大飯原発の再稼働に関して終始反対をしていた橋下大阪市長が、意見を変え容認しました。
意見そのものには各方面是非があるようですが、彼のロジックが非常に分かりやすいのでご紹介します。
※このエントリーは橋本市長の意見の是非や、原発の是非を述べるものではなく、「ロジックとしてわかりやすいかどうか」という観点で考えていますので、予めご了承ください。
彼の発言はtwitterで見られますので、そちらをご覧頂けると早いと思いますが、私が「わかりやすい」と感じたのは下記の流れです。
-@t_ishinツイッターはありがたい。報道されている事実に真実を付け加えられる。6月18日朝日新聞(大阪)3面。「財界談判、首長折れる」について。この日の会合は限られたメンバーなので誰かがしゃべられないと事実は公にはならない。僕は誰にも言っていなかったが誰かが朝日の取材に応じた。だから僕も語る
2012/06/18 09:57:55
-@t_ishin会合のメンバーは、関経連会長森氏、大阪商工会議所会頭佐藤氏、関西経済同友会代表幹事の大林氏、鳥居氏(当時は代表幹事就任予定)と、松井知事、僕。それぞれの事務局と一社大手製造業の社長。会合の趣旨は、その前に行われた松井知事、僕と経済界のオープン意見交換の続き。
2012/06/18 10:01:22
-@t_ishinオープン意見交換で様々な実務的課題が浮かび上がり、また経済界と意見交換をしていなかったので、後日意見交換やりましょうとなりました。当日お店へ着いたら、会場とは異なる別室で、森会長が電力について説明をさせて欲しいと言ってきました。当日急遽です。そのような予定は本来ありませんでした。
2012/06/18 10:04:05
-@t_ishin断る理由もないので、森会長から電力需給のひっ迫性について説明を受けました。その時は、政府の電力需給検証委員会の結果が既に出ており15%の不足が確定。これを補う具体案を出せるか色々考えていたところでした。丁度府市エネルギー戦略会議が関電と激論し、5%までギャップが縮まったとの報道。
2012/06/18 10:06:26
-@t_ishin政府の需給検証委員会は15%のギャップ。にもかかわらず府市のエネルギー戦略会議では5%との報道。この辺りについて森会長に疑問をぶつけながら1時間ほど電力需給のひっ迫性について議論しました。そして隣の部屋に移って会食。お酒も飲みましたが、初めから終わりまでほぼ電力問題についての議論
2012/06/18 10:09:56
-@t_ishin政府の需給検証委員会は15%のギャップ。にもかかわらず府市のエネルギー戦略会議では5%との報道。この辺りについて森会長に疑問をぶつけながら1時間ほど電力需給のひっ迫性について議論しました。そして隣の部屋に移って会食。お酒も飲みましたが、初めから終わりまでほぼ電力問題についての議論
2012/06/18 10:09:56
-@t_ishin政治の世界は正解がない道を歩むようなもの。既に決まっている正解を歩むのが行政。しかし時々正解が分からないものが出てくる。このときに道を選択するのが政治。何が真実かは分からない。だからこそ、手続きを厳守することが統治の王道である。手続きを厳守することで真実に近づくと信じるしかない。
2012/06/18 10:13:59
-@t_ishinこのような話しを会食中、延々としました。そして本当に電力が足りないのであれば、暫定的な安全判断であればその場しのぎで限定稼働と言うやり方もあるのではないかと提案しました。森会長は即座に否定。僕は安全が不十分ならそれを真正面から国民に伝えるべき。
2012/06/18 10:16:14
-@t_ishin安全は完璧ではないけど停電リスクがあるから動かしますと正直に言うべき。安全は完璧ではないけど動かすとなればメディア始め非難ごうごうだろうけど、それに対して真正面から停電リスクの怖さを説明すべき。政治家が怖いと言って頭を下げれば国民は理解してくれるはずと訴えました。
2012/06/18 10:18:35
-@t_ishin最悪なのは国民を騙すこと。安全でないものを安全だと言い張ること。このような訴えをしたら、大商の佐藤さんや同友会の大林さん、鳥居さん、製造業の社長さんは皆そうだと同意して下さった。それを政府に言いに行こうと。
2012/06/18 10:20:43
ポイントは、彼の主張が「事実を正確に言おう」というスタンスであることですね。
勿論、安全の基準は人によって違いますし、実際に安全かどうかもわかりません。が、安全でないものを「安全です」と言って騙して稼働するよりは、「危険だけど、電力不足のリスクの方が大きいから稼働する」と言う方が正しいと思うのです。
それで、市民が「いやいや、原発のリスクの方が大きいでしょう」と言えば、彼は市長を降りることになるのだし、市民が支持すればそれはそれで良い訳です。
今回の議論は多分、こういうロジックでしょう。
「原発が事故を起こす確率×事故が起こった時のダメージ」 vs 「電力不足になる確率×不足(停電)のダメージ」
橋下さんの主張はつまり、「事故を起こす確率を隠ぺいするのではなく、確率がどの程度ある、と言った上でどちらの方がよりダメージが大きいのか?と言う事を明らかにすべきだ」、と言う事です。
彼がブレないのは、容認する時の意見表明で「反対しきれなかったのだから容認しますよ」としっかりと意見を変えたことを表明したことにもあると思います。
多くの方が「俺は反対したんだけどね。」と逃げるところを逃げずに意見を明確にしている。
言っている事が正しいかどうかは市民、国民が判断すべきことであって、その判断するための根拠を提示する。あるいは、明確な根拠を示して意思決定をする。
学ぶところは多いですね。