シナプス後藤です。

Yahoo!Japanの新社長が中長期的な目標として「営業利益2倍」を掲げたそうです。
日本経済新聞「ヤフー新社長「営業利益2倍」を公約」
Yahoo!Japan


Yahoo!Japanは、最近、大幅な経営陣の刷新を行いました。まさに、「刷新」と呼ぶにふさわしい大々的な経営陣の交代です。
CEOが10年以上の長期政権だった井上雅博氏から、宮坂学氏に交代したと思ったら、矢継ぎ早にサービス刷新や様々な企業との提携を始めましたね。つい先日、CCC、Tポイントカードとの提携を発表したのもその一環だと思います。

そのYahoo!Japanが営業利益2倍を公約に掲げました。

中計やビジョンに営業利益目標を掲げる企業は多く見かけます。多くの場合、その意図は、売上よりも利益に拘ります。あるいは、利益率を改善します、という意味合いですね。要するに、価格競争に入るのではなくより高付加価値型に移行します、と言う事です。
営業利益を増加させる方法は大きく二つあります。
すなわち、

・売上を上げる

・コストを下げる


の二つです。多くの企業は、利益額アップ、というとコスト削減施策、あるいは利益率の高い商材の拡販を中心に展開します。特にコスト削減施策は実施すればほぼ確実にコストが下がり利益率が改善するので、比較的取り組みやすい施策なのではないでしょうか。

しかし、Yahoo!Japanは売上を上げる、という選択肢に走るはずです。なぜなら、Yahoo!Japanの利益率が50%を超えているからです。
つまり、営業利益率をどれだけ改善しても、営業利益2倍を達成できないのです。
Yahoo!Japan 財務関連情報

一般にネット系企業の特徴として、No.1企業は利益率が高いです。設備投資がほぼシステム投資になりますので、規模の経済性がものすごく効きやすい業界です。また、No.1企業が圧倒的なシェアを取るケースが多いので、結果的に総取りになるのですね。
ですので、Yahoo!Japanもかなり高利益体質なのですが、その高利益体質の中で営業利益2倍を目指さなければならないのです。

勿論、元々高利益体質だから売上を拡大していけばよいだろう、と言う議論はあります。ありますが、この利益を作るためには基本的に同じようなビジネスモデルで展開しないといけないのですよね。日本ではGoogleとYahoo!ではまだYahoo!の方が良いと言われますが、ワールドワイドではもう圧倒的にGoogleです。そんな中でYahoo!Japanがどのようにして利益を倍にするのか。
単なる提携だけでは決して達成できないハードルでしょう。

Yahoo!Japanの次の一手が楽しみですね。