シナプス後藤です。

最近、日系企業の経営にかかわっている方と話を伺っていると、「日本の雇用を守る」と言うのが一つの課題になっているように感じます。
特に製造業を中心に、グローバル化が進むと、「日本で作ることの意味」が薄れていってしまうのが実状です。経済合理性だけで考えるならば、日本で作るより人件費や様々なコスト、税金などが安い国で作った方がよほど儲かりそうです。特に世界規模で取引しているところなら尚更ですね。

ところが、「日本の企業」ということを考えると、何のための企業活動か、と言うところに立ち戻って考えることもあるようです。特に、日系企業は昔から社会との共生を当たり前のように考えているところが多いので、その経営クラスになると当然のことなのでしょうね。
ビジネスとして考えるならば、「利益重視」、これは間違いないです。恐らく、コンサルタントとしての意見を求められたら、「利益を重視しましょう」と回答するでしょうね。企業が利益を出すのは広く社会を考えた場合、極めて重要な社会貢献とも言えますので。

では、企業の意思決定として、どう考えるべきなのでしょうか?
これはもう、どこまでの利益を作って、どこからが社会に還元すべきか、と言う議論になると思います。赤字企業であれば、「日本の雇用」等と寝言を言っている場合ではありませんが、十分に利益を上げている企業の場合は意思決定の問題になります。株主への配当や税金として日本国に還元することを重視するのか、雇用の確保を重視するのか、様々な社会活動に寄付するのか。

いずれにしても、これは経営トップが決めるべき意思決定だと思います。すなわち、「我々の企業はミッションとするのか?」という問いに答えることですね。
国際競争が厳しいこの環境下では、「日本の雇用」というミッションを達成するのが難しくなりつつあるのは事実ですが、だからこその意思決定なのかもしれません。


ちなみに、弊社のミッションに絡む意思決定は、先日書いた「仕事塾の価格」ですね。お客様が安すぎるといっている程安い価格で出すのは弊社のトップの意思決定です。多くのビジネスパーソンが抱える、「自分の仕事をより良くしたい」「自ら成長したい」という気持ちを大事にして、日本のビジネス全体を良くしたい、という思いがあるようです。また、自分自身の成長欲求にも繋がっているようですね。
コンサルタントとして考えるならば当然「利益重視」ですが、部下としては従わざるを得ない、と言うのがトップの意思決定、と言うものです。(笑)