シナプス後藤です。

中国と言えば、ドラえもんのようなキャラクター、ガンダムのようなキャラクター等、「変な模倣品」で話題豊富です。
最近では、AKB48を真似たと思われる、AK98というアイドルグループが注目されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110922-00000009-rcdc-ent

ネット等を見ると、「これはパクり過ぎだろう」と否定的な声が多いような気がします。

冷静に考えるに、完全な模倣でしょうね。どこまでがオリジナルかは分かりませんが、かなりの部分を模倣しているように感じます。

では、模倣、つまりパクることはいけないことなのでしょうか?


この問いに答えるには二つの立場があると思います。すなわち、
・自分が模倣される側
・自分が模倣する側
です。

自分が模倣される側になった場合、「パクるとは如何なものか!」と叫んだところで、ビジネス的には大した意味はありません。ビジネスとして考えれば、模倣できるものは当然模倣します。これは、多くの日本企業がかつては欧米企業を真似してきた歴史がありますし、その日本企業を韓国、中国企業はある意味で「真似をすることで」成長しています。真似るとは学ぶにつながることでもあります。

その昔、かの松下幸之助氏は、「うちには品川にソニーと言う研究所がある」と言ったといわれています。松下はかつて「マネシタ」と揶揄された様に模倣して先行者であるソニーを叩くことを得意としていました。これは決して悪い事ではなくリーダーの戦略の一つです。

ビジネス上は模倣は当たり前のことだと思うのです。

では、どうすれば良いのか?
それは、模倣されないような仕組みを作り上げるべきなのでしょう。
特許や商標、意匠権、著作権等で権利を守る方法も有りますし、模倣が出来ないレベルの製品、サービスを作り上げるのも一つの選択肢です。たとえば、コカコーラは特許申請していないので、法的に守られていませんが、あの味を再現することはできないと言われています。(特許を出すと誰でも参照できてしまうので、コカコーラは特許を取っていないようです。)
例えば、マクドナルドが出すあの味と価格、特に価格は模倣できません。模倣できないほどコストを追求してきたわけです。
またブランドを作り上げる、と言うのも選択肢ですね。

差別性を強化するか、コスト削減の道を選ぶか、いずれにしても「模倣されない仕組み」「模倣されても勝てる仕組み」を組み上げるべきなのです。


一方、自分が模倣する側の場合はどうすべきなのでしょうか?
上述したように模倣そのものは悪い事ではありません。ただ、「単なるパクリ」では顧客はいつか離れていきます。やはり、オリジナルにはオリジナルの魅力があります。ですので、オリジナルに勝てる模倣の仕方をしなければならないと思います。
劣悪な単なる模倣では、顧客はついてきません。模倣することは良いとしても、そのうえで「いかに新たな価値を上乗せすることができるか?」ここがポイントになります。

結局、競合に対してどれだけ差別化できるか、あるいはコストで差をつけることができるか、が重要であり、「模倣するのは如何なものか!」と目くじらを立てている余裕はないのではないでしょうか?