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マーケティング:今この人に聞く!

今この人に聞く!おおきに研究所 代表:上野裕司 氏 

ブログネタ
マーケティング に参加中!
今月は、社長直属“人事戦略部”として活動している人事戦略マネジメン
トの『おおきに研究所』 代表『上野 裕司』氏をお迎えし、お話を聞い
ていきたいと思います。

▼テーマ:「“和”のある経営を目指して・・・」

【今月のゲスト】…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─

●上野 裕司(うえの ゆうじ)氏

1964年 兵庫県生まれ。。
実家(スーパー)の家業を手伝いながら、事業拡大と顧客拡大に関心を持
つ。その反面、世界情勢に強い関心をもち、特に飢餓問題を通して自分の
生き方を見直すこととなる。
思いを具体的にしたく実家を出て、新聞奨学生として働きながら栄養士の
資格を取得。「生と死」「生きるために食う」を研究テーマとして、食品
会社に就職。
その後、医療施設専門マネジメント会社に入社、8年間の在籍において
独自の人材マネージメント手法を確立し、医療スタッフ、専門スタッフの
サービス(付加価値)創造支援を展開、医療施設のサービスマネジメント
を精力的に行う。
また、ソフトウェア会社において、人事ソリューションシステムの開発に
関わり、普及と活用支援を行う。
2003年独立、起業。 

◆インタビュー◆────────────────────────

【名和田】
上野さんは、様々な業界経験がお有りですが、独立の経緯や動機につい
てお聞かせ頂けますか?


【上野】
ハイ。おっしゃる通り、食品製造販売、医療機関サービスマネジメント、
IT関連開発会社と様々な業界を経験してきましたが、携わってきた内容
は業務改善を通しての人材育成であり、お客様の運用支援でありました。

独立に際しては、「感謝」をテーマの前面に出し、もっと専門的にかつ徹
底したサポートを目的に独自に取り組みたいと思ったことが、きっかけで
2003年に独立しました。


【名和田】
それが、「思い」が「感動」となり「感謝」する人を支援するという理念
を掲げる『おおきに研究所』ということですね。


【上野】
その通りです。


【名和田】
現在の活動内容について、具体的に教えて頂けますか?


【上野】
「感謝」を育む組織づくりをテーマに、企業様の社員行動の具現化を目的
にもって、人事制度全般の構築と運用マネジメントを行っています。

また、教育体系の構築から評価システム、人事制度の構築と運用支援を行
い、要望に応じて様々な研修内容を開発し、社員の行動化(コンピテンシ
ー)と組織の活性化を目的にもって、企業研修なども提供しています。


【名和田】
コンピテンシーという言葉はよく耳にしますが、そもそもどのような考え
方なのでしょうか?


【上野】
簡潔にお話しますと、コンピテンシーとは「仕事のできる人の行動特性」
です。

成果を上げている人、仕事ができる人は共通した行動特性を持っています。
その行動特性を紐解くために、潜在的な要因(なぜ、その行動を行ったの
かなどの理由、意識など)を探りながら、具体的な行動を引き出し、活用
する手法です。

成果を達成するまでのストーリーを描ける具体的な行動と言っても良いか
と思います。


【名和田】
なるほど。「仕事のできる人の行動特性」ですか。
それともう1つ、ホスピタリティ経営についても教えて下さい。 


【上野】
ホスピタリティ経営とは、「企業の経営活動において、関わる人、物、
(自然)環境など、あらゆる相互関係性の中で、幸福感(wellbeing)
という付加価値を創出する」ことである。と、表現しています。

経営も生命活動の一つであり、より良く生き続けることに目的を持って
いるのは、生き物の生命活動と同じです。
企業も含め全ての生き物は、相互関係なくして存続が出来ず、存続する
ためには、幸せでありたいと思うものです。

また、ホスピタリティの本質は、幸せであるための付加価値を創造する
ことにあります。
もっと簡単にいえば、社員やお客様、社会に対して喜ばれる経営を行う
ための手法ということでしょうか。


【名和田】
経営も生き物ということですね。
確かに企業にもライフサイクルは存在し、生かし続ける為に経営者を始
め、関与者は皆必死ですからね。
その本質もおっしゃる通り、最終的には皆が幸せになる為といっても過
言ではないと思います。

話は変わりますが、「おおきに研究所」が考える人材育成のもっとも大
切な視点とは何でしょうか?


【上野】
日本型経営を中心に考えていますが、組織やチームを意識することを大
切な視点にしています。
日本文化でもあり、日本人の強みが「和」であり、それは組織力だと思
います。

優れた能力を持った人材を育成することも重要ですが、仮にそうでない
人材を活かすためには、その人材が持っている力を複数の形で総力する
ことで、足し算を超えた「和」として結果をだすことが出来ます。
その力が今の日本を支えてきたとも言えるでしょう。


【名和田】
「和」・・・ですか。確かに、欧米型の成果主義に疲れ切ったビジネス
パーソンにとって、「和」という言葉の持つ意味は深く響く気がしますね。
それは、決して馴れ合いという意味ではなく・・・。

では、上野さんが、ホスピタリティ経営などを推進する上での現状の課題
は何でしょうか?


【上野】
今まで様々な企業様と出会ってきましたが、多くの方々は、自分自身を知
らないものです。
また、他人と自分とは違いがあることも理解できていないケースがほとん
どです。

ですから、ホスピタリティだけでなく、全てにおいて、自分を知り、自分
と他人とには違いがあることを、まずは知って頂きたいです。
逆に言うと、そこから全てが始まります。
その上で交わり、共有することの大切さを広めています。

地道な活動なので、共感者、協力者を増やして行きたいですね。


【名和田】
大変地道な活動では有りますが、大切なことですよね。

その活動の一環とも言えるのかも知れませんが、勉強会を始め、セミナー
なども開催されてますよね?
それぞれの活動内容についても教えて下さい。

【上野】
おっしゃる通り、共感者、協力者を増やしていくための1つの手段として、、
実践できる手法やノウハウを勉強会・セミナーという形で公開しています。

具体的には、
「企業独自に作成できるコンピテンシーのつくり方」や
「ホスピタリティ経営の手順」、「成長と発展のための人事制度」など、
不定期ではありますが勉強会を行っています。
お問い合わせによって、個別指導も行っていますよ。


【名和田】
その辺りの地道な活動が、後々ジワジワと聞いてくるんですよね(笑)
是非、続けて頂きたいと思います。

それと、上野さんは、『商売十訓』という教えを大事にされてるそうで
すが、こちらについてもご説明頂けますでしょうか?


【上野】
ハイ、喜んで!
商売十訓とは、昭和三十六年二月に「商業界ゼミナール」にて商業界主
幹の倉本長治先生が発表された遺訓です。

その内容は、正に商人の姿勢について、その基本的な在り方、商売人た
るための心得を示しています。

一 損得より先きに善悪を考えよう
二 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
三 お客に有利な商いを毎日続けよ
四 愛と真実で適正利潤を確保せよ
五 欠損は社会の為にも不善と悟れ
六 お互いに知恵と力を合せて働け
七 店の発展を社会の幸福と信ぜよ
八 公正で公平な社会的活動を行え
九 文化のために経営を合理化せよ
十 正しく生きる商人に誇りをもて

・・・以上が十訓です。

【名和田】
いつぐらいから、上野さんは意識して使われてるんですか?


【上野】
私が、この『商売十訓』にはじめて出会ったのは、もう二十年も前の事
です。
私の実家となる本家の壁に貼られた一枚の古ぼけた紙でした。

本家は、兵庫県川西市にあって、和菓子の製造販売を営んでいます。
屋号は、「上政(うえまさ)」 http://www.uemasa.co.jp/
清和源氏発祥の地で、創業百十余年の古い和菓子屋です。

私が、社会人になってからの里帰りの際に、その古ぼけた紙に書かれた
『商売十訓』の内容に衝撃を感じたことを今も覚えています。

それまでの社会では教わった事のない深い意味を感じました。
当時、本家の大将である伯父に聞いてみると、倉本長治先生のことを
話してくれました。
その伯父は、若い頃「商業界」の研修会に参加した際、箱根での温泉で、
気安く伯父の背中を流してくれた人がいたそうです。
その人が倉本長治先生であったと、後で知り驚いたと聞きました。

私が『商売十訓』と出会ってから二十年経ちますが、時代の時々で様々
なことを考えさせられ、判断の基準にもなり指針にもなっています。
正に私のビジネスの原点がここにあると言えますね。
実は、この『商売十訓コンピテンシー』の作成にも取り組みましたので、
ぜひ、多くの方に知って頂き、活用してもらいたいと思いますね。


【名和田】
まさにその発想は、近江商人の家訓として知られる「買い手良し、世間
良し、売り手良し」の「三方良し」と同じですね。

それでは最後に、上野さんの今後の展望についてお聞かせ下さい。


【上野】
世界は、様々な思いでうごめいています。
一人ひとりの力では、世界に対して小さな活動にしかならないかも知れ
ませんが、日本の「和」の力は、世界を変えることが出来ます。

ホスピタリティは、日本から世界へ発信するメッセージになることでし
ょう。
私は、それを信じ、今後も地道に活動を続けてまいりたいと思います。


【名和田】
本日は、有難うございました。
また、今回上野さんから素敵なプレゼントのお知らせを頂いております。

先ほど話しに有りました「商売十訓コンピテンシー」BOOKを抽選で
5名様にプレゼントして頂けるそうです。
奮ってご応募下さい!

☆ご希望の方は・・・
メール件名にて、「商売十訓コンピテンシー」BOOK希望と明記の上、
下記アドレス宛までご連絡下さい。
⇒ compe@mokk.jp (おおきに研究所 上野裕司宛)

■……………………………………………………………………………■
<インタビューを終えて>

上野さんのお話しを聞いて感じた事は、日本型経営の良し悪しはと
もかく、最近の経営者の中には、こうした商売の原点的な発想が欠落
している人が多いという事実を改めて思い返しました。

金融市場主義、株主至上主義的な発想のみの「義」も「愛」のかけら
も無い経営者には是非とも学んで頂きたいと思いました。

                       (by nawata)
◆ 名和田 竜(なわたりょう)────────────────

企業のマーケティング戦略から、販売戦略・促進を専門とするマー
ケティング・コンサルティングプランナー。
ランチェスター戦略をベースに、個人及び小さな会社が大きな会社
に勝つための戦略指導に力を注ぐ。

・シナプス・マーケティングカレッジ講師
・NPOランチェスター協会認定コンサルタント
☆著書:『誇りを持って稼げる/最強の私を手に入れる!』(ビジネス社)
(http://www.relation-stage.com/)
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今この人に聞く! 株式会社ココマッチ 代表取締役「川島康平」氏

今回は、Webマーケティングのプロ中のプロである、株式会社ココマッチ 
代表取締役「川島康平」氏をお迎えし、お話を聞いていきたいと思います。

▼テーマ:「Webサイトはこの差で決まる!」

【今月のゲスト】…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…─

●川島 康平(かわしまこうへい)氏

大学卒業後、老舗ISP(インターネットプロバイダ)株式会社朝日ネット
に入社。テクニカルサポート、Webサポート部の部門長を歴任。
Webディレクターとして人材派遣会社に転職後、3つの自社サイトを運営。
06年1月、コンサルティング事業、セミナー事業を展開するベンチャー企
業に転職。自らもWeb制作、コンサルティング事業を立ち上げ、2年半で
40を超えるクライアントの業績向上に貢献。サラリーマンながらも2冊の
著書を出版、Web専門誌でコラムを執筆する等、独自のWebマーケティング
理論はメディアからも注目を集める。
09年3月独立。株式会社ココマッチ設立。
Web上でダイレクトマーケティングを実践する、業界最安値の高機能LPO
ツール「ココマッチLPO」をリリース。

◆インタビュー◆────────────────────────

【名和田】
まずは、川島さんのビジネスの経歴について、簡単に教えて頂けますか?

【川島】
ハイ。まず最初に入社したASAHIネット時代に得た知識をベースに、2つの
ベンチャー企業でWebサイトを運営しました。
1年間在籍した人材派遣の会社では、1日300アクセス程度のサイトを半年
で10倍にし、派遣登録者数を2,700名獲得しました。

リスティング広告費を一晩で40万円使って社長に怒られるといった失敗を
繰り返しながら、実践的なマーケティング手法を身につけることができま
したね。また、子会社でエステサロンの立ち上げを経験させていただき、
1ベッドの小さなサロンで初月600万円の売上を達成するといった成功体験
も、私自身の財産になっています。

その後、埼玉県の小さなベンチャー企業に転職したのですが、そこでは
自社サイトの運営だけではなく、Web制作サービスを展開しました。
最終的に、40社のサイトを制作したのですが、1ヶ月で1,500件のハウスリ
ストを獲得した旅行代理店、月間4件の顧問契約を獲得した税理士等、多く
の方に喜んでいただけました。


【名和田】
短期間で見事な実績を挙げられてますよね。
Webに関しての非常に豊富な経験が伺えます。

そんな中、今年3月に会社を立ち上げたとのことですが、その経緯について
も教えて頂けますか?


【川島】
もともと、独立願望はありました。できれば自分の好きなWebサイト制作や
コンサルティングで起業したいと。

しかし、Web制作業者は星の数ほどありますから、単純な価格競争に巻き込
まれないためにも、他社との差別化が必要だと感じていました。
差別化には、いくつか方法があると思いますが、私が選んだのは「私自身」
の価値を上げるということでした。


【名和田】
ほう。具体的にはどんなことをされたのですか?


【川島】
今でいう、「パーソナルブランディング」を実践してみました。
おかげ様で、サラリーマンにも関わらず2冊の本を出版したり、専門誌でコ
ラムを書いたりと、3年間で目に見える実績を積み重ねることができました。
で、「そろそろいいだろう」と思い、会社を立ち上げたわけです。


【名和田
このご時世に、中々思い切りましたね(笑)。
しかし、会社員時代に自己ブランディングが出来ていることは、非常にアド
バンテージとなりますよね。

貴社の特徴や強みはどのような部分でしょうか?


【川島】
ネットはもちろん、リアルマーケティングにも強いという点です。
業種にもよりますが、Webだけで売上UPを目指すのではなく、DMやFAX-DM、
ポスティングや折り込みチラシとの連動でWebを生かすという流れを提案で
きます。場合によっては、セミナー営業のサポートも可能ですよ。

ココマッチという社名は、「お客様個々にマッチしたサービスを提供する」
という理念からきているのですが、現在、あらゆる要望に適正価格でお応え
できるよう、アライアンスの輪を広げているところです。


【名和田】
おっしゃる通り、確かにWeb単体で切り離して考えるのではなく、リアルと
の併用がより効果を発揮するということは、私も経験上実感しています。

ココマッチという名前もかわいらしくて良いですね〜。
理念がそのまま社名になってるんですね。

ところで、「LPO」という言葉が出てきますが、これについて詳しく教えて
頂けますか?


【川島】
「LPO」とは、ランディングページ最適化の略です。
これは、訪問者が最初にアクセスするページを工夫することで、直帰率を下
げ、目的のページに誘導し、コンバージョン率を上げる手法の総称ですが、
「コレをすればOK!」という単純なものではないので、用語としては宙に浮
いてるような感じですね。

リアル店舗で言うと、SEO対策やリスティング広告は「集客」ですが、LPOは
「接客」です。いくら人を集めても、無愛想な店員さんでは売上は上がりま
せん。この重要性に気づいた会社から、どんどんLPOを推し進めているのが
現状です。

当社の「ココマッチLPO」のようなLPOツールを使うと、接客レベルはさらに
上がります。訪問者がどんな検索キーワードで訪れたのか?
どこのWebサイトから飛んできたのか?どこに住んでいるのか?
そんな条件によって、ランディングページの中身を入れ替えることができる
のです。

例えば、検索「メガネ 通販」と検索「メガネ 格安」では、訪問者が求め
ているポイントが明らかに違いますから、キーワードに連動して、一番目立
つバナー画像を自動的に入れ替えるだけでも、相当の効果が見込めるわけで
す。


【名和田】
「接客」ですか?なるほど。。。
確かに的外れな接客をされては、別の店(サイト)へ行ってしまいますね。

これは、単刀直入にお聞きしますが、川島さんから見たダメなホームページ
とはどのようなものでしょうか?


【川島】
まず、第一印象が悪いサイトです。自社サイトのデザインに自信が無い方は、
アクセス解析で直帰率を調べてみることをお勧めします。
目安として、直帰率の合格ラインは40%以下です。
この数値を大きく上回るようであれば、デザインを見直した方がいいでしょ
うね。

また、目的が明確でないサイトも頂けません。
自社商品を売りたいのか?どの商品を売りたいのか?ブランディングサイト
なのか?ハウスリストを獲りたいのか?アレもしたい、コレもしたいでは、
なかなか成果に結びつきません。


【名和田】
これは非常に共感しますね。第一印象、デザインって物凄く大事ですよね。
その会社のセンスが問われる部分でも有ります。
目的についてもおっしゃる通り、そこで一番何がしたいのか?ですね。

では、今一番サイト(ホームページ)に必要なことってなんでしょうか?


【川島】
訪問者の視点です。今後、Webマーケティングの主流はますますダイレクト
化する傾向にありますから、誰のための、何のためのサイトなのかを明確に
し、ターゲットの視点でサイトを改善していく努力が求められます。

アクセスを集めても売上が上がらないサイトは、その部分が弱いのです。
場合によっては、Webサイトを複数に分割したり、1テーマのランディングペ
ージを増殖していくといった手法を検討するといいでしょうね。


【名和田】
「訪問者の視点」ですね。これも良くわかります。

話は変わりますが、川島さんは興味深いタイトルの本を何冊か書かれてます
が、簡単にこの内容をご紹介頂けますか?


【川島】
では、順番にご紹介しますね。

『お客をつかむウェブ心理学/なぜ、このサイトをクリックしてしまうのか?』

この本は、50個の心理学用語をWebサイト制作やマーケティングに生かすノウハ
ウと知恵が詰まった1冊です。
結局、商品購入や資料請求も人間の感情的な行動ですから、心理学を知ること
が成功への近道というわけです。韓国語版が発売されたり、多くの雑誌で紹介
されるほど、画期的な内容となっています。

『1000人のマーケットで1億稼ぐ!Webマーケティングの成功法則』

これは、前職で実践していた「稼ぎ方」をありのままに書き綴りました。
ハウスリスト獲得からはじまるメールマーケティングを中心に、ブログやメル
マガといったWebメディアの活用法、セミナー主催や商業出版紹介等、ブラン
ディングやポジショニング含むマーケティングの基礎がこれ1冊で吸収できます。


【名和田】
マーケティングは、心理学との結び付きが非常に強いですし、Webに関しても
行動するのは人間ですから、そこは切り離せないということですね。
2冊とも大変興味深い内容です。是非読まさせて頂きますね。

最後に、川島さん個人と会社の今後の展開と展望についてお聞かせ下さい。


【川島】
Web業界と他業界との橋渡しとして、今後も出版は続けていきたいと思っていま
す。今も、3冊同時に話が進んでいますが、全て面白い切り口の本なので、ご期
待ください。

会社としては、LPOをキーワードに展開していきます。「ココマッチLPO」の機能
強化もそうですが、3年後に200億円市場になると予想されている「行動ターゲテ
ィング広告」にも絡んでいきたいですね。

もう1つは、Webコンサルティングの発展形であるWebマーケティング代行。
このサービスも強化していきたいと思っています。コンサルティングに比べて、
手間はかかりますが、社内にWeb担当者を置けない中小企業に喜んでいただける
サービスとして需要はあると思っています。

現在、テスト的に数社と契約している段階ですが、工数、コスト、効果を見て、
正式にリリースする予定です。

是非、期待してください!

■……………………………………………………………………………■
<インタビューを終えて>

川島さんは、さすがWebのマーケティングのプロ中のプロ。
質問に対して、非常に小気味よい回答をお持ちでした。
SEO対策だけでなく、やり方によって、まだまだサイトも改善の
余地が有るのだと改めて実感致しました。

                       (by nawata)
◆ 名和田 竜(なわたりょう)────────────────

企業のマーケティング戦略から、販売戦略・促進を専門とするマー
ケティング・コンサルティングプランナー。
ランチェスター戦略をベースに、個人及び小さな会社が大きな会社
に勝つための戦略指導に力を注ぐ。

・シナプス・マーケティングカレッジ講師
・NPOランチェスター協会認定コンサルタント
☆著書:『誇りを持って稼げる/最強の私を手に入れる!』(ビジネス社)
(http://www.relation-stage.com/)
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■シナプス・マーケティング・カレッジ
 ▲Webマーケティング講座▲

今この人に聞く、五十嵐博一先生

名和田です。

4月度の「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」、
今回は、シナプスの講師でも有り、中小企業診断士の資格を始め建設業
関連の資格も多々持つ、五十嵐博一先生にご登場頂きます!

テーマ「コンサルタントとしての活動」を中心にお届けいたします。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今月の「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」のゲスト
は、シナプスの講師でもあり、中小企業診断士の資格を始め建設業関連の
資格も多々持つ、五十嵐先生をお迎えしてお話しを聞いていきたいと思
います。

【今月のゲスト】…─…─…──…─…─…──…─…─…──…─…

1964年生まれ。早稲田大学理工学部卒。清水建設株式会社勤務を経て、
有限会社ファイブ・コンサルティングを設立。
企業の経営戦略、マーケティング戦略のコンサルティングや人材教育に
携わっている。全国各地で開催する建設業経営者向け経営革新セミナー
も大好評。大学や専門学校などの講師も務めている。
「起業のお値段」
「3日間でできるLLP設立ガイド」「日本版LLCはこうつくる」
「生産管理クイックマスター」「建設業 残された選択肢」など著書
多数。技術士(電気・電子)、建築設備士、インテリアコーディネーター、
中小企業診断士。
http://five.dreamblog.jp/

◆インタビュー◆────────────────────────

【名和田】
今日は、同じシナプスで講師をされている五十嵐先生をお迎えして、改
めて先生の仕事や活動についてお話を伺いたいと思います。

まず、先生のプロフィールで目につくのが、その資格の多さですよね。
中でも特に強みとしているものはどの資格になりますか?

【五十嵐】
資格の難易度から言えば「技術士」ということになりますが、実用上は、
独立するきっかけになった「中小企業診断士」ですね。
とりあえず、すぐに日銭を稼げる仕事にありつけましたから。

【名和田】
『中小企業診断士』の資格ですか。
確かに人気も有り、実用的な気がしますね。

中小企業診断士の資格について、取得プロセスやメリットなどもう少し
詳しく教えて下さい。

【五十嵐】
中小企業診断士は元々、行政サイドが地域の中小企業を支援するための
資格でした。

それが2000年に制度改正されて、一般の経営コンサルタントという位置
付けに変わったのです。
新制度の中小企業診断士の領域は、かなりMBAに近いものになってい
ます。

資格取得のためには、専門学校を利用するのが最も一般的です。
最短で1年程度の学習でも取得可能ですが、大部分の人は2年以上掛っ
ているようです。
以前、2年で取得する人が最も多いという統計データを見たことがあり
ます。
私自身も2年かかりました。

【名和田】
実際取られてみていかがですか?

【五十嵐】
この資格を取ってよかった、というより、この資格のために勉強してよ
かったのは、経営学、経済学、マーケティング、財務会計、生産管理、
企業法務、コーチングなどを網羅的、体系的に学べたことですね。

【名和田】
そういえば、私の知人にも、途中で挫折してしまった人が何人かいまし
たが、その為の勉強は意味があったって言ってましたよ。
かなりハードらしいですね(笑)

【五十嵐】
ただ、実際に独立してフリーの立場で仕事をしてみると、資格そのもの
は大した強みにはならないと感じます。

資格があろうとなかろうと、上手くいっている人は上手くいっているし、
上手くいっていない人は上手くいっていませんから・・・。

実感としては、今一番の強みになっているのは、18年間に渡るサラリ
ーマンとしての実務経験だと思っています。

【名和田】
確かに。それは私も実感するところです。
ところで、独立したきっかけというのは何だったんですか?

【五十嵐】
30才のころから、漠然と「一生サラリーマンでいるのは抵抗があるな」
と感じていました。

でも、どうしたら独立できるのかわからず、とりあえず出来ることをやろ
うと思って、仕事に関係のある資格を取得しはじめました。
資格があれば“食いっぱぐれる”ことはないだろうと考えたのです。

そんな中で、阪神大震災の復興事業に携わり、被災地でがんばる多くの中
小企業経営者と出会ったことで経営に興味を持ち、コンサルタントに転進
する決意を固めました。

【名和田】
そうだったんですか。
それで資格を色々お持ちなんですね。

でも、阪神大震災がこういう形できっかけになることも有るんですね。
あの早期復興に携わった人達のパワーとスピードは凄いエネルギーだった
のでしょうね。

では、現在の活動についてお聞かせ下さい。
ワークスタイルやお仕事の内容というのはどんな感じなのですか?

【五十嵐】
主な仕事は、コンサルティングと講演やセミナーの講師、そして執筆です。

経営系のコンサルティングや技術系のコンサルティングに関しては、一定
期間、あるいは個別プロジェクト単位で依頼を受けて契約を結んでいます。

講演や講師に関しては、主催者から直接依頼される場合と、エージェント
経由で依頼される場合があります。

執筆のほうは、一般の書籍と専門誌から依頼される記事などです。

【名和田】
コンサルタントと一言でいっても、その内容やスタイルは人によって千差
万別ですよね。
五十嵐先生の場合、かなり理想に近い形なんですか?、

【五十嵐】
色々好きなことをやっていますからね。
サラリーマン時代に比べると、仕事に費やす時間も半減しましたし、余計
なストレスもないから正直楽ですね。

【名和田】
おぅ。それは素晴らしい。
時間に関しては大抵逆ですよね。

でも、この厳しい時代ですから、クライアントへの影響は何か感じるもの
があるんじゃないでしょうか?

【五十嵐】
クライアントの取引先が倒産したり、関与していた取引が頓挫したりと、
それなりに影響は受けています。

ただ、そんな中でも、増収増益を続けている元気なクライアントもいます。
今回の金融危機は、マクロ的に景気が後退しているのは間違いありませんが、
ミクロ的に見れば、損をしている人と得をしている人が混在していると感じ
ます。

【名和田】
確かにそれも有りますね。
実際今の未曾有の不況をどのように捉えてますか?

【五十嵐】
かつて日本は“バブル景気”とその崩壊を経験しましたが、今回は世界的規
模です。
大袈裟かもしれませんが、かつての日本のバブル崩壊と今回の金融危機は、
波の出るプールとビッグウェンズデーくらいの差があるように思います。
今はまさに“歴史の1ページに残る激動の瞬間”なのではないでしょうか。

個人的には、“100年に一度”という滅多にない状況を今の年齢と立場で経験
できたことは、ある意味でラッキーだったと思っています。(笑)

【名和田】
う〜ん。。。
とてもポジティブなコメントで驚きです(笑)
ただ、そういう見方がいいのかも知れませね。

では、この状況を乗り切るためのアドバイスは?

【五十嵐】
ビッグウェンズデーを目の前にして、果敢に挑むか尻込みするかで経営者の
価値が決まるのだと思います。

「ピンチ」や「変化」の陰には、必ず「チャンス」が隠れています。
まずは今の状況を前向きに捉え、どこにチャンスが隠れているのか貪欲に探
すべきでしょう。

まわりが大騒ぎしているときこそ、冷静に状況を分析すべき時なんです。
そして、こういう時こそ、先人が築いた基本的なフレームワークが有効に使
えるのではないでしょうか。

【名和田】
おっしゃる通りです。私もそう思いますね。

話は変わりますが、本も色々出されていますよね?
特に新しい仕組みの会社設立関係の本などが目につきますが、この辺りの
理由は何か有るんですか?

【五十嵐】
独立したばかりのころ、ちょうどLLP(有限責任事業組合)が制度化され
ました。
これは面白そうだなと感じて、仲間とLLPを作ってみることにしました。

でも、始まったばかりの制度でしたから、具体的な設立手続きはほとんど
知られていませんでした。
そこで、自分たちのLLP設立手続きの進捗状況をブログで速報しました。
そして設立完了後に、設立手続きの体験をそのまま本にしようと出版社に
企画を持ち込んだのです。
それが『3日間でできるLLP設立ガイド』という本になりました。

【名和田】
実は、私もその本を買ってその通り登記しました。。。(笑)
確かに3日で出来ますね。
まさか後に筆者と出会うとは思いませんでした・・・(笑)

【五十嵐】
そうでしたね。お役に立てて何よりです(笑)。

まぁ、これがきっかけとなり、今度は出版社から、新しい「会社法」で制
度化されたLLC(合同会社)の設立手続きの本を書いてみないかと言わ
れて引き受けたのが、『日本版LLCはこうつくる』という本です。

さらに別の出版社から、起業をテーマにした本を書いてほしいという依頼
があり、『起業のお値段』という本を書きました。

そんなわけで、会社設立関係の執筆が続いているというわけです。

これらの本がきっかけとなり、実務上でも幾つかの会社設立や事業立ち上
げのサポートをさせて頂いてます。

【名和田】
今後の執筆予定はありますか?

【五十嵐】
実は、これまで出した本以外にも、企画を考えては出版社や編集者に持ち込
んでいるんです。

でも、簡単には採用されませんね。ボツネタもたくさんあるんです。
めげることなく、常に本のアイデアをあれこれ考えています。
まだ具体的にお話しできる段階ではありませんが、頭の中では常に企画進行
中です。

【名和田】
なるほど。中々出したい本と世の中のニーズというのも合致しませんからね。

今後の展望についてはいかがでしょう?

【五十嵐】
個人としての価値を高める取り組みと、会社として事業を育てていく取り組
みの両立を目指しています。
そのためには、自身の研鑽と地道な営業活動が必要だと考えています。

コンサルティングのほうは、まだ下請の立場になることが多いのですが、
最近少しずつ元請で仕事を受注できるようになってきました。

講師業のほうは、同業の仲間とも連携して、エージェント的な機能を強化し
ようとしています。

なんだかんだ言っても、お客さんを獲得できなければビジネスになりません
からね。
泥臭いことを地道にやる、それが一番大事なんじゃないかと思っています。

【名和田】
同感です。
最後に4月28日(火)からシナプスで「問題解決スキル」講座がスタートし
ます。それについて一言お願いします。

【五十嵐】
「問題解決スキル」は、ひと言とでいえば、マーケティングのスパイスを効
かせたロジカルシンキングの講座です。

「論理的に考えるのは苦手」という方にお勧めしたい講座です。
右脳と左脳をバランスよく鍛えたいという方にもいいと思います。
よかったら是非お試しください。お待ちしてます!

■……………………………………………………………………………■
<インタビューを終えて>

今回のインタビューは、私も立場が近いこともあり、共感する部分
が多々有りました。
中でも独立してフリーの立場で仕事をしてみると、資格そのものよ
り実務経験がものをいう・・・というのは、まさにその通りだと思
います。経験に優るものは確かにないなと改めて実感しました。

                       (by nawata)
◆ 名和田 竜(なわたりょう)────────────────

企業のマーケティング戦略から、販売戦略・促進を専門とするマー
ケティング・コンサルティングプランナー。
ランチェスター戦略をベースに、個人及び小さな会社が大きな会社
に勝つための戦略指導に力を注ぐ。

・シナプス・マーケティングカレッジ講師
・NPOランチェスター協会認定コンサルタント
☆著書:『誇りを持って稼げる/最強の私を手に入れる!』(ビジネス社)
(http://www.relation-stage.com/)
───────────────────────────────
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃五十嵐博一講師担当講座情報
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◎「問題解決スキル」講座 −−−−−−−−−−−−−−−−

ロジカルに考えることが苦手な人へ。論理的思考力の強化と習得
http://www.cyber-synapse.com/college/course/lm/?090414ml/

■時間:19:00-21:30 (火)
■日程:4/28 5/12 5/26 6/9
■会場:銀座1丁目会議室
■講師:五十嵐博一

「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」【VOL.10】5

今月の「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」のゲス
トは、ロゴ&WEBの専門家(デザイナー):佐藤孝行(さとう たか
ゆき)氏をお迎えして、マーケティングにおけるクリエイティブの役
割について等を中心に、お話しを聞いていきたいと思います。


【今月のゲスト】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜佐藤 孝行(さとう たかゆき)〜

株式会社ロゴ・アンド・ウェブ 代表取締役
http://www.logoandweb.co.jp/

東京造形大学造形学部デザイン学科を卒業後、販売促進専門の広告
代理店にて、デザイナー/ディレクターとしてアサヒビール、大正製
薬、ブリヂストンタイヤ等の大手企業を中止とした販促ツール制作に
幅広く携わる。
その後、ヤオハンUSAの本部マーケティング部の責任者として渡米。
米国在住の日本人、日系人に向けて年間販促計画の作成、イベントの
企画・運営、テレビCM・フライヤーのデザインディレクション等を担
当。帰国後、フリーのデザイナー、イラストレーターとして活動。
07年4月に「株式会社ロゴ・アンド・ウェブ」として法人化。
08年6月鳥取大学イメージキャラクター最優秀賞受賞。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*テーマ:『マーケティングにおけるクリエイティブ表現について』

◆インタビュー◆───────────────────────

【名和田】
佐藤さんとは、知り合ってかれこれ12年になりますかね?
実は私が一番最初に入社した会社の先輩に当たります。
その頃から、既に第一線のデザイナーとして活躍されてました。
そもそも、販売促進のデザイナーになろうと思ったきっかけは何だっ
たのですか?

【佐藤】
両親が写真屋だったことが一つの理由ですね。
フジフイルムや小西六からちょくちょく等身大パネルやのぼり、ポス
ターやステッカー、さらには三角くじなどのミニイベント用のキット
が届いて、子どもの頃から販促ツールに親しみやワクワク感を覚えて
いました。

自営業の親を見て育ったので、大変な仕事をしているお店の人に、絵
を描くことで役に立てたらいいな、喜んでもらえたら嬉しいな…とい
う想いが原点にあります。
それと、就職活動をしていた時期「これからはSPだ、イベントだ!」
みたいに持てはやされていて、影響されたというのもありますね。

【名和田】
そうだったんですか。販促ツールは確かに雑誌の付録みたいなワクワ
ク感が有りますよね。
しかし、「SPだ、イベントだ!」というのは、私が就職活動する頃
も言われていましたね(笑)

そこから、ロゴとWEBに特化した専門家になられた理由というのは?

【佐藤】
社会人になった当時、PAOSやデザインセンターがCIで素晴ら
しい仕事をしていて、デザインで大企業を動かすなんてすごいことす
るなぁと思って、ロゴマークに興味を持つようになりました。

小学生の頃、スーパーカー・ブームで外車が好きだったので、ポルシ
ェやBMWのロゴに憧れたり、中学になったらスポーツメーカーのロゴ
に惹かれたりしたのも影響あるかもしれません。
adidasのコピーの「adidos」を初めて見たときの衝撃は忘れられませ
ん。

【名和田】
なるほど。幼少期からロゴマークへの関心が高かったのです
ね。では、WEBというのはいつ頃から?

【佐藤】
webは、割と早くから興味があって、Yahoo!JAPANのサービスが開始
された年、たしか96年ですが、その時には既に自分でhtmlを手打ち
してホームページを作っていました。

当時アメリカのプロバスケットボールにはまっていて、「NBAおやじ」
というNBAのベテラン・プレーヤーの似顔絵を中心としたサイトを運営
していました。

競合も少なかったし、Yahoo!カテゴリには簡単に登録できたし、アクセ
スもそこそこあって楽しかったですね。ネットを通じてリアルの友達も
できましたし・・・。その前には、ニフティサーブもやっていたくらい
です。

ネットには私のような文系の人間でも夢を持てました。
当時からこれは画期的な技術だと、すごいことだと思って興奮してまし
た。パソ通やってるって大きな声で言いづらい時代でしたけどね。まだ
まだマニアックな領域で・・・。

【名和田】
そう言えばそうでした。かなり早い時期から、ホームページ
なども作られてましたよね。
私もまだネットに対する知識が乏しい頃から、色々その凄さを聞かされ
た記憶が有ります(笑)

しかし、当時は技術面も含め、かなり習得するのは大変だったのでは?

【佐藤】
webデザインは、みんな独学ですが、とにかく好きで勉強しまし
た。今も、Flashというソフトのアクション・スクリプトという言語や、
webサイトを表現するためのxhtmlとcssのテクニックを勉強しています。
web関係は勉強するのが楽しいので、苦になりませんよ。

【名和田】
話しは変わりますが、過去にアメリカに渡っていますよね?
日本と米国のマーケティング(販促)に関する考え方の違いに、何か
特徴的なことって有りますか?

【佐藤】
アメリカ人はクーポン好きっていうのが印象的でしたね。
新聞の日曜版に挟まっているのを、マメに切り取って使っている方が目
立ちました。
また大きな車で大量に買い物するという習慣もあって、ホールセールク
ラブなど、とにかく価格勝負の店が元気という印象です。日本の100円シ
ョップのような99セント・ショップも流行ってましたし・・・。

【名和田】
クーポン好きっていう話しは、聞いたことが有ります。
最近は、日本でも同じような現象が起きていますよね?
では、表現やクリエイティブといった部分はどうですか?

【佐藤】
テレビもチラシも商品写真と値段がわかれば良いっていう、シ
ンプルな表現が目立ちました。
日本の方がイメージ広告の比率が高いように思います。接客もそうです
が、日本の方がずっと「品」がありますよ。

【名和田】
ほう。そうなんですか。
それって、米国全土で見られる傾向なんでしょうか?

【佐藤】
全てがそうとも言い切れませんが、日本と比べるとそうですね。
私は英語は最低限しか話せませんが、同じく英語が苦手なメキシコ系移
民が多い土地柄のLAだったので、余計に単純な広告が目についたのかも
しれません。
アメリカは貧富の差が激しいので、販促やデザインも富裕層向け、それ
以外向けというカタチで二極化していますしね。

【名和田】
ショッピングモールの店舗やディスプレイなどは、「おっ!」というの
も有る気がしますが、どうでしょうか?

【佐藤】
おっしゃる通りです。ビルボードや店舗デザインやディスプレ
イは、確かにさすがと思わされるものが多かったです。

ヴィクトリアズ・シークレットなんていう女性下着の店舗は、よく
ショッピング・モールに入っていたのですが、非常に派手で開けっ広げ
で、商品陳列の迫力に圧倒されましたね。
いや、カミさんが買い物につき合っている間、少し離れたところから見
ていただけなんですが(笑)

論理的に説得して商品を買わせようとするのではなく、パッと見た目で
「安い!」とか、「すごい量!」みたいな売り方がメインです。
直感的で分かりやすく、ある意味すがすがしい感じがしました。

デザインの拡大解釈になるかもしれませんが、アメリカは通りの名前と
番地だけで、目的地に着けるのはすごいと思いましたね。
カーナビがなくても問題なかったです。日本ではそうはいかないですか
らね。

【名和田】
あ〜確かにそうですね。
そもそもマーケティングや販促のデザインに求められるものって何なん
ですかね?

【佐藤】
たいていの人が冠雪の富士山や満開の桜を見ると「きれい」だと感じま
すし、“ジュージュー”と音を立てて焼き上がるステーキ肉のクローズ
アップ動画を見れば「美味しそう」と思います。
矢沢永吉に「もったいない!」と言われるとドキッとしますし・・・。

そんな誰もが共感するビジュアルやワードを駆使して、共感をもとに
購買意欲をそそり、実際に売上につなげる役目を果たすことだと思いま
す。
「絵」や「写真」というビジュアルと「キャッチ・コピー」というワー
ドの両方の絶妙な組み合わせ方ですよね。

【名和田】
そう思います。イメージを記憶してもらう、購買に直結させる等ありま
すが、いずれにせよ最終的には購買に結びつく流れをつくることが目的
ですからね。

*最近の企業サイトの傾向については、どう思われますか?

【佐藤】
企業がホームページを持つのは当たり前のこととなりましたが、5年以
上前の古い構造のままのホームページと、ここ2〜3年の間に作ったホー
ムページが混在していますね。

まず、見栄えが違いますし、自社で更新できるシステムが導入されてい
ると更新の頻度に明らかな差が出ています。
ホームページの更新頻度は高いほど、SEO的にも良いので。
YouTubeなどの活用も珍しくなくなり、動画を使っているサイトも増えて
います。また以前より制作料金が下がっていること、SEO対策に効率的で
あるということから、キーワード毎にサイトを切り分け、複数サイトを
持つ企業も目立ちます。

【名和田】
目的によっても変わると思いますが、企業サイトの骨格として求められ
るモノとは何でしょうか?

【佐藤】
基本的な論理構造と、それを追いやすいナビゲーションだと思います。
題名、大見出し、中見出し、段落…というふうに文書には構造があります
ので、それに基づいて原稿を作ること。

そしてその原稿に興味を持つユーザーが、簡単に読むことができるように
メニューやボタンでナビゲートすることです。
いくら良いことが書いてある文書でも、読めなければ意味がありませんの
で。CIに基づいたカラーリングにしたり、文体を合わせることなど、企業
の信頼感とサイトの統一感を損なわないために必要なルールを作り、守る
ことも大切です。

【名和田】
なるほど。では、ロゴデザインにおいて、何か特別心掛けていることは?

【佐藤】
ロゴマークは、名刺にワンポイントで使われたり、看板に使われたりと、
様々な大きさで印刷されますので、大きさによって印象が変わらないよう
シンプルにデザインするようにしています。

印刷の色数が限られる場合や、色の諧調を表現できない、例えばカッティ
ングシートを利用する場合もあるので、グラデーションやぼかしはできる
だけ使わないようにしています。

【名和田】
佐藤さんは、ブランディング名刺というのもやられてますよね?
そちらについても教えてください

【佐藤】
「公私ともにブランディング名刺」は、表裏フルカラー、似顔絵、QRコー
ド入りの名刺で、ヒアリングに基づいてお客様の会社やお客様自身のキャ
ッチコピー作って印刷し、ユニークな個性が瞬時に伝わるような名刺です。

名刺は誰もがすんなりと受け取ってくれる優れたチラシと考えています。
91×55ミリのスペースを最大限に活用して、表面にビジネスの情報、裏面
には個人としての情報をしっかり入れて、初めてお会いした方に強い印象
を残せます。

【名和田】
名刺は我々のように、独立している人間にとっては、最大のセールスツー
ルですからね。

そういえば今年は、鳥取大学のイメージキャラクターの最優秀賞を受賞さ
れましたよね?おめでとうございます!

【佐藤】
鳥取県を代表する大学、鳥取大学なので、素直に鳥取県の鳥「オシドリ」
をモチーフにキャラクター化しました。
約200点の応募の中から選んでいただけたそうで、嬉しかったですね。
手には探求心と知識欲を表す青い本を持ち、角帽は大学生らしさを表現し
ました。9月には「とりりん」という名前に決まったそうです。
着ぐるみも作っているらしいので、それも楽しみにしています。

http://www.tottori-u.ac.jp/dd.aspx?itemid=1789#itemid1789

【名和田】
それでは、最後に今後の活動と会社、個人を含め目標をお聞かせ下さい。

【佐藤】
ロゴマークとウェブ制作を「明快な価格で販売するサイト」を現在制作中
です。デザインは、どうしても実作業前の見積りが甘くなりがちですが、
今後はデザイン要件を明確にして、正確な見積金額を出せるようにしてい
こうと思っています。当たり前のことなのですが。

個人的には、ホームページの作り方やPOPの描き方、似顔絵を含むイラスト
の描き方などを覚えたいという人に指導していきたいと考えています。

今後とも宜しくお願いします。

■……………………………………………………………………………■

<インタビューを終えて>

今回は、日本と米国における販促表現の違いという、面白い話を聞
くことが出来ました。
クリエイティブ表現の要素は、企業活動において外すことのできな
いものです。特に、自社サイトや名刺などは、このクリエイティブ
表現の良し悪しで、明確な差が出てしまうとも言えます。
今一度、自社ツールの表現要素について、見直してみてはいかがで
しょうか?
            
                       (by nawata)

「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」5

今月の「今この人に聞く!/マーケティング・インタビュー」
のゲストは、このコーナーには珍しい?保育園の経営(園長)をさ
れている「玉居子 高敏」(たまいご たかとし)氏をお迎えし、
地域一番店(園)になった、その戦略についてお伺いしていきたい
と思います。

*保育園の名称については諸事情により伏せさせて頂きます。

【今月のゲスト】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜玉居子 高敏(たまいご たかとし)〜

(越谷市某保育園園長)大学卒業後、不動産コンサルティング会社
を経て保育園の開業コンサルタントに転職。
まったく未知の業界に飛び込んで悪戦苦闘をしながらも、保育事業
の社会性やおもしろさに魅かれ、自ら開業することを決意。
その後、経営する保育園を地域NO.1保育園へと育てる。
自身でも、NPOランチェスター協会認定インストラクターの資格を
取得し、保育経営と並行して、同じように苦しみを抱いていると思
われる中小零細向けのコンサルティングをすべく「弱者逆転研究所」
を設立。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*テーマ:『地域NO.1保育園への戦略とは?』

◆インタビュー◆──────────────────────

【名和田】さっそくですが、基本的なことから教えてください。
そもそも、保育園業界の仕組み?とはどのようになっているのでし
ょうか?


【玉居子】ハイ。保育園は通常、自治体などから園児を紹介され
てお預かりする場合と、直接保護者の方とやりとりをして、自治体
を通さずにお預かりする場合があります。

また、自治体から保護者の方に、保育料補助が出るパターンと出な
いパターンがあります。
利用形態も定期的にお預かりする『月極め保育』と、不定期利用の
『一時保育』とがあります。

利用形態については、駐車場の月極め利用と一時利用のイメージに
近いものだと思って頂けるとわかりやすいと思います。

当園に関していうと、保護者の方に補助が出るパターンと、出ない
パターンの双方の利用形態があります。
また月極めと、一時保育の利用についても双方あるといった形態で
運営しております。


【名和田】なるほど。良くわかりました。
ところで、玉居子さんは、不動産コンサルから保育園開業コンサル
を経て、ご自身が実際に保育園の経営者になってしまったという、
変わった経歴をお持ちですが、その保育園にマーケティング戦略を
持ち込もうと思ったのは、やはり原点がコンサルだったからでしょ
うか?


【玉居子】確かにそれも有るかも知れませんが、正直独立後、経
営の課題と向き合いながら苦悩する日々を過ごすしていたんです。

独立をして感じたことですが、自分自身の中で、明確な判断基準と
なるものをもっていないために、不必要な部分での悩み・苦しみが
多かったというのも有りました。

その中で、いろいろなマーケティング分野について調べてみたとこ
ろ、ランチェスター戦略というものに出会いました。
この理論は、非常に明確でかつ実践的な指針と方向性を導いてくれ
るものだと強く感じ、この戦略を会得しようと心に決めて学び始め
ました。


【名和田】具体的にはどのような課題意識や悩みだったのですか?


【玉居子】例えば、チラシを自分でポスティングするにしても、
どの地域から重点的に集客すれば良いのか?その判断基準がない為、
とりあえず広い範囲でまいてみる。
結果、反応が薄いために、再度広告投資をするということを繰り返
してたということが有りました。

原因が、明確な判断基準が無いが為に、無理や無駄が多く、収益の
圧迫につながっているというのは強く感じてはいたのですが・・・。


【名和田】そこから、ランチェスター戦略を学び、今では地域NO.
1店(保育園)となったとのことですが、当時のその地域における
競争状況は、どのようになっていたのでしょうか?


【玉居子】私の園は、ランチェスター戦略を導入する以前は、周
辺地域では4・5番手といったところでした。

当時の1位の企業(園)は、現在も2位で、いわばもっとも手ごわ
いライバルなのですが、当時は圧倒的1位で、自社とのシェアの差
は、3倍近く離されていたと思います。

それ以外にも、近隣に4社ほどありましたが、ランチェスター戦略
を導入後は、この4社よりもシェアを上回るのには、それほど時間
は掛かりませんでした。
しかし、当時の1位企業だけは、中々超えることができず、今年に
入って初めて抜くことができたという状況です。


【名和田】となると知りたいのは、具体的な戦略ですね〜。実際
にはどのようなことを行なったのですか?


【玉居子】ランチェスター戦略の中に「地域戦略」という項目が
あります。この地域戦略は、店舗型ビジネスを展開している方にと
っては特に有効的で、かつ実践に役立つ内容がふんだんに盛り込ま
れています。

私もこの地域戦略の考え方をベースとして、集客・運営を行ってか
ら急速にシェアの獲得をすることができました。

【名和田】もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

【玉居子】まずは地域の細分化を行い、その中で集客の重点地域
を決定し、そこに資源の集中投入をしました。

具体的には、チラシなのですが、この地域で一定の集客が取れるま
では、他の地域に資源を投入しない!と決めて配布したので、配布
地域の範囲は、ランチェスター導入前の1/3以下になりました。

その分、重点地域の配布量は場所によっては、3倍以上になる所も
有りましたが、自分が思っている以上の反響を得ることができたの
も事実です。

自社がここでは絶対に勝つ!と決めた地域から、集客ができなけれ
ば、シェアをあげることは難しいということを実感した一つの例で
もあります。


【名和田】チラシ以外では?


【玉居子】ハイ。まず競合を知るにあたり、ランチェスター戦略
でいうところの、ローラー調査を実施しました。

このローラー調査で、同業他社調査をする際は、女性スタッフと友
人男性をペアにして、夫婦役を演じてもらい、その園の集客状況や
雰囲気、課題などを直接見ることで、貴重な情報を得ることができ
ました。

まぁ、実際、同業他社の内情や戦略について調べた結論を言うと、
他の同業は、保育の部分についてはそれぞれ特色の違いが伺えまし
たが、マーケティングに関しては、これといった手法を実践してい
るところが皆無に等しい、ということがわかりました。

このことにより、ランチェスター戦略を正しく実践すれば早い段階
で1位の座を獲得することができると直感的に確信することができ
ました。


【名和田】でも、特色の違いがあったのですよね?それって、ど
んなものだったのですか?
また、それに対し、自社は何をしたら「いける」と思ったのです
か?


【玉居子】サービスの面でいえば、24時間営業していたり、自
社で手作りの調理をしていたり、駅前に出店をしていたり、幼児
教育に力を注いでいたりなどの特色がありました。

これらの情報をもとに、自分なりの分析をした中で、思ったことは
「お客様にとって重要な差別化」をすることだと思いました。
同業他社のサービスの中には顧客視点ではなく、自分視点でのサー
ビスの提供をしているところも多く見受けられたからです。


【名和田】そうですね。顧客視点・・・。よく言いますが、簡単
な様で、意外と見れていないケースが有りますよね。
実際に、1位となってからは、何か大きな変化は有りましたか?


【玉居子】1位になってからも、競合から見られる目というのは
あまり変わっていないと感じていますが、顧客(保護者の方)から
の目は変わったと感じています。

今までお子様を預ける際に、1位企業と当社の双方を比較対照した場
合に、どうしても1位企業にお預けする方が多く見受けられましたが、
1位になってからは、当社を選択する方が増えていると実感しており
ます。


【名和田】まさにそれが、NO.1になるメリットの1つですよね。
1つお聞きしたいのですが、この業界は、理念や教育方針が、通常の
企業以上に、大きく影響しそうに思われますが、貴社はどのような
理念や方針を掲げていますか?


【玉居子】保育園に限らず、人が商品のメインとなる業種(たと
えば美容室や学習塾など)は、特に経営理念を明示し、かつそれを
人材育成の柱として浸透させることが、同業他社との最大の差別化
になると考えます。

また、機能的かつ戦略的な組織構築にも欠かせない重要事項だと捉
えています。

経営理念の浸透は「人材」を「人財」へと育てる、最良の手段と考
えます。経営理念を軸とした経営手法を「理念型経営」と呼びます
が、この「理念型経営」の導入が何よりの差別化と考えています。


【名和田】是非、貴社の具体的な理念についてもお聞かせ下さい。


【玉居子】『保育サービスを通して、地域の方々、保護者の皆様、
子供たちに喜びや感動、幸せを提供する』をモットーにサービスの
向上と質の維持をすべく日々、業務に取り組んでいます。

また利用頂いている方々には、『保護者の方や子供たちのライフス
タイルを彩り、夢や目標の実現を応援する保育園』になるという理
念を掲げております。
言うは易し、成すは難しということを強く実感しておりますが(笑)
それでもこの理念を実現することが、自社の存在意義になっている
と感じております。


【名和田】素晴らしいことですよね。是非その志を貫いて頂きた
いと思います。それでは、最後に保育園の今後の戦略、構想など、
玉居子さんのビジョンについてお聞かせ下さい。


【玉居子】前述の地域戦略の考え方に基づき、今年の9月に2店
舗目を開設しました。来年には近隣地域へ3店舗を開設することを
決定しております。

ランチェスター戦略の考え方でいうところのNO.1の地位を盤石に
して、まずは、足元である越谷市における絶対的地位を確立したの
ちに、次の地域への進出を検討したいと考えております。

今後も、保育サービスを通して、地域の方々、保護者の皆様、子供た
ちに感動や喜び、幸せを提供することを使命として、取り組んでい
きたいと考えております。

■……………………………………………………………………………■

<インタビューを終えて>

わずか1年弱で、地域NO.1の保育園になったと聞いて、どんな戦略
を仕掛けたのか?話しを聞くまで、非常に気になっていました。
ランチェスター戦略では、戦略とは「目標達成の為のシナリオと資
源の最適配分」と提議していますが、今回のケースは、まさにこの
最適配分が功を奏したのではないかと感じました。

ただ、それ以上に玉居子氏の言う経営理念が、しっかりと親御さん
達へと伝わったことが結果へと繋がったのではないかと思います。

余談ですが、うちの子も来年から幼稚園です。
毎日の送りは私の日課!今からワクワクしています。
また楽しみが増えそうです。                   
                       (by nawata)
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