新製品の価格を幾らにすべきか、と言うのはきわめて難しい議論です。既に存在する市場に新規参入する場合には顧客にある程度「値ごろ感」が出来ていますので、それから大きく変化させるのは難しいのですが、ド新規の商品を投入する場合、とても難しい意思決定を迫られます。

新規参入における価格付けは、大きく二つの方針があります。すなわち、「高価格に設定し利益を獲得する」か、「低価格に設定し数を普及させるか」の二択です。これらをそれぞれスキミング・プライシング(高価格に設定)、ペネレーション・プライシング(低価格に設定)と呼びます。

これらは戦略方針によっていずれも取り得ますが、市場・事業特性によってやりやすい、やりにくい、と言うものはあります。

■スキミング・プライシング
スキミング・プライシングは、高価格で参入し、早めに利益を回収する価格を下げていく価格戦略です。高価格でも買ってくれるユーザがいて、マーケットシェアが競争優位に重大な影響を与えなければ、ローリスクな方法です。競合が参入してきた場合には、徐々に価格を下げて行く、と言うスタンスですが、結果的に住み分けることになりますね。

■ペネトレーション・プライシング
ペネトレーションプライシングは、最初から低価格で参入し、市場を拡大するのと同時に一気にユーザを獲得する価格戦略です。とにかくシェアを獲得すると、中長期的に利益が出るような業態では低価格で参入することもあるようです。つまり、経験によるコスト低減効果などで普及する毎にコストが下がっていくことが前提になります。ただ、参入当初は投資過多になりやすいので、大手企業がとりやすい戦略ですね。

どちらの方針で参入するにしても、市場や事業特性によって、あるいは、自社の戦略方針によって決める必要があります。

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