シナプス後藤です。

様々な方が様々な切り口からOJTのポイントについては語っていると思いますが、私なりにOJTのポイントについて考えてみます。

人材育成は大きく育成する側の意識の面とテクニックの面があります。多くの場合、育成する意識が弱いので、OJTのポイントというと、「育成する意識を持ちましょう」という事が多いように感じます。
勿論それは重要で、私も一番最後には「結局、部下の事を真剣に考えられるかどうか」になると思うのですが、最初からそれを言っては身も蓋も有りません。(笑)

そういう意識面は自分でやって結局気付くことだと思いますので、ここでは主にテクニックや育成の方法論について考えたいと思います。


まず、これもかなり多くの方が言う事ですが、山本五十六が言う、
「やって見せ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
というのが最も重要なステップではないかと思います。

○やって見せる
 つまり、具体的にどういう作業かをイメージさせる、と言う事です。営業であれば、同行させてどういう作業を踏むのかを具体的にイメージさせる。

○言って聞かせる
 これは、どういうことをやるべきなのか、ポイントは何か、という点を説明します。

○させてみせる
 実際に自分でやらせる。やらせてみて出来ている点、上手く出来ていない点を自分自身に理解させる

○褒めてやる
 その作業について、褒めてやることで動機付けを行うのと同時に、「何が正しいのか?」を褒めてやることで具体的に理解させる


OJTを行う人はきっと、そんなことは分かっています。最も重要なステップはかなりの方が理解しているのではないかと思うのです。
私がポイントだと思うのは、
・何を指導するのか?
という具体的な点です。

やって見せる、とは何をやって見せるべきなのか?
言って聞かせる、のは何を言って聞かせるのか?どのポイントにフォーカスすべきなのか?
させてみせる、とは何をさせ、具体的に何に気付かせるのか?
褒めてやる、とは何を褒めるのか?どう褒めるのか?


OJTは、トレーナーが業務を正しく理解し、説明していることを前提にしています。しかし、現在、マニュアル化されたような仕事は減ってきており、個々人が自由度の高い仕事、クリエイティブな仕事に取り組んでいます。それを教える、と言っても「同じような違う仕事」がいっぱいあり、標準的な説明が難しくなってきていると思うのです。

だから、標準的に「これを教える」と言う事が難しくなっており、どれだけ重要な点を凝縮して教えられるか、と言う事になってきます。色々な仕事があるとしても、「結局、この仕事の勘所は***である」と言う事です。
つまり、「自分の仕事の重要な点」を理解しているかどうか、がOJTにおいての重要なポイントになるのではないでしょうか。

守破離、という言葉がありますが、基本を覚えるフェーズに置いては、如何に「守」を理解するかが重要です。
言いかえれば、「何を守るべきなのか?」がOJTで一番教えるポイントのように思います。

OJT研修のご紹介