〜
http://www.kikaku-party.net/index.html
名古屋大学卒。販促プランナー、広告・販促・企画業務一筋に40
年。
企画書づくり、シニアマーケティング、販促企画立案などが専門分
野。
三晃社、野田合板、デルフィスなどを経て、2002年7月に独立、
CSN企画(C:コアコンピタンス、S:スピード、N:ネットワ
ークの略)を設立。豊富な経験を生かし、講演、執筆、コンサル活
動に加えて、各種企画立案などを行う。また、若手の育成にも注力。
以前には、シナプスマーケティング・カレッジの講師も担当。
☆最新本「A4・1枚最速の企画書」(宝島社1575円)
http://www.kikaku-party.net/tomita/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎テーマ:「これからのプランナーはストラテジストたれ!」
◆インタビュー◆──────────────────────
【名和田】今回のゲストは、私の恩師でもある富田眞司先生ですの
で、ちょっと緊張しますね。。。(笑)
まずお聞きしますが、ここ数年の間に凄いペースで、企画書関連の
書籍を出されてますよね?
今年に入っても既に2冊?出ております。
現在何冊くらいの企画書関連の本を書かれてますか?
【富田】全部で13冊(韓国語含め)執筆しました。
企画に関する本は全部で10冊になります。
その中で「企画書づくり」に関する本が8冊になります。
企画本だけで、総発行部数9万冊になります。
【名和田】「企画書づくり」の本で、8冊というのもまた凄いです
よね。ネタも含め中々書ける数ではないですよね。
【富田】この2年間で5冊執筆できたのは、私が主催する企画パー
ティのメンバーや恵比寿企画塾の受講生に優秀な執筆協力者がいる
お陰です。
名和田さんにも、執筆協力いただいていますね。本当に助かります。
お陰様で、アマゾンの企画書本で1位の「A4・1枚究極の企画書」
をはじめ、ベスト25に6冊の執筆本がランクインしています。
この場を借りて執筆本の読者の方に感謝の意を表したいと存じます。
【名和田】こちらこそ、有難うございます!
しかし、1位も含め6冊がアマゾンのベスト25以内に入っている
のには驚きました。
まさに企画・企画書のオーソリティーですよね。
そんな先生が「企画書」の話しと同時に最近あちこちでプランナー
についても語られています。
今回はその辺りについて、詳しくお聞きしたいと思います。
【富田】最近話す機会が確かに多いですね。
どうぞ何でも聞いてください。
【名和田】先生は、これからのプランナーは「ストラテジストたれ」
ということをご提唱されてますが、これはどのような意味なのでし
ょうか?
【富田】プランナーは将来に対する提案をします。
時代が激変する今、プランナーにとって重要なのは、将来を見据えた
戦略提案できるかどうかにかかっています。
端的に言うと、それがストラテジストです。
ストラテジストとは、投資戦略を考える専門家の意味で使われますね。
【名和田】あぁ、ハイ。そうですね。
先生は、現状の「プランナー」といわれる人達についてどのように思
われていますか?
【富田】あらゆる業界にプランナーと名のつく方がいますが、真にプ
ランナーといえる人は少ないでしょね。
【名和田】なるほど。ちょっと私も耳が痛い話しかも知れません。
(笑)でも確かに「プランナー」という定義が曖昧というか、誰でも
名乗れますからね。
【富田】おっしゃるとおりですね。名ばかりのプランナーが多いです
ね。経験不足、提案力不足、視野の狭い発想などが目につきます。
【名和田】本来「プランナー」とはどのような存在であるべきなので
しょうか?
【富田】経験に立脚した上で、将来を見据えたプランが立てられるか
どうか。
生活者の琴線に触れるプランが立てられるかどうか。
全体を見据えたプランが立てられるかどうか。
これらが、全うできてこそ、真のプランナーと言えると考えます。
【名和田】うん、うん。確かにその通りだと思います。
ちなみに「駄目プランナー」と「出来るプランナー」の違いをもう少
し具体的に教えて頂けますか?
【富田】名前ばかりのダメプランナーは、次にあげる人達ですね。
いわれたことしか、まとめることができない「書き屋プランナー」。
会社の売り物を書類にまとめ、これを企画と称して提案する「押し
売りプランナー」。
市場分析や問題点が発見できない「マーケティング無力プランナー」。
解決策が偏っている、アイディアが出ない「プランナイ」などです。
【名和田】その表現面白いですね(笑)。
あっ、でも笑えないですね。実際そういう人がいるわけですから。
【富田】そうですよ。笑えませんよ。逆に「できるプランナー」と
は「着眼力」があり、優れた「解決力」をもっていること、その2つ
を生かして、素晴らしい独自の企画を立てられる人です。
【名和田】肝に銘じます。。。
今後、益々企画提案力ということが重要になって来るかと思います。
当然求められる企画書なども精度の高いものが必要不可欠かと言えま
すが、企画書には何を盛り込むべきとお考えですか?
【富田】私は企画書に必要な要素は「3要素」「7ステップ」と考え
ています。
企画書の3要素とは、「課題発見」「基本方針」「解決策展開」です。
その中に7つのステップがあります。
「課題発見」には「1現状分析」「2課題の発見」
「基本方針」には「3目的の明確化」「4対象設定」「5解決手段」
「解決策展開」には「6実施方法」「7費用・効果」
の7つです。
詳しいことは、私が執筆した本の中に書かれています。
【名和田】その辺りは、昔から一貫して先生が唱えてこられた要素
ですね。
中でも今後、重要となってくるのは、どの要素といえそうですか?
【富田】この中で今後重要になるのは、「課題発見」と「効果」予測
です。これが、採用の決め手になるでしょうね。
【名和田】なるほど。それではも先生の専門領域である、広告業界の
プランナーについてもお聞きしたいと思います。
まず、今後プランニングはどのように変わっていきますか?
【富田】広告業界は、マスメディアの衰退とWebの拡大で新しい時代
を迎えようとしています。
ひとつは「広告」という発想から「コミュニケーション」という変化
です。
マスとWebをどのように連携させ、クロスコミュニケーションとして
プランできるか?
という点と、表現においても、これまでの広告表現ではなく、
コミュニケーション戦略という考え方が重要になります。
【名和田】非常によくわかります。
【富田】もう一つが、「広告」から「マーケティング・ソリューシ
ョン」という発想です。
マーケティングの問題解決をするものです。
広告だけのノウハウでは解決できません。
マーケティングの4Pを駆使した提案になります。
この中にはより販売に特化する方向も含まれます。
【名和田】それは私も強く感じます。
「広告」だけを理解し、実践してももはやモノは売れない時代です。
その為には、「マーケティング」そのものをもっと学ぶ必要が有り
ますよね。
先生の目から見て、これからの社会はどのように変わっていきそう
ですか?
【富田】Webの進化によって、生活者視点での発想や口コミは益々
重要になります。
これまでのような企業側の発想ではビジネスができなくなります。
企業側に立つ、業界という発想が崩れてきます。
つまり、業際がなくなるということです。
【名和田】では、ビジネスはどのように変わっていくでしょうか?
【富田】Webの登場で売り手と買い手が直結すると、代理業というビジ
ネスが成立しなくなるでしょう。
旅行代理店、広告代理店などのビジネスの存在が厳しくなるでしょね。
生活者視点のビジネスが重要になり、どれだけ生活者を囲い込めてい
るかがビジネスに重要になります。
生活者視点ということは、メーカーも商社も流通業もサービス業も、
同じ土俵での戦いになります。
【名和田】何だか、ますます厳しい競争となってきそうですね。
今後ビジネスパーソンに求められスキルとは何でしょうか?
【富田】激変する生活者の情報を収集し、生活者の視点に立った
企画の着眼点を見つけること、
そして、 Webの進化を吸収し、それを企画の解決策として活用できる
こと、将来を見据えたビジネスができることなどですね。
結構、大変なことですが・・・。
【名和田】かなり大変です・・・(笑)
先生の考える今後の理想的なプランナー像とはどうでしょうか?
【富田】ストラテジストとして4つの力が必要ではないかと考えます。
時代の先を読む「先見力」。
Web時代に突入し、時代はものすごいスピードで進んでいます。
過去の成功事例にしがみついているとビジネスは失敗する可能性も
あります。
過去の経験則を生かし、将来起きることを予測し、ビジネスの可能性
を見出すのが企画における「先見力」です。
将来予測からの企画、しかも、提案内容に対する投資効果(ROI:
リターン オブ インベスティメント)が当然必要になります。
それができる能力が「先見力」にほかなりません。
知識を知恵に変える「知恵力」。
世の中にはいろいろな情報が氾濫しています。
企画に必要な情報を得るためには、かつては、情報収集に多額な費用
を投入してデータを入手していましたが、今では、Webの検索エン
ジンで簡単に入手できるようになりました。
今後は、さらに検索エンジンが進化することで、より簡単に必要情報
が入手できるようになります。
誰でも簡単に情報が入手できる時代の企画書作成にとって重要なのは、
収集した知識をいかに知恵(ノウハウ)に変えるか「知恵力」が必要
になります。
集めた情報から得た知識の中に企画に生かすヒントを発見することが
「知恵力」といえます。
いかに「知恵力」を使うかが、企画の決め手になります。
まさに、これからの企画に「知恵力」が不可欠といえます。
生活者をつかむ「インサイト力」。
人口減少でビジネスできる市場がますます狭くなります。
業際がなくなり、業界間の競争が全業種のデスマッチな競争になって
いきます。
そうした環境下で企画提案を成功させるためには、ビジネスの源であ
る生活者情報をしっかりつかむことです。
それが生活者インサイトです。
インサイトとは「洞察」という意味です。生活者の行動を意識化し、
その原因や意味を理解し、ウオンツをつかむことです。
心のどこかで望んでいながらも自分では意識していない部分を探り、
企画に生かすものです。
変化する時代には、ビジネスチャンスが山ほどあります。
その金鉱を発見することが、企画提案する際に重要になります。
「インサイト力」をつけることでそれが可能になります。
他社の力をうまく活用する「コラボレーション力」
これから、全業種が競争になる時代、1社ですべてのビジネスを行う
ことは極めて難しくなります。
そのため、企業が生き残るためには、他社の力を上手に借りないと
ビジネスを成功させることは極めて厳しくなります。
それを助ける手段が「コラボレーション力」です。
自社ですべてをまかなわないで、競合関係の同業者、ビジネスで関連
する異業種、全く関係のない異業種含め、あらゆる企業とのコラボレ
ーションを可能にするのが「コラボレーション力」です。
企画作成の視点としても、他社の力をうまく活用する「コラボレーシ
ョン力」を生かすことが重要になります。
【名和田】いや〜、確かにその4つを備え持ち駆使していくことは、
今後のサバイバルレースで勝つには、必要不可欠な要素と言えそう
ですね。
それでは、最後にこのメルマガの読者の皆さんにメセージをお願いし
ます!
【富田】ますます厳しいビジネス環境になりますが、
できるプランナーにとっては追い風ですよ。
今こそ、プランナーの底力を見せるチャンスです!
【名和田】今日はどうも有難うございました!
■……………………………………………………………………………■
<インタビューを終えて>
富田氏と話しをすると、いつもそのパワーに圧倒されてしまいます。
今回のインタビューでもまた、力のこもったお話しを聞くことが
出来ました。
ますます厳しさが増す現代社会において、本当に勝ち抜く為には、
プランナーに限らず、「ストラテジスト」のスキルを持つ必要が
あるのではないかと痛感しました。
「先見力」「知恵力」「インサイト力」「コラボ力」今後磨きを
かけていきたいと思います。
(by nawata)
〜富田 眞司 氏(とみた しんじ)〜
http://www.kikaku-party.net/index.html
名古屋大学卒。販促プランナー、広告・販促・企画業務一筋に40
年。
企画書づくり、シニアマーケティング、販促企画立案などが専門分
野。
三晃社、野田合板、デルフィスなどを経て、2002年7月に独立、
CSN企画(C:コアコンピタンス、S:スピード、N:ネットワ
ークの略)を設立。豊富な経験を生かし、講演、執筆、コンサル活
動に加えて、各種企画立案などを行う。また、若手の育成にも注力。
以前には、シナプスマーケティング・カレッジの講師も担当。
☆最新本「A4・1枚最速の企画書」(宝島社1575円)
http://www.kikaku-party.net/tomita/index.html
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◎テーマ:「これからのプランナーはストラテジストたれ!」
◆インタビュー◆──────────────────────
【名和田】今回のゲストは、私の恩師でもある富田眞司先生ですの
で、ちょっと緊張しますね。。。(笑)
まずお聞きしますが、ここ数年の間に凄いペースで、企画書関連の
書籍を出されてますよね?
今年に入っても既に2冊?出ております。
現在何冊くらいの企画書関連の本を書かれてますか?
【富田】全部で13冊(韓国語含め)執筆しました。
企画に関する本は全部で10冊になります。
その中で「企画書づくり」に関する本が8冊になります。
企画本だけで、総発行部数9万冊になります。
【名和田】「企画書づくり」の本で、8冊というのもまた凄いです
よね。ネタも含め中々書ける数ではないですよね。
【富田】この2年間で5冊執筆できたのは、私が主催する企画パー
ティのメンバーや恵比寿企画塾の受講生に優秀な執筆協力者がいる
お陰です。
名和田さんにも、執筆協力いただいていますね。本当に助かります。
お陰様で、アマゾンの企画書本で1位の「A4・1枚究極の企画書」
をはじめ、ベスト25に6冊の執筆本がランクインしています。
この場を借りて執筆本の読者の方に感謝の意を表したいと存じます。
【名和田】こちらこそ、有難うございます!
しかし、1位も含め6冊がアマゾンのベスト25以内に入っている
のには驚きました。
まさに企画・企画書のオーソリティーですよね。
そんな先生が「企画書」の話しと同時に最近あちこちでプランナー
についても語られています。
今回はその辺りについて、詳しくお聞きしたいと思います。
【富田】最近話す機会が確かに多いですね。
どうぞ何でも聞いてください。
【名和田】先生は、これからのプランナーは「ストラテジストたれ」
ということをご提唱されてますが、これはどのような意味なのでし
ょうか?
【富田】プランナーは将来に対する提案をします。
時代が激変する今、プランナーにとって重要なのは、将来を見据えた
戦略提案できるかどうかにかかっています。
端的に言うと、それがストラテジストです。
ストラテジストとは、投資戦略を考える専門家の意味で使われますね。
【名和田】あぁ、ハイ。そうですね。
先生は、現状の「プランナー」といわれる人達についてどのように思
われていますか?
【富田】あらゆる業界にプランナーと名のつく方がいますが、真にプ
ランナーといえる人は少ないでしょね。
【名和田】なるほど。ちょっと私も耳が痛い話しかも知れません。
(笑)でも確かに「プランナー」という定義が曖昧というか、誰でも
名乗れますからね。
【富田】おっしゃるとおりですね。名ばかりのプランナーが多いです
ね。経験不足、提案力不足、視野の狭い発想などが目につきます。
【名和田】本来「プランナー」とはどのような存在であるべきなので
しょうか?
【富田】経験に立脚した上で、将来を見据えたプランが立てられるか
どうか。
生活者の琴線に触れるプランが立てられるかどうか。
全体を見据えたプランが立てられるかどうか。
これらが、全うできてこそ、真のプランナーと言えると考えます。
【名和田】うん、うん。確かにその通りだと思います。
ちなみに「駄目プランナー」と「出来るプランナー」の違いをもう少
し具体的に教えて頂けますか?
【富田】名前ばかりのダメプランナーは、次にあげる人達ですね。
いわれたことしか、まとめることができない「書き屋プランナー」。
会社の売り物を書類にまとめ、これを企画と称して提案する「押し
売りプランナー」。
市場分析や問題点が発見できない「マーケティング無力プランナー」。
解決策が偏っている、アイディアが出ない「プランナイ」などです。
【名和田】その表現面白いですね(笑)。
あっ、でも笑えないですね。実際そういう人がいるわけですから。
【富田】そうですよ。笑えませんよ。逆に「できるプランナー」と
は「着眼力」があり、優れた「解決力」をもっていること、その2つ
を生かして、素晴らしい独自の企画を立てられる人です。
【名和田】肝に銘じます。。。
今後、益々企画提案力ということが重要になって来るかと思います。
当然求められる企画書なども精度の高いものが必要不可欠かと言えま
すが、企画書には何を盛り込むべきとお考えですか?
【富田】私は企画書に必要な要素は「3要素」「7ステップ」と考え
ています。
企画書の3要素とは、「課題発見」「基本方針」「解決策展開」です。
その中に7つのステップがあります。
「課題発見」には「1現状分析」「2課題の発見」
「基本方針」には「3目的の明確化」「4対象設定」「5解決手段」
「解決策展開」には「6実施方法」「7費用・効果」
の7つです。
詳しいことは、私が執筆した本の中に書かれています。
【名和田】その辺りは、昔から一貫して先生が唱えてこられた要素
ですね。
中でも今後、重要となってくるのは、どの要素といえそうですか?
【富田】この中で今後重要になるのは、「課題発見」と「効果」予測
です。これが、採用の決め手になるでしょうね。
【名和田】なるほど。それではも先生の専門領域である、広告業界の
プランナーについてもお聞きしたいと思います。
まず、今後プランニングはどのように変わっていきますか?
【富田】広告業界は、マスメディアの衰退とWebの拡大で新しい時代
を迎えようとしています。
ひとつは「広告」という発想から「コミュニケーション」という変化
です。
マスとWebをどのように連携させ、クロスコミュニケーションとして
プランできるか?
という点と、表現においても、これまでの広告表現ではなく、
コミュニケーション戦略という考え方が重要になります。
【名和田】非常によくわかります。
【富田】もう一つが、「広告」から「マーケティング・ソリューシ
ョン」という発想です。
マーケティングの問題解決をするものです。
広告だけのノウハウでは解決できません。
マーケティングの4Pを駆使した提案になります。
この中にはより販売に特化する方向も含まれます。
【名和田】それは私も強く感じます。
「広告」だけを理解し、実践してももはやモノは売れない時代です。
その為には、「マーケティング」そのものをもっと学ぶ必要が有り
ますよね。
先生の目から見て、これからの社会はどのように変わっていきそう
ですか?
【富田】Webの進化によって、生活者視点での発想や口コミは益々
重要になります。
これまでのような企業側の発想ではビジネスができなくなります。
企業側に立つ、業界という発想が崩れてきます。
つまり、業際がなくなるということです。
【名和田】では、ビジネスはどのように変わっていくでしょうか?
【富田】Webの登場で売り手と買い手が直結すると、代理業というビジ
ネスが成立しなくなるでしょう。
旅行代理店、広告代理店などのビジネスの存在が厳しくなるでしょね。
生活者視点のビジネスが重要になり、どれだけ生活者を囲い込めてい
るかがビジネスに重要になります。
生活者視点ということは、メーカーも商社も流通業もサービス業も、
同じ土俵での戦いになります。
【名和田】何だか、ますます厳しい競争となってきそうですね。
今後ビジネスパーソンに求められスキルとは何でしょうか?
【富田】激変する生活者の情報を収集し、生活者の視点に立った
企画の着眼点を見つけること、
そして、 Webの進化を吸収し、それを企画の解決策として活用できる
こと、将来を見据えたビジネスができることなどですね。
結構、大変なことですが・・・。
【名和田】かなり大変です・・・(笑)
先生の考える今後の理想的なプランナー像とはどうでしょうか?
【富田】ストラテジストとして4つの力が必要ではないかと考えます。
時代の先を読む「先見力」。
Web時代に突入し、時代はものすごいスピードで進んでいます。
過去の成功事例にしがみついているとビジネスは失敗する可能性も
あります。
過去の経験則を生かし、将来起きることを予測し、ビジネスの可能性
を見出すのが企画における「先見力」です。
将来予測からの企画、しかも、提案内容に対する投資効果(ROI:
リターン オブ インベスティメント)が当然必要になります。
それができる能力が「先見力」にほかなりません。
知識を知恵に変える「知恵力」。
世の中にはいろいろな情報が氾濫しています。
企画に必要な情報を得るためには、かつては、情報収集に多額な費用
を投入してデータを入手していましたが、今では、Webの検索エン
ジンで簡単に入手できるようになりました。
今後は、さらに検索エンジンが進化することで、より簡単に必要情報
が入手できるようになります。
誰でも簡単に情報が入手できる時代の企画書作成にとって重要なのは、
収集した知識をいかに知恵(ノウハウ)に変えるか「知恵力」が必要
になります。
集めた情報から得た知識の中に企画に生かすヒントを発見することが
「知恵力」といえます。
いかに「知恵力」を使うかが、企画の決め手になります。
まさに、これからの企画に「知恵力」が不可欠といえます。
生活者をつかむ「インサイト力」。
人口減少でビジネスできる市場がますます狭くなります。
業際がなくなり、業界間の競争が全業種のデスマッチな競争になって
いきます。
そうした環境下で企画提案を成功させるためには、ビジネスの源であ
る生活者情報をしっかりつかむことです。
それが生活者インサイトです。
インサイトとは「洞察」という意味です。生活者の行動を意識化し、
その原因や意味を理解し、ウオンツをつかむことです。
心のどこかで望んでいながらも自分では意識していない部分を探り、
企画に生かすものです。
変化する時代には、ビジネスチャンスが山ほどあります。
その金鉱を発見することが、企画提案する際に重要になります。
「インサイト力」をつけることでそれが可能になります。
他社の力をうまく活用する「コラボレーション力」
これから、全業種が競争になる時代、1社ですべてのビジネスを行う
ことは極めて難しくなります。
そのため、企業が生き残るためには、他社の力を上手に借りないと
ビジネスを成功させることは極めて厳しくなります。
それを助ける手段が「コラボレーション力」です。
自社ですべてをまかなわないで、競合関係の同業者、ビジネスで関連
する異業種、全く関係のない異業種含め、あらゆる企業とのコラボレ
ーションを可能にするのが「コラボレーション力」です。
企画作成の視点としても、他社の力をうまく活用する「コラボレーシ
ョン力」を生かすことが重要になります。
【名和田】いや〜、確かにその4つを備え持ち駆使していくことは、
今後のサバイバルレースで勝つには、必要不可欠な要素と言えそう
ですね。
それでは、最後にこのメルマガの読者の皆さんにメセージをお願いし
ます!
【富田】ますます厳しいビジネス環境になりますが、
できるプランナーにとっては追い風ですよ。
今こそ、プランナーの底力を見せるチャンスです!
【名和田】今日はどうも有難うございました!
■……………………………………………………………………………■
<インタビューを終えて>
富田氏と話しをすると、いつもそのパワーに圧倒されてしまいます。
今回のインタビューでもまた、力のこもったお話しを聞くことが
出来ました。
ますます厳しさが増す現代社会において、本当に勝ち抜く為には、
プランナーに限らず、「ストラテジスト」のスキルを持つ必要が
あるのではないかと痛感しました。
「先見力」「知恵力」「インサイト力」「コラボ力」今後磨きを
かけていきたいと思います。
(by nawata)