シナプス後藤です。

facebookの特徴の一つが「いいね!」ボタンだと思います。誰かのコメントや写真などの投稿に対して、「いいね!」と押すとそのコメントや投稿を支持したことが明示できます。
投稿に対して、文章でコメントするのに比べて、ボタンを押すだけなのでとても簡単です。文章を考える、という手間もないし、「いいね!」ボタン自体が「支持しています」程度の意味合いで深い意味をもたせにくいため、心理的なハードルも少ないことでしょう。


私は真面目な性格なのか、どうも「いいね!」は、「このコメントや写真は良いと思う」という意味合いでしか使えないようです。例えば、「体調が悪くて、、、」とか、「仕事で失敗してしまって、、、」というコメントがあった場合、「いいね!」を押すことに遠慮してしまうのです。

いやいや、良くないだろう、と。

少し長文のコメントになると、「いいね!」ボタンも、このコメントの中のこの部分はとてもよいと思う、という意味の事を表せれば良いのですが、全体で「良い」という評価しか出来ないので、相手に何を良いと思っているか伝わらないだろう、と考えてしまいます。

だから、インターフェースが発達して、蛍光ペンのように色をつけて「この部分がいいね!」と出来るとイイタイコトを伝えることが出来ます。
また、「いいね!」だけじゃなく、「どんまい!」とか「へぇ〜!」とかつけておくと正確に表現できて良いのですが、、、


と言うような事を真面目に考え、正確なコミュニケーションをとろうと思っていたら、恐らくここまで流行っていないでしょうし、それをやりたければ通常のコメントにしろ、という事ですね。

コミュニケーションの重要な点の一つは、「相手に関心を持っている」ことを示すことです。そのための「いいね!」であって、文脈上良いかどうか、という是非判断や善悪判断をするためのツールではないという事なのです。
そして、その点から考えると表現はポジティブな方が良い。押す方も押される方も「ダメじゃん!」よりは、「いいね!」の方が気持ちが良い。だから「いいね!」(like it!)なのですね。

もしかすると、facebookや、模倣している他のSNSでも同じ議論をしているのかもしれませんが、コミュニケーションの本質から考えると「ボタン1つで表現できる」事がもっとも良いことなのではないでしょうか?


物事の本質を突き詰め、出来る限りシンプルに表現する。その結果が「いいね!」ボタンだし、そのためにこれだけ「いいね!」が拡散したのだと思います。