シナプス後藤です。

NTTドコモが、らでぃっしゅぼーやを買収・子会社化する、というびっくりするニュースが流れてきました。

日本経済新聞:ドコモ、らでぃっしゅぼーや買収 成長へ異業種連携

以前、らでぃっしゅぼーやがローソンと提携し、らでぃっしゅローソンスーパーマーケットを立ち上げたのは記憶に新しいところですが、更に、NTTドコモが「買収」という形で入ってきました。
らでぃっしゅぼーやは、一度、青汁で有名なキューサイの子会社になっていましたが、日本の大手ベンチャーキャピタルのジャフコの出資でMBOしてJASDAQに上場、今に至るのですが、再度大手の子会社に入る、という事になります。

色々な驚きはあるのですが、「NTTドコモが買うかー」という事と「らでぃっしゅぼーやの経営陣は子会社に入ることを選んだかー」という2点が大きな驚きでしたね。
特に、全社のドコモの視点から考えてみたいと思います。


まず、NTTドコモは言わずとしれた携帯キャリアです。NTTが元々国策会社ですし、携帯キャリアは極めて地域性の強いビジネスですから、国内が主戦場になります。さて、国内の市場を見ると既に成熟、たまたまスマートフォンの影響で市場が活性化していますが、元々成熟産業としての危機意識は強かったのでは、と思います。
そうなると、「新規領域で成長しよう」と考えるのが自然です。

新規事業において苦労することの一つが、「どの領域を選択するか?」です。一般的に、成長市場を選びましょう、大きな池を選びましょう、と言われますが、じゃあそれがどこか、と言われると困るわけです。選択肢は色々あるし、かといって、どれも自社がやるかと言われると、うーん、と考えてしまいます。
では、NTTドコモはなぜらでぃっしゅぼーやを選んだのでしょうか?

これは、私の勝手な推測ですが、次のようなロジックだったのではないでしょうか?
1) 今後の成長分野の一つとして「食」という領域は攻めたい
 勿論、他の、金融、環境、医療等にも進出したいので、One of Themである。
 ※例えば、医療だとオムロンと組んでいますね。
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2011/12/07_01.html
2) 食に出るにあたっては、携帯電話と親和性の高い通販事業が良さそうだ
3) 食の中でも最近野菜は注目されていそうだ
4) らでぃっしゅぼーや、は買収の可能性がありそうだ

2)-4)については順番が逆で、ローソン辺りから打診があったのかもしれませんが、いずれにしても、「食」という分野の中でも、
・成長しそうな分野
・自社とシナジーが期待できる分野
・実現可能な分野
を選んだ、と言えそうです。実現可能、という観点からすれば、可能性があるなら同業他社(パルシステムや大地を守る会、オイシックス等)でも良かったように思いますが、買収は相手があることですからね。


新規事業はやはり難しいです。ですから、どのドメインを選択するか、というのは非常に難しい問題で、だからこそ「市場の成長性」「自社とのシナジーの期待(競争優位性の獲得可能性)」「実現可能性」の三つの観点で考えるべきです。
一方で、もう少し大きな目線で見れば、NTTドコモほどの財務体力があるのであれば、複数の箇所に張る、というのもポイントになってきます。ポートフォリオの考え方ですね。買収額69億円、とのことですが、営業利益8000億円のNTTドコモからすれば、安い買い物かもしれません。


売上を440億円から3000億円に伸ばしたい、とのことですが、NTTドコモ、ローソン両社が本気で取り組んだらかなり可能性がありそうな雰囲気ではあります。
今後が楽しみですね。

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