シナプス後藤です。

先日、朝まで生テレビに大阪市長 橋下徹さんが出演されて、彼の主張についての議論がありました。私自身はこの番組をyoutube等でチラッと見た程度なのですが、blogその他で思う事があります。
テレビ朝日:朝まで生テレビ

橋下さんは非常に話がうまい方のように思います。彼の演説やプレゼンテーションは非常に明快で、ロジックという観点でも、その見せ方や話し方という観点で見ても非常に分かりやすい。これは小泉元首相が郵政民営化を主張していたときと同じように、ある一面から見れば非常に分かりやすい議論だし、ビジョンが明確であるがゆえに、「変える」という事がとても分かりやすいように思います。


さて、それでは橋下さん以外の参加者がなぜ彼を批判するでしょうか?
可能性は大きく三つあると思います。
[1] 彼の描くビジョンに反対している
[2] ビッグネームを批判することでメジャーになりたい
[3] 見えないことが怖いので反対している

議論として正しい批判は[1]ビジョンに反対、です。また、いらっしゃるかどうかわかりませんが、[2]メジャーになりたい、というような方もいらっしゃるかもしれません。ですが、参加している人がどうかは分かりませんが、多くの人たちは[3]の「見えないことが怖い」ということから反対をしているのではないでしょうか?

参加者の批判として、
・「前に行ったこととやったことが違う」
・「主張は分かるがプロセスが見えない」
・「優先順位とは弱者を切り捨てることか」
・「進め方が早すぎる」
等がありました。
これらのほとんどは、橋下さんのプレゼンテーションが彼らに伝わっていない、という事が大きな要因のように思います。

大きなテーマを扱う場合、そのテーマが大きければ大きいほど、関係者が増えてきます。そして、関係者は「変わる」事を嫌います。既得権益、と良く言いますが、多くの人は「自ら所有しているもの」を過大評価する傾向があります(*1)。だから、自分の利益になるかどうか、ということだけでなく感情的に「変わる」ということに対して反対意識があるのではないかと思うのです。

それに対して、説明が少ないと当然「それは困る」となります。橋下さんは「じゃあ対案を」と言います。これは企画会議等では重要な観点ですが、[3]の「見えないことが怖い」という方はもともと対案を持っていないのです。なぜなら、「怖いから変えるな!」ということが本音だからです。
言い換えれば、「対案を」というのが無理な要求という事になります。


さて、「コミュニケーションは受け手が決める」と言います。今回のケースで言えば、橋下さんのプレゼンテーションやコミュニケーションに対して、受け手は「なんだかわらかないから怖い」という反応をしているわけです。
発信者側としては、「だからこいつらはダメなんだ!」というのではなく、積極的に対話を図り、自分の意図を理解してもらう必要があります。

意外と、イノベーションを阻害する要因、というのはこういった手間を惜しんでしまうこちら側の心理だったりするのかもしれませんね。


※なお、このエントリーで、橋下さんや他の参加者の議論の是非を問うつもりはありませんし、参加者の主張が上記通りかどうかは推測ですのでわかりかねます。間違っていたらスイマセン、、、

*1:参考 「予想どおりに不合理−行動経済学が明かす『あなたがそれを選ぶわけ』」
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

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