シナプス後藤です。


昨日に引き続き、ファシリテーション診断アンケートの定性コメント、及び、属性です。

「その1」はこちら。http://www.mblog.jp/archives/1890041.html

■ファシリテーション診断アンケートサイト
※まだまだ募集していますので、まだ未入力でご興味のある方は宜しくお願いします。
https://jp.surveymonkey.com/r/Y62THPS_SynapseFacilitation

■あなたの組織のファシリテーション診断も無料で行いますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
http://cyber-synapse.com/training/inquiry/

さて、定性コメントでも興味深いものがいくつもありましたので、その中からいくつか抜粋します。

多い意見は、下記のようなものですね。
声の大きな人間が全てをコントロールしてしまうので、全員が納得感がないまま終わる。

召集メンバーが事前に考えられていない(参加の必要・重要度のない会議に召集されることがある)

上の意見で既に決まっており、意見が通ることはないのが解っていたり、上位職にファシリテーションスキルが皆無であるがゆえに、全員参加が全く出来ていない。

会議とは言わず、伝達会。

『ちょっといい?』と突然始まる打ち合わせが多く、しかも1〜2時間はかかるので段取りが狂う。出来れば前もって予定したい。

意見、発言者が偏る為、複数の目線、立場での意見が出づらい。参加者の中に主体性なく惰性で参加している人がいる。


こちらは当社のファシリテーション研修を受講された方からのコメントかとおもいます。こういう意見を頂けるのは嬉しいですね。
議題の提示・会議中の進行状況(内容)が途中参加でも、通り過ぎた人でも分かるようなホワイトボード活用がされるとやはりいいと、受講してから、このアンケートまでだいぶ時間が過ぎましたが、再認識しています。


少し組織論に寄った意見も出ております。
日本企業の中堅から大手では、事前ネゴで、結果は決まっている。
米国企業は、フリーディスカッション、しかし、日本企業のように稟議などないに等ほど責任者は一人に決まっているので、意見は聞くだけ。自分の考えと異なるに人のチェックにすぎないことも多々あり。

オーナー企業は色々と難しいと感じます。取締役会での決定もトップの一言で覆されることすらあります。


少し高度な意見ではこんなものもありました。ファシリテーションやロジカルシンキング等の能力を持っている知っているとしても十分につかいこなせていない、と言う事だと思います。
アジェンダがある、ファシリテータがいる、結論が出るなど体裁上、ファシリテーションができているが、議論が偏る(声の大きい人にひっぱられる)、聞き役にまわる(空気を読んでいると思っている)など、評価者に迎合するなど会議の品質に問題がある。

ファシリテーターが、自分の答えをあらかじめ用意していて、そこに収束させるべく会議を進めた挙句、その場の最後に明らかにし、既に結論としてしまう失礼な会議。それが良い会議だと思い込んでいる勘違いしたMBAホルダーが迷惑。


中にはこんな先進的な意見もありました。今、ITツールがかなり進化していますので、積極的に取り込んで行くのも良いことですよね。
Skype・Chatwork等の通信サービスを活用した会議


最後に、多くの方が悩む課題です。
リーダー=ファシリテーターだと、結局はリーダーの意見でまとめた印象になりはしないかと、ファシリテーションがしづらく遠慮してしまう事があり、自分の身の振り方に悩んでいる。ファシリテーターとは、その役割を会議参加者全員が自覚すべきものなのか、それとも、会議ごとに役割として割り振ったりすべきものなのか迷う。


こちらには私になりの回答を記載しておきますと、リーダーとメンバーのレベル差によって二通りの回答があると思います。リーダーとメンバーで明らかにレベル差があるなら、リーダーの意見で纏めた印象にならざるを得ないでしょうね。育成目的でやるなら、自分が納得できないレベルでも致し方なしと諦めざるを得ない。一方で、レベル差がそれほどないなら、リーダーは相手から教えて貰う、というスタンスがあれば良いと思います。
私の知る限り、「褒めるのが上手い人」はどちらの状況でも上手くこなしているように感じます。リーダーがファシリテーターを兼ねる場合はメンバーを如何に乗せるかがポイントになるのではないでしょうか。


今回の結果は、全体的に「意見は偏るが合意形成がなされている」という総論になったようです。ある意味では会議で「決める」と言う事は出来ていますが、一方で、それは会議でなくても良いのではないか、という意見も透けて見えてきます。言い換えれば、全員が本音で議論したら合意形成が出来なくなってしまう、というリスクがあると言う事でしょう。
日本経済全体が右肩上がりになることを担保されていない時代です。多くの企業がより「創造的な解」を作らなければいけない時代とも言えるでしょう。そのために、創造的な会議が必要になってきており、それは「多くの人が自分の意見を主張できる」場を作ることと、「会議の目的・ゴールを明確に示す事」が第一歩なのかもしれません。

皆さんはこのデータからどのように考えますか?


なお、サンプル数が100程度で偏りもありますので、統計的には十分でないことは申し添えておきます。

回答者属性:
21_age

22_job

※その他は主に専門職です。
23_position


アンケート期間と回収方法:
・2014/12 - 2015/01 (n=100)
・シナプスが設置したアンケートサイトにて募集。主に、シナプスのblog、facebookをご覧になった方やお客様、友人、関係者、等。(シナプスのスタッフを含む)