シナプス後藤です。

TEDの有名な動画の一つに、サイモン・シネック氏の「優れたリーダーはどうやって行動を促すか?」があります。
http://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action

この動画の主旨は、「相手を動かしたいと思ったらWhy?から説明すべきだ」というものです。多くの人がWhat(モノや事象)、How(やり方)から説明しますが、Why、つまり目的から説明しなければ人は動かない、という話です。

この話はかなりもっともな話で、「これやっといて〜」と目的も言わずに渡されると、いつまでにやれば良いのか、どの程度重要なのか、どのレベルで仕上げればよいのか、等分からないことが多く、やる気も起きなければ品質も上がらないでしょう。


ところが最近、「Whyはダイジ」という話をしている最中で急に違和感を持ってしまいました。目的だけ説明しても人は動かないのではなかろうか、と。

Why?は理由を問うものですが、大きく言うと三つのWhyがあるのでは無いかと思います。だから、Whyから始める時には3つのWhyを言った方が良いのではないでしょうか。

1つ目のWhy:目的
 これはまさに、サイモン・シネック氏が説明している、Why?です。自分がやることに大きな意味があればこれほど嬉しいことはない。同じ時給で働くとしても、「レンガを積み上げる」のと「壁を作る」のと「教会を作る」のと「世界を平和にする」のではモチベーションが大きく変わるでしょう。より、高次の目的を明示する方がやる気になります。

2つ目のWhy:「あなた」がやる意義
 ほとんどの人にとって一番好きなのは自分です。他人に承認されることが喜びの一つになります。だから、「あなただからこそ、これをやって欲しい」という理由があるかないかでモチベーションが変わると思うのです。
何か依頼をされた時に、人の役に立ちたいと思う人は多いでしょうが、「誰でもいいからやってよ」と言われるのと「あなたにしか出来ない事なんだ」と言われるのでは、後者の方が断然嬉しいのではないでしょうか。

3つ目のWhy:このやり方がベストな理由
 どうせやるなら最良の方法でやりたいです。目的、目標に対して、示している方法が最良なんだ、少なくともベターなやり方なのだ、という説明をされた方がやる気になります。例えば、問題を解決する場合に「原因がこれだからこの解決策なのだ」と説明されると納得感が出ます。一方で、成功するかどうか分からない方法をやるのは不毛に感じてしまいますよね。


「Why」を説明すると納得感は上がりますが、Whyというのは様々な性質があります。状況によっては1つだけで良い場合もありますが、相手の状況に合わせてどのWhyが必要なのか、を考えてみても良いのではないでしょうか。