こんにちは。
シナプスマーケティング・カレッジの名和田です。

今回は、特別編と致しまして、先般開催された
「ランチェスター戦略」の学会の様子についてレポートいたします。

「ランチェスター戦略学会」が発足し、
11/24、明治大学(東京・御茶ノ水)にて
第1回目の研究大会が開催されました。

学会というもの自体への参加が初めての経験でしたが、
独特の雰囲気に何か格式を感じました。
やはり、通常の講演会やセミナーとはどこかが違います。

「ランチェスター戦略」と日本の実業界で呼ばれているものは、
コンサルタントの故田岡信夫氏(以降、田岡という)が構築した
販売競争の理論と実務体系です。

したがって、現在の日本におけるランチェスター戦略は
=「田岡式販売戦略論」であり、いわゆる学会でテーマとしていくことは、
それを含めたランチェスター法則そのもの研究です。

その中で、私が得た論点は2つ。
戦略論を戦争時の兵法としての捉えたものと、
ビジネスに置き換えた時の戦略論の視点の違い。

そして、今後ビジネスに応用していくにあたり、
自分なりの戦略アプローチプロセスを体系化してく
必要性が有ること。

この2つを明確にすることで、今まで以上に説明が
しやすく、実践での活用がより容易になるような気がした。

我々が、現在取組んでいるランチェスター戦略や競争戦略は、
あくまでも原点(典)であり、骨格となるものである。
しかしながら、ビジネスの世界でこれを応用することは、
日々変化に対応する、新たな理論付けが必要となる。

・・・といった感想を持ちました。

☆「田岡式販売戦略論」=「ランチェスー戦略」(一部おさらい)−−−−−−

その原点は1916年、イギリス人のエンジニアF・W・ランチェスターが
発見した軍事戦略理論「ランチェスターの法則」です。

これは1942年にアメリカ人の数学者B・O・クープマン
(コロンビア大学教授)ら、米軍オペレーションズ・リサーチ・チーム
(ORチーム、作戦研究班)が開発した「クープマンモデル」に影響を与えました。

これらの軍事理論は戦後、産業界に普及し、ORは今日の経営戦略の
一つの源流となっています。

日本人のコンサルタント田岡氏と統計学者・斧田太公望氏は、1962年
クープマンモデルを解析し、73.9%、41.7%、26.1%の
市場シェアのシンボル目標値を導き出しました。

これは、これまでクープマン目標値と呼ばれることが多く
クープマンが開発したと誤解する人もいますが、あくまでも
「田岡・斧田」の両氏が導き出した「シェア理論」です。
(一般にはクープマンとして浸透していますね)

そして、これら「ランチェスター法則」「クープマンモデル」
「田岡・斧田シェア理論」をもとに販売競争戦略として
田岡氏が体系化づけたもの(1971年発表)が、今日の
「ランチェスター戦略」(田岡式販売戦略)と呼ばれているものです。



*一部、ランチェスター戦略『一点突破の法則』より