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マーケティング:一般

40代は逃げ切れない・・・営業のやり方が変化している

シナプス後藤です。

先日、ある企業様の役員とその企業様の業界について話をしていた時に、
「この業界は、現場で飲んでお客さんに予算ややりたい事を聞き出して仕事をするんです」
とおっしゃっていました。

最近、コンプライアンスや嗜好の変化により飲んで仕事を取るのが難しくなってきています。が、昔から業界の業界慣行はそれほどすぐには変わらない、という事でしょう。
ところが一方で、
「お客さんでも若い方だとこのやり方ではうまくいかないのですよね」
という話もされていました。

営業と言う仕事はある意味で、「自分を売り込む」仕事です。そのためには相手に気に入られるように、例えば、夜の宴席での接待、或いは、ゴルフでの接待などあらゆる手段で相手に取り入ります。そうして長い期間をかけて作り上げた関係性はなかなか崩れることはなく、例えば、営業が30代、お客様も30代で接待漬けにしていれば、50代になるころには、お客様も大きな意思決定者になる50代、そうして営業としての成果が順調に出ていくわけです。

私は最近、「逃げ切れない40代前半」説を提唱しています。今、50代であれば、お客様の決裁者も50代、なんとか定年まで今のやり方で勝ち続けられます。
ところが、さすがに40代前半はもう無理でしょう。
業界慣行やお客様の変化が確実に起こるからです。

以前から、医療や農業ではこの傾向があると考えており、業界の方とも話す事がありますが、件の話は全然別の業界でしたし、まだまだ当てはまる業界はあるでしょう。
この状況は本社のマーケティング部門では非常に危機感を持っていることが多いです。マーケティング部門は客観的な調査等も行いますし、フラットに判断が出来るからです。ところが、現場の営業はそうはいかない。目の前のお客様、しかも自分にとって重要なお客様が「いつもありがとう、また飲みに行こうね」と普通におっしゃるからです。
理屈では言われれば分かるものの「危機感を持つのは今ではない」というのが現場の正直な感想でしょう。少なくとも50代にとっては。

ところが、営業でも20代、30代の若手は違います。接待交際費は無い、お客様もそれを求めてこない。しかも、製品差別性は少なくなり、製品を売り込むだけでは勝負が出来ない。そういった、難しい局面に立たされて、先輩や上司にアドバイスを求めると「飲みにでもゴルフにでも行って仲良くなればいいんだ!」と言われます。それで仕事が取れるなら苦労しない、というのが彼らの言い分でしょう。

飲みニケーションは不要ではありませんが、それだけで勝負できる時代はもう終わろうとしています。
法的にも難しくなってきていますし、お客様自体も夜の接待を受けなくなってきているので、真の提案の方を重視しているシーンが増えています。この傾向は加速していくでしょう。

となると、結局、本質的な意味で相手に対して価値が提供できる、提案力やそれを説明出来る論理構成力が求められるわけです。
だからこそ戦略ロジックを学べ、と言う事になりますが、それ以前に、「お客様が変化しているなら自分も変化しよう」というマインドが必要です。

結局、あらゆるビジネスはお客様が起点となり、お客様が変化するなら我々も変化する、当たり前のことです。
当たり前が難しいのですけどね。

顧客ロイヤリティを測る・・・NPS:Net Promoter Score

シナプス後藤です。

先日、マーケティング・カレッジで講師をして頂いている松尾さんからご紹介いただいて、NPS(*)入門講座に参加してきました。
http://www.shinqoo.com/news/205.html

01休憩


NPS:Net Promoter Scoreは、顧客ロイヤリティを測る指標として、2004年にコンサルティング・ファーム ベイン・アンド・カンパニー社が提唱したものですが、実際には今回の講師でもあるSATMETRIX社が調査などかなり動いているようですね。

設問そのものはシンプルで、
「あなたは会社(や商品)を友人や同僚にどの程度推奨したいですか?」
に対して、
0:推奨しない
5:中立
10:推奨する
という11段階の質問に答えて貰うだけのものです。
この数字のうち、
0-6:Detractors(批判者)
7-8:Passives(中立)
9-10:Promoters(推奨者)
として分類して、自社の顧客ロイヤルティ指標:NPSを

NPS = 推奨者% - 批判者%

で計算します。

NPSの最大の強みはそのシンプルさにあるでしょう。たった1設問で、顧客ロイヤリティが測れる、というのが特徴的で、数字を集めるのが極めて簡単です。


NPSは、顧客ロイヤリティを測るものです。顧客満足度や購買意向等もありますが、SATMETRIX社の調査によると最も売上や利益などの経営パフォーマンスに相関性が高く、KPIとして妥当である、という事なのでしょう。
参加者から、「NPSが顧客ロイヤリティに効きやすい、効きにくい業種・業態はあるのか?」という質問がありましたが、恐らく顧客が自分の意思で意思決定できる状況であれば全ての業種・業態で効くのでは、というのが私の解釈です。改善ポイントとして一般にメーカーであれば商品、サービス業であれば顧客接点となるサービスが重要になりますが、そういうことも含めて、顧客が推奨したくなるキーをNPSから探しましょう、という事ではないでしょうか。
(言い換えれば、独占企業で選択の余地が無い、或いは、あらゆる項目より価格が重要、というようなKBFが明確な業界ではNPSに投資するよりも他へ投資した方が良い、という事はあります。)


今回の講座では、NPSの使い方やTIPSよりも、「なぜ、顧客ロイヤリティにNPSが効くのか?重要なのか?」という点が中心になっていました。これは営業向けイベントだから、という事ではなく、顧客ロイヤリティ工場を目的としたNPSの導入において、中途半端な入れ方では機能しないから、という事だと理解しています。
NPSは講師が言うように、顧客ロイヤリティを測る仕組み、ではなく、顧客ロイヤリティを上げることで業績を上げる仕組み、であるからです。
測ることそのものに価値はなく、それを用いて業績向上につなげる、その仕組み作りこそが最も重要なテーマと言う事ですね。



※NPS、Net Promoter Scoreはベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの商標

マーケティング理論と経営戦略理論のポジショニングの違い

シナプス後藤です。

「ポジショニング」という言葉があります。
マーケティング戦略では当たり前のように出てくる言葉ですが、個人的に整理できていなかった部分もあるので自身の整理もかねて。

ポジショニング、と言えば、ポジショニング・マップが有名ですね。一般的には2軸で自社のポジションを明確にする、というものです。
マーケティング理論において、ポジショニングマップとは、

「顧客の頭の中の認識を描いたもの」

です。決して、事実としての自社商品、サービスの位置を明確にするものではありません。
マーケティングのある意味基本ですが、顧客はワガママであり、彼ら彼女らの心のままに商品を購入します。彼らが物を買うのは、「その商品が良いから」ではなく「その商品が良いと思ったから」なのです。
これが、マーケティングにおけるポジショニングの大前提ですね。


一方、経営戦略理論には「ポジショニング理論」というものがあります。元々はマーケティング理論のポジショニングの考え方から派生したもののようなのですが、この理論が決定的に優れたものとなったのは、やはりマイケル・ポーター教授の「競争の戦略」からでしょう。
これは、5Forces分析と、競争の戦略三類型(コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略)で有名ですね。

競争の戦略では、「儲かるビジネスの構造」があると述べています。儲かる事業領域では基本的に儲かるし、儲からない事業領域ではどうやっても儲からない。例えば、競合がいなければ、競争環境は緩く、基本的に儲かります。一方で、競合が価格競争を仕掛けてくるような状況であれば、競争に応じざるを得ず儲からなくなります。

マイケル・ポーター教授が提唱したのは、「ビジネスの構造を分析し、儲かるビジネスの構造を発見し、その位置を獲得しよう」ということです。この儲かる位置をポジショニング、と呼ぶわけです。

こちらは、顧客の認識に関係なく(勿論、関係することもありますが、一部に過ぎません)、儲かる位置は儲かるし、儲からない位置は儲からない、という事になります。


つまり、マーケティングにおけるポジショニングとは、「顧客の心の中に独自の位置を作る」ことであり、経営戦略におけるポジショニングとは、「ビジネスの構造の中で儲かる位置を作る」ことです。
言葉としては同じなので、「どちらの話をしているか?」を気を付けておくと間違いないと思います。

※但し、経営戦略における「ポジショニング」は経営理論を勉強されている方で無いと使わないので、「顧客の心の中に独自の位置を作る」と覚えておいても大きな間違いはないでしょうね。

関連エントリー:
ポジショニング
ポジショニングマップをどのように書くか?
5Forces分析 (5つの力分析) とは?

「ビジネスマンのための『行動観察』入門」を読んで思う事

シナプス後藤です。

近年、行動観察を主体とした調査手法がちょっとした流行になっているように感じます。生活者を見ることで、何か新しいニーズを発見できるのではないか、と言う事ですね。

日本では、大阪ガス行動観察研究所が結構名前としては出てくるようで、恐らく所長の松波春人さんがかなり先進的に取り組みをされているからなのではないかと思います。


先日、興味があって「ビジネスマンのための『行動観察』入門」読んでみました。
ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

内容としても意味がありそうですし、読み物としても面白いので本としてはお奨めです。
ただ、この本は「行動観察とは何か?」と言うのを紹介するものですので、実際に行動観察をやるためにはもっと専門書が必要になるようには思います。


行動観察が重要になってきているのには背景があります。これはイノベーションが重要になってきている、と言う事も同様です。行動観察を用いた調査手法と、従来型(と言ってよいかどうか分かりませんが)のアンケートや対面インタビューを主体とした方法との本質的な違いは、「ニーズを回答者が明示できるか」もしくあ「調査する側が十分な仮説を立てられるか」という事に起因します。ユーザの声が直接ニーズに繋がるようなありきたりなニーズはもやは差別化要素にはなりえない、と言う事です。
例えば、今、電気自動車に求められるのは長距離走れること、充電を気にせずに走れることです。そのために電池に関連する各社がしのぎを削っています。
或いは、パソコンはどうでしょう?多くのユーザが基本的にスペックには満足しており、より早いスペックは「あればよいけど、買うまでもない」と思っている方が多数なのではないでしょうか?
つまり、明示されたニーズは実現が難しく各社がしのぎを削っているか、そもそも強い欲求がないのです。

では、ニーズは無いのか?
あります。現代でも100%幸せで理想的な生活をしている人がほぼいないので、必ずニーズはあります。ただ、それに企業側が気付いていないだけなのです。
しかも、たちの悪いことにユーザ自身も何に困っているのか気付いていないことが多い。

新しいニーズを発見するのが難しいからこそ、新しい手法が必要になってきています。
そういった見えないニーズを発見する手法の一つが行動観察です。


本の中では、行動観察の事例を紹介しながら、どのように進めるのか、どんな内容が見えてくるのかを紹介しています。
ワーキングママの事例等は、なるほど、見ないと分からない非常に深い内容になっていますね。これの重要な点は「見ないと分からないが、(見る人が)見れば分かる」ことが上がってくる、と言う事でしょう。

シナプスでも営業プロセスの可視化や成功要因の明確化等はコンサルティング・プロジェクトとして取り組むことがあります。その中でもこういった同行による観察を入れていくことでより成果につながるのでは、と思います。

参考にしたい分野ですね。

競争優位と競争劣位

シナプス後藤です。

マーケティングや競走戦略を考える時、「競争優位性」という言葉がよく出てきます。これは、競合他社と比較して自社が競争上優位なポジションにあるか、あるいはそれを獲得できるかどうかどうかの尺度です。
例えば、
「このビジネスは自社に競争優位性があるか?」
等と使います。

競争優位性を考える、とは、自社が他社に勝てる理由は何か、を考えることです。多くの場合は、顧客に支持される要素が他社より優れているか、または、競合他社に比較して低コストが実現できているかどうか、のいずれか一方、或いは両方になります。

さて、競争優位性という言葉そのものは極めて簡単なのですが、「何が競争優位性を構築する鍵になるのか?」は極めて難しいテーマです。
勿論、構築するとなれば「あらゆる企業が努力している分野なので簡単に実現できるはずがない」ため当たり前のように難しいのですが、既に優位性を保持している自社や他社を分析するだけでも難しいケースが多いです。

難しさの原因は、顧客に支持される理由や競合他社より低コストが実現できる理由が一つではないし、競合他社も複数存在するので、「誰に勝っているのか?何が勝っているのか?」の組み合わせが多数想定されることにあります。


競争優位性の観点や分析方法は様々な本で紹介されていますが、余り明確に書かれていないのが、「競争劣位」という概念でしょう。
私が初めてこの言葉に触れたのは、J.B.バーニーの「企業戦略論(上)」でした。
企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続


競争優位性の分析は、「どうやって勝つか?」という勝つための要因を探す、考えることではありますが、勝っている要因は多数あります。ただ、分けて考えたいのは、「負けないための要因」と「勝つための要因」は異なる、と言う事です。
言いかえれば、
・業界の標準的な利益を得るための要素

・業界で1位になる、あるいは標準以上の利益を上げるための要素
は異なる、と言う事です。

業界の標準的な利益を得るための要素を持っていなければ、そもそも勝てるはずがない、これが競争劣位の状態です。


例えば、最近、色々と動きの早いソフトバンクを中心とした携帯キャリアのエントリーを書いていますが、携帯キャリアにとって、「周波数帯」と言うのは極めて重要なリソースです。これがなければ、業界標準的な利益を得ることがそもそも難しい。
もっと言えば、携帯キャリアにとって、周波数帯を持っていなければ、参入することすらできないわけです。
一方で、このリソースは「持っていればよい」というものでもない。勝つためには契約者数の獲得や、魅力的な端末の提供等が必要になってきます。
参考:
「M&Aで何を買う?・・・ソフトバンクのイー・アクセス買収から競争優位性を考える」
「携帯キャリアのKSFが変化したこと」

競争優位性を考える際には、「競争劣位」と「競争優位」を分けて考えることでよりシャープな分析が出来るのではないでしょうか。
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