シナプス後藤です。

第二回目も南極大陸を観てしまいました。
(内容に触れます。まだ観ていない方で見る予定のある方はネタバレがありますのでご注意ください。)

今回は、日本を出港してから南極にたどり着くまでの船旅の話です。チームビルディングの風景が描かれていました。
出演者はこちらに:http://www.tbs.co.jp/nankyokutairiku/cast/


劣悪な船旅の環境下で乗組員のストレスがたまり、徐々に険悪なムードになっていきます。発端になるのは、寺島進さん演じる鮫島が、周囲の何人かにかみつくところからです。それが原因でつかみ合いの喧嘩、一触即発になりますが、途中で嵐に入り、船の中が大変な騒ぎになります。多くの人が怪我をし、火事が発生し、という危機ができます。これらの危機を乗り越えることを通じて、徐々に結束が固くなっていく、と言う流れですね。


組織が出来あがる、チーム構築のフレームワークとして、タックマンモデルがあります。組織は4つのステップを経て出来あがる、というものです。
四つとはすなわち、
1) Forming ・・・組織が形成される
2) Storming ・・・混乱が起こる
3) Norming ・・・新たな組織のルールが形成される
4) Performing ・・・パフォーマンスを上げる
です。

タックマンモデルの最大のポイントは、2) Stormingにあると思います。Stormingは、多様な価値観、多様なメンバが厳しい目標に向かう際、意見の対立を経てお互いを理解し、本当の信頼関係が生まれる、と言う事なのです。
リーダーシップ論で考えれば、Stormingは必ずありますが、その期間をどれだけ短くできるかが重要で、Stormingを回避し続けると本当の信頼関係は生まれにくくなってしまいます。


ドラマの中で、私が印象的だったのは、香川照之さん演じる星野教授が鮫島と倉持(木村拓哉さん)がつかみ合いになっているときに、にやりとしながら観ているところでした。恐らく、この時代、タックマンモデルはまだ生まれていなかったと思いますが、経験的に「喧嘩して仲直りするプロセス」を知っていた、という事なのかもしれませんね。

南極観測隊のリーダーは、柴田恭平演じる白崎教授だが、実質的に全体を引っ張っているのは木村拓哉さん演じる倉持岳志のように描かれています。これは、組織の中で公式にリーダーになっている人と、実質的なリーダーは往々にして異なる、と言う事でもあります。
個人的な感想ですが、「若くて元気が良い優秀なリーダー」と「おおらかに包み込み責任を採ってくれるマネジャー」の組み合わせが、多くの日本人にとってやりやすいスタイルなのではないかと、考えている次第です。


まだまだ続きが楽しみですね。