シナプス後藤です。

マネジャーは戦略を考える時間をどの程度取るべきか?

多くのマネジメント(経営トップから課長まで)の仕事は、リーダーとしてビジョンを示し、戦略を描く企画的な役割と、その上でマネジャーとして決めた計画を推し進める管理的な役割と主に二つの側面を持っています。
しかし、仕事の比重で考えると企画的な役割より、管理的な役割の方が圧倒的に多いことに気付きます。
あれはやったのか、これはやったのか、と気付いてしまう事や、部下や隣の部署、或いは顧客やパートナーから様々な問合せがあり、打合せがあり、結果的に「如何にして今日の売上を上げるか」が主眼になってしまい、戦略を考える時間が取れなくなってしまいます。

先日、GEにいる友人に「戦略を考える時間はどうすべきか?」という質問を投げてみました。
GEはリーダーを作る企業として有名で、クロトンビルにある経営研修所で経営幹部向けのリーダーシップ研修を行っています。彼は言います。
「やはり我々は自分の時間をしっかり確保すべきだ、とリコメンドされているよ。Jeff(ジェフ・イメルト、現CEO)は土曜の朝に取っているみたいだね。」
私がお会いする「優れたリーダー」と思える方は必ず自分なりに戦略を考える時間を確保する方法を持っています。多くの場合、

[1] 通常の業務時間の1割程度
[2] 年に1-2日程度のまとまった時間

の二つを作り出しているように感じます。

[1]は二つのパターンがあるようで、一つはジョギングや自転車でのトレーニング中に考えを整理するパターンで、1日1時間程度の考える時間を持つ方法です。この場合は、戦略を考える時間、と言うよりも日々起こる事象のうち、ちゃんと考えないと結論が出しにくいものを考えている時間になるようです。
もう一つのパターンは、定期的に2-3時間程度、「戦略を考える時間」をスケジュールとして確保するもの。これは物理的にオフィスとは違う場所に行ってしまうのが良いようです。環境を変え戦略を考えるモードになる、と言う点と、周囲から捕まらなくなる、というメリットがあります。

[2]は経営合宿のような形ではあるのですが、私の友人でも何人か「一人合宿」をしている人が見られます。少しランクの高いホテルに一人で泊まり、昼から翌昼くらいまで延々と考える。当然、思考が止まることもあるので、多少の気分転換や疲れたら寝る、等のこともやるようですが、これも「違う次元のアイディアを出すための環境作り」という要素が大きいように感じます。
ここでのアウトプットは、それこそビジョンや中長期戦略です。この事業をどのようにしたい、そのためにどうやって戦うのか。本格的な「戦略を考える時間」ですね。

いずれにしてもどうやら平均的に業務時間の1割程度、と言うのが戦略を考える時間として妥当な時間のようです。毎日取るなら1時間ずつ、纏めて取るなら、半日程度、でしょうか。言い換えれば、それくらいの時間を使わないと戦略なんか考えられない、と言う事なのかもしれません。


実は、私も同じような課題意識を持ち、「戦略を考える時間(*)、緊急ではないが重要な事に取り組む時間」をスケジュールに確保するようにしてみました。先々週から始めたのですが、週に2-3時間程度をスケジューラに入れてみました。
第一週目に何が起こったか?
・前にやっていた仕事が終わらず
・同僚から質問をされ
・顧客から電話がかかってきて
気付いたら確保した時間は残り30分。
余りにも自分の時間コントロールのまずさに失望しましたが、結局、優先度を全て緊急度順に並べてしまっていることが原因なのでしょう。

我々がもし未来を良くしたいと思うのであれば、
・戦略を考える時間を通常業務の1割程度を確保しスケジュールに入れる
・確保した時間は必ず「戦略を考える」ことに使う
の二つを行う事が必要です。

ある経営トップがこんなことを言っていました。
「考える時間を確保するのは当たり前。それが出来なければ、会社は経営出来ない。」

優秀な方であればある程、目の前には常に重要で緊急な問題が並びます。未来をそれ以上重要と思えるか、自分の時間を投資できるか、が良いリーダーの条件なのかもしれません。

(*):職業柄、お客様の戦略を考える時間はプレイヤーとしての時間として簡単に確保できます。これはあくまで、自社の戦略、と言う意味です。