シナプス後藤です。

スカイマークのサービスコンセプトが話題になっています。今の状況は、機内で配布していたサービスコンセプトについて、「苦情は公共機関に」というフレーズがフォーカスされ、消費者庁から回収を求められているようです。スカイマークでは、サービスコンセプトの作り直しをしているようですが、西久保社長の発言などから想像すると、「基本的な考え方は変えないがコミュニケーション方法は変える」というスタンスのように思います。

日本経済新聞:「苦情は公共機関に」 スカイマーク社長に聞く真意

世の中の商品やサービスの多くは基本的に、
・良いモノは値段が高い
・値段が安いモノは悪い
という構造になっています。
これは顧客が商品やサービス等の機能やサービス品質に対して価値を認める、と言う事でもありますし、その価値を出すために提供者がコストをかける、と言う事でもあります。

一方で、「これくらいは当たり前だよね」という期待値もあります。
例えば、もう2-30年前の話になると思いますが、ファミリーレストランに「ドリンクバー」が出来た時、受けれられる人と受け入れられない人がいたようです。ドリンクバーは安くていろいろ試せるから良いよね、という人がいる一方で、「レストランなら当然席までドリンクを持ってくるべきだろう」と考える人もいました。

つまり、許容できる品質レベルやサービスレベルと言うものがあるわけです。


日本の航空会社のサービスは世界的に見てレベルが高い、と言います。だから、そのレベルを「当たり前」と思っている多くの消費者がスカイマークの対応を見ると、「如何なものか」と反応してしまったのではないでしょうか?


マーケティング原理、経済原理からすれば、安いモノは悪くて当たり前、安全だし確実に到着できるから良いのではないか、と思いますが、そう思わない方が多いのも事実。

個人的には今回のスカイマークの対応は、戦略方針として間違っていないものの、コミュニケーションの方法を誤ったのでは、と思っています。
特に低価格を標榜する多くの企業が、「なぜ低価格なのか?」を訴求します。これは、安かろう、悪かろう、と思われるのを防ぐ、と言う事もでありますし、顧客啓蒙にも繋がるからです。
低価格で提供する飲食ではセルフサービス型は多く見かけますが、これも「安いからしょうがないよね」と店側が顧客を啓蒙した結果として当たり前に受け入れているにすぎません。

店側は(サービススタッフにも依りますが)、お皿を下げると洗い場の人が「ありがとうございます」と言ってきたりします。決して、「安く食べてるんだから、お皿を下げて当たり前だろう」と言っているわけではありません。微妙な差ではありますが、こういうスタンスを顧客や「世論」が見ているのではないでしょうか?


低価格戦略の場合のコミュニケーション戦略としては、
・なぜ低価格なのか、を訴求する
・顧客に一部の不便を「お願い」する
の二つが重要なのではないでしょうか。