シナプス後藤です。

ファシリテーターにとって、やりにくいのは「沈黙が訪れる」時です。
ファシリテーターだけでなく、営業現場だったり、上司と部下だったり、公式な場でのディスカッションやヒアリングで相手に黙られると結構つらいですよね。

多くの場合、相手が黙ってしまうと、さらに説明を重ねます。これは沈黙が怖いから、と言う事と、もう一つは、「黙ってしまうのは説明が足りないからに違いない」と思うからです。


この対応は、間違いです。


沈黙、には様々な理由があります。ざっくり分けると、
1) 質問に答えたくない(個人的な事や、守秘性の高いもの)
2) 考え中
3) 答えをしらないため回答できない
4) 質問内容がわからない
という四つがあります。この中で、新たに説明を加えて良いのは4つめの「質問内容が分からない」だけです。
それ以外のものは、説明を重ねたところで回答の仕様がありません。

ではどうすべきか?

最初から沈黙の理由が分かっていればよいのですが、多くの場合はなぜ黙っているのか分かりません。
なので、それを見極める必要があります。

まず、質問に黙ってしまったら、

[1] 待つ

とにかく、反応を待ちましょう。感覚的には30秒くらい。ファシリテーターは沈黙が不安ですが、参加者も不安なのです。ですので、待っていると参加者から、なぜ沈黙しているか、についてのコメントがあるかもしれませんし、考え中であれば、回答が来ます。
次に、

[2] 沈黙を理解する

のがポイントです。「黙っている」という事実を明示するわけです。「おや、黙っちゃいました?」等と言ってみると良いでしょう。あるいは、沈黙の理由を聞いてしまいましょう。

[3] 質問が分かりにくいかどうか聞く

ファシリテーターが質問を投げかける場合、回答できるだろうと思って聞いているはずです。が、回答が来ないので、可能性が高いものとしては質問がわからない、と言う事だと思います。
最後は、これです。

[4] 沈黙を認める

ただし、黙っていることを認めるのではなく、「話せない」という回答をもらうようにしましょう。例えば、「答えたくない質問であれば、言いたくないと言って下さい。」等です。


気をつけたいのは、説明し倒す事です。
ファシリテーター:「施策はAとBどちらが良いのですか?」
参加者:・・・。
ファシリテーター:「Aというのは、***というもので、Bというのは***というもので、この質問は今後の施策の方向性の根幹になるので聞いています。参考になる情報としては、、、」

このように説明を重ねられるとゆっくり考えられないので、考え中の時には困ります。また、答えたくない場合や、そもそも答える術を持たない場合は説明を重ねることは無意味ですね。


慣れてくると、沈黙自体は怖くなくなります。沈黙の時間も楽しめるようになれるのではないでしょうか。

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