シナプス後藤です。

皆さんは価格をどうやって決めていますか?
以前、価格決定の基本的な考え方や、新規参入における方針について記載しました。ですが、やはり、科学的に「幾ら」というところまで出せると気持ちが良いですよね。
PSM(Price Sensitivity Measurement:価格感度分析)は、アンケートによって価格を決めるための方法です。

PSMでは、4つの質問をします。
1) この商品が安すぎて購入したくないと思うのは幾らからですか?
2) この商品が安いと思うのは幾らからですか?
3) この商品が高いと思うのは幾らからですか?
4) この商品が高すぎて購入したくないと思うのは幾らからですか?

この4つだけで判断できます。
1)は、価格に対する品質リスクですね。安かろう悪かろう、と思うのは幾らからか、と言う質問です。また、4)は、高すぎて手が出ない、と言うのが一般的ですね。また、値ごろ感から大きくかけ離れている場合にも言えます。

この4つの質問から、度数分布のグラフを書きます。

以前、家弓正彦の仕事塾でこのアンケートを取りました。ご受講された方は、「仕事塾の値段を上げるのか?」と警戒された方もいらっしゃるかもしれませんね。(笑)
こういったアンケートはたまにとっておきたいと思って実施しましたが、せっかくなので、ここでも公開しようと思います。
PSM全体


グラフには4つの曲線の交差点が合計4点出てきます。
それぞれ、最低品質保証価格、理想価格、妥協価格、最高価格、です。

最低品質保証価格:
 最低限、この値段以上でないと品質に不安が出てしまう、と言う価格。「安すぎる×高い」の交差点ですね。

理想価格:
 顧客にとって理想的な価格です。「安すぎる×高すぎる」の交差点ですね。
購入者数を最大化したい場合には、この価格が一番多くの顧客を獲得できると推定されます。価格が要因で買わないという選択を最も少なく出来ます。

妥協価格:
 「この価格なら買って良いか」と顧客が思う価格です。「高い×安い」の交差点です。高いとも安いとも思わない、顧客が妥協してくれるところです。

最高価格:
 「安い×高すぎる」の交差点です。この価格を超えると買わない人がたくさん出てくる、と言うことです。

価格のゾーンとしては、最低品質保証価格〜最高価格のあいだに設定する必要があります。でないと、ターゲット層の離反が起こります。


さて、「仕事塾」というセミナー商品で考えて見ましょう。この仕事塾は、以前より「多くの方々の自己成長の一助として」という社会貢献的な側面が含まれているので、価格は安く2000円と設定しています。
この価格はPSMで考えると、最低品質保証価格を下回っていますので、「安すぎて怪しい」価格帯ですね。仕事塾に参加すると、高いセミナーも受講させられてしまうのではないか、怪しい30万円の壷を売りつけられるのではないか、変な宗教に勧誘されるのではないか、そんなことまで疑われてしまっているのかもしれません。

PSMの結果で考えると、我々として設定すべき価格は3500円ですね。

なお、通常は理想価格<妥当価格、になります。ただ、今回のアンケートは、
「セミナーという付加価値を期待する商材を対象にしている」
ことから、高いセミナーの方が良い、と言うような心理が働いている可能性はありますね。所謂、付加価値商材です。

また、この数字は、仕事塾にご参加いただいた方へのアンケートですので、「2時間2000円の講座(しかも、満足度は結構高い)を受講している方」が回答しています。ですので、2000円が一つの基準価格になってしまっている、という事をご了承ください。