シナプス後藤です。

先日、新宿で飲みました。金曜日に店を決めずに集合だったので、どこか入れるか若干不安では在りましたが、まぁ新宿くらいになれば選択肢はあるだろうと。

まずは三丁目方面へ歩いていくと案の定たくさんの呼び込みがいました。呼び込みといっても別に多くの場合「ボッタクリ」にあうわけではないので、選択肢が他に無ければ乗っかるのも良いだろうと思います。
という事で考えるのもめんどくさかったので、1人の誘いを受ける事にしました。ちょうど、7-8分で席が空く、というのとこれまた良くある通り、飲み放題含めて値引きがあるという事でその店に行く事にしました。
お店は、呼び込みの人がいる場所から歩いて数分の場所にありました。
要するに、「立地条件が悪いので、呼び込まないと客が埋まらない」という事なのだと思います。そして、歩いている途中で店の場所を教えられたのですが、面白い事に「預かり金1000円を頂いています」と言われました。彼からすると、ここまで案内して他の店に入られるのが困る、という事なのでしょう。
聞いてみると、別にそれが彼の取り分になる、という事ではなく、店のシステムとしてそうなっているだけのようです。

お店に入ると、しばらく待たされた上に、狭い席に連れて行かれ、最後は「90分で出てください」と言われました。うーん、確かに話をするときに時間の話はしていないな、、、
さすがに90分では話も出来ないので、「じゃあ出ます」と断りました。ただ、お店の雰囲気、店員の対応、等余り心証が良くなかったのも事実です。
結局、外に出ると他にも選択肢があったので、近場の居酒屋に入り、おいしく過ごしました。


居酒屋などの飲食店では、顧客数がかなり重要な指標になります。「座席数」という概念がある、所謂ハコモノビジネスでは、座席をどれだけ満席の状態に保っておけるかが重要なのです。店が開店していて座席が埋まっていなければ、要するに「何も稼いでいない場所が存在する」と言うことですから固定費(地代家賃)をムダに使っている事になります。
そうなると、もし顧客数が足りなければ外から呼び込む、と言うのが重要な選択肢になってきます。

一方で、顧客数が足りない、と言うのはどういう事態でしょうか?
もしかしてマズい?
いやいや、必ずしもそういうわけではなく、飲食店自体の商品力、或いは、集客力が弱い、という事ではないでしょうか。


基本的に、飲食店の商品力、つまり良し悪しは「料理、サービス、空気」と言われます。例えば、グルメ口コミサイトの食べログは、
・料理・味
・サービス
・雰囲気
・CP(コストパフォーマンス)
・酒・ドリンク
の5つの観点で評価しています。飲み屋の場合は料理と酒を分けたほうが分かりやすい、という配慮と、「価格」に関する項目が入っている、という事ですね。

多くの飲食店がある場所での競争力は結局「費用対効果」とかんがえると、商品力がコストに見合っているか、と言うのが重要な指標になります。


つまり、呼び込み、と言うのは、商品への投資や集客コストが不十分な場合に使う施策なのです。

実際、私はたまには呼び込みにつかまって店を選択します。別にはずれの店ばかりではなく、良い店もあります。(勿論、外れる事もあります。)


今回は、店の雰囲気やサービス内容と我々のニーズが合わなかったので、「出ます」と出ました。勿論、預かり金も回収しましたよ。
呼び込みを使うのは問題ないと思いますが、店を確認してから決定するわけではないので、イヤだと思ったらすぐにやめて外に出る、と言うのが良いスタンスなのかもしれません。

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