シナプス後藤です。

NO MUSIC, NO LIFE.というタワーレコードのコピーは、音楽好きな私にとっては、とても好きな言葉の一つです。
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タワーレコードのこの素晴らしいコピーは、博報堂時代の木村 透さん、箭内道彦さんのお二人が考えておられたようですね。
http://ascii.asciimw.jp/books/PDF/978-4-7561-4866-7.pdf

シナプスのオフィスはいつもラジオが流れています。個人的には無音状態は好きではないので、ラジオが流れているのは気にならないというよりもむしろ自然なのですが、たまにラジオから流れる曲に惹かれてCDを買ってしまう事があります。
今更、と言われるかもしれませんが、個人的にはまだ音楽の消費はCDがメインです。iPod等のデジタル音楽プレイヤーを利用しないのは、メモリを信じていない、という事もありますが、なんとなくアルバムで買うと新しい音楽との出会いがあるから、と思っているようです。
※「ようです」と書いているのはまだ自分の購買心理を分析しきれていないからなのですが、、、

先日、タワーレコードに行きました。タワーレコードの入り口はちょうど発売だから、という事なのかもしれませんが、初音ミク(*1)のアルバムがプロモーションされていました。初音ミクが全面に出ているのもデジタルが当たり前の時代になった、と感じさせますね。
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さて、最近、CDを買おうと思っても実はあまり売っていない事に気付きます。CD屋が無いのです。勿論、全くないわけではないのですが、昔に比べると減ってきた感はあります。
実際、CDの生産量も2000年をピークに落ち込んでいるようですね。
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iPodが2001年頃の発売ですから、徐々にインターネットからのダウンロードにシフトしていったし、プレイヤーもCDプレイヤーからMP3プレイヤーやiPodに変わっていたように思います。

今や、CD販売店が減っていき、気付いた時にはTSUTAYAとBook-Offだけが残っている、という状態になってしまうのかもしれません。この流れはかつて、レコード屋が無くなりCD屋が増えた、という現象と本質的には同じです。ただ、昔は「レコード屋」と呼ばれていたお店が「CD屋」になっただけだったのが、今やチャネルそのものが異なる、という事です。
あとは、過去の知的財産を流通するレンタル業界と中古業界だけが残り、それも時間の問題でいずれなくなるでしょう。CDが売れなくなれば、当然、コンテンツ保持者であるレーベルはネットで販売し始めるのは容易に想像できるからです。


タワーレコードのミッションは、「The Best Place to Find Music=音楽と出会う最良の場所」なのだそうです。つまり、タワーレコードとは、CD屋ではなく、音楽を我々消費者に届ける場所、あるいは、新しい音楽を我々に紹介してくれる、という事なのでしょう。それは、このblogの代官山「蔦屋書店」で書いたように、CCCが文化を世の中に提供するがごとく、なのかもしれません。
どういう形態を取るにしても、次の一歩を踏み出さなければいけない時期に来ているのは確かです。

NO TOWER RECORD, NO MUSIC. そう言われるような新しい何かを見てみたい気がします。


*1:初音ミク・・・音声合成ソフトで歌わせることが出来るバーチャルアイドル。ニコニコ動画に投稿された事で有名になり、最近では、GoogleのCMにも使われている。

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