シナプス後藤です。

会議の時に新しい意見が出ない時がありますよね。
「皆さんはどう思いますか?」と聞くと、「私もAさんと同じ意見です」と答えられて終了してしまう。

そして、会議が終わって、決まったことを実行してみると、「いやいや、そんなこと言ってないだろう!」となるともう最悪ですね。あの時、同じ意見と言ったじゃないか、と。


そこまで厳しい場面でなくても、色々な意見が欲しい場面で、「同じです」と言われるのは結構つらいと思います。ただ、「同じ」というのは本当なのでしょうか?
私は多くの場合、総論賛成、各論反対、という状態になっているのではないかと考えています。
例えば、Fをファシリテーターとして、

F;「あなたはTPP参加に賛成ですか?反対ですか?」
A:「私は反対です。やはり、日本の農業保護の問題もありますし、他にもいろいろと課題があるでしょう。」
F:「他のご意見は?」
全員:「・・・・。」
F:「Bさんは?」
B:「私もAさんに同意見です。(特に、医療サービスの問題があるし)」
F:「Cさんは?」
C:「私も同じです。(まぁ、みんな反対しているから早く終わりたいし同じと言っておこう)」

という感じですね。各論では違う事を言っている方もいますし、めんどくさいから同じ、と言う人もいます。
これを避けるために、全員にちゃんと意見を述べさせます。
それが、メモ発言。

まず、ファシリテーターが全員に意見を求めたい時には個別に言わせないことです。
「まず、皆さんが考えるご意見をお手元のメモに書いて下さい。賛成か反対か、とその理由をお願いします。」
と言って下さい。
その次に、
「それでは順番にメモを読んで下さい。」
と言って下さい。


複数の人がいる会議の中では、どうしても他の方の意見に引きずられます。ですので、先にバイアスがかからない状態で書かせる。そのうえで、それを「読んでもらう」と良いのです。読むだけなら誰でもハードル低く出来ますし、他の方の意見を聞く前に書いたことなので、余計なバイアスが入ってきません。
この状態なら、全員、「反対」という意見でも、理由が異なるでしょうから、少なくとも3-4個の意見がでるはずです。


単純なテクニックですが、意外に効果が大きいです。私がやる時は、最初からメモ発言をするケースもありますが、「どうも意見が出にくいな」と感じた時に急きょメモ発言に切り替える、と言う事も良くやりますね。

ファシリテーター以外に4人以上いる場合には、結構効果があると思います。
一度試してみて下さい。

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