小泉政権時代に作られた郵政民営化法案によって、2007年10月に郵便局株式会社が誕生しました。
小泉政権は基本的に「小さな政府」の方針でしたので、民間で出来ることは民間に、ということで郵便局も民営化されたわけです。その狙いの一つがサービスレベルの向上、でしょう。確かに、郵便局に入ると「お客様係」(正式名称は知りませんが)がたっていて、困っていると案内してくれるようになりました。今までの無愛想で薄暗い感じとは変わりましたね。

さて、先日、お金の払い戻しの必要があり郵便局に行きました。ゆうちょ銀行から、4960円を引き出す、というだけの作業です。
持って行くと、窓口の女性が対応してくれます。普通に4960円もらえるものと思って待っていると、
「もし、40円お持ちでしたら、5000円札に出来ますけど。」
という対応をして頂きました。
要するに、札1枚にしてくれる、というありがたい申し出で、10円玉4枚は無かったのですが、50円玉を持っていたので、5010円にして渡してもらいました。これは大変助かりました。


一般に、サービス業はサービスの接点である従業員がブランドを形作る、と言います。サービスレベルが高い、と言う意味では、良くホテル リッツカールトンの例が出されますね。お客様が困っているときには自らが考えお客様に最高のサービスをしなさい、と言うことが浸透しているようです。

作ってしまえばスペックが担保できる「モノ」と異なり、人のサービスレベルはスペックの担保が難しいものです。例えば、前述の対応は、要するに「気が利くかどうか」なのですが、もともとそれが例外として、好ましくない行動であれば勿論対応しないでしょう。また、例外と規定されておらずとも、推奨されなければ、なかなかそこに考えが到らないものです。
単純なことではありますが、銀行でこういった対応にお目にかかったことも少なく、結構凄いことのような気がします。
こういう対応を取れるようになった、ということは、社内でも顧客目線での対応がかなり付いてきた、と言うことなのかもしれません。

サービスレベルを上げるために、様々な施策を取り組んでいたはずです。恐らく、オレンジのラインが入った制服に変えたのも、こういうサービスを目指してのことなのでしょう。