シナプス後藤です。

メガバンクや投資銀行、証券会社等の金融企業や総合商社は、企業として業界再編に力を貸したり、そこで働く人たちも極めてクレバーな事が多いですね。
大きな仕事をやるようなプレイヤーだから、優れた人たちがいるのだろう、くらいに考えていたのですが、もう少し本質的な議論があることを知りました。
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先日、面白いエントリーを読みました。
MarketHack 「野村よ、立て!」

こちらのブログの著者である広瀬さんは結構面白い切り口で書かれているのでたまに読むのですが、今回とても納得したのが下記の部分です。

金融業では、突き詰めていけばcost of funds(資金調達コスト)が最も低い者が競争力を持ちます。それは乱暴に言えばバランスシートの大きさを競うことに他なりません。
その意味で、金融サービス業はコモディティ的であると言えます。

ただ、そうではない戦い方というのがある。

それは知的付加価値(intellectual vaule-adds)で勝負するという方法です。


上記で考えると、金融業と言うのは、「安く資金を調達し、高く貸す」というビジネスです。お金は誰がどこから調達してもお金であり、(海外から調達すれば為替の問題は出るにしても)1円は1円、1億円は1億円です。
つまり、本質的にコモディティ商材、誰が介在しても同じ商品を扱っている業態なのです。

同じことが商社にも言えます。商いの本質は「安く仕入れて高く売る」ことです。調達の難しさ等様々あるとは思いますが、本質的には流すモノは誰が扱っても同じ、本質的にコモディティビジネスなのです。

コモディティ品を扱う金融や商社が平均以上の利益を出そうと思うと何らかの付加価値を自分たちで付ける必要があります。それが上記で言う「知的付加価値」だったり、新たな産業を創出するようなバリューチェーンの構築だったりするわけです。


逆説的になりますが、金融や商社と言うのは、本質的にコモディティなビジネスだからこそ優れている、優れていなければ淘汰される。そういう事なのかもしれません。


参考:野村よ、立て!  - Market Hack