シナプス後藤です。

私は、恥ずかしながら、社会人のマナーを体系的に指導された経験がありません。もしかすると、新卒のときに新入社員研修で名刺の渡し方くらいはやったかもしれませんが、ほとんど記憶にないので、学生気分が抜けず寝ていたのかもしれません。(笑)

30歳くらいになり、駆け出しとは呼べなくなってそこそこ頼られるSEになっていたころ、尊敬していた当時の上司とあるお客様を訪問したときのことです。受付から会議室に通されると、受付の方がコーヒーを出してくれます。お客様が来るまでの間にコーヒーでも飲んでゆっくり待とう、と思ってコーヒーに手を伸ばしたとき、上司から、「飲み物は、お客様に『どうぞ』と言われてから口をつけるのがマナーだ」と指摘されました。その指摘は自分自身がそういうマナーを知らないのだ、という事を知ることになり未だに感謝しています。

会社にもよると思いますが、お客様と飲みにいく場合、
・営業とお客様なら営業持ち
・SEとお客様ならお客様持ち
であったことが多いように思います。(もちろん、仲良しになると割り勘ですが)
こういう関係性ですから、SEがマナーを問われることはそれほどなく、結果として学ぶ機会がほとんどありませんでした。

今は、仕事柄、企業の役員などとの会食も出てきますから、問われなくとも最低限の礼儀が必要になります。残念ながら、知らなければ気付かずにミスしたり地雷を踏んだりするわけですね。さすがにいきなり怒鳴り散らして退席するような方はいらっしゃらないですが、「品が無い」と思われてしまうと今後の関係性に影響します。また、せっかくの会食なのに相手が不快になってしまい、元々の目的が達せられなくなってしまいます。


最近、facebookで「出されたお茶を飲むのは失礼です」というネタが出回っていますが、失礼かどうかを論じるのは人の捉え方次第ですので極めてナンセンスな事だと思っています。
「出されたお茶を飲むのは失礼です」は本当か? ビジネスマナーに詳しい人に教えてもらおう:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1506/02/news125.html

一方で、「これで失礼だと思う人が一定割合いる」ということは知っておいた方がよいでしょう。結局、マナーとは相手ありきの話で、相手に失礼の内容にする、ということが基本です。ということは、「これを失礼だと思う人がいる」と知らないと、結局その相手に失礼なことをしてしまう可能性があるからです。


「そういうことを失礼と思う奴はこっちから願い下げだ」というワイルドな方は、気にしなくて良いと思いますが、多くのコミュニケーションが重要だと考えている方は「そういう可能性がある」ということを知っている事はメリットがあると思います。