以前、PEST分析について書きました

PEST分析は、マクロ環境を分析するためのフレームワークであり、Political(政治)、Economical(経済)、Social(社会)、Technological(技術)の4つの視点から、主に、今後の業界の動向を予測したり、業界の基本的なルールを理解するために使います。
以前、「普段はあまり意識する事はない」と書きました。話が大きすぎて担当者がコントロールできるものでもない一方で、通常、ビジネスに携わっていれば、肌感覚として理解していることが殆どだからです。

ですが、大変残念な事に、地震の影響、原発の影響によって、多くの業界でPEST環境が変わってしまいました。したがって、改めてPEST分析をする必要がありますし、また、分析してみる事によって新たな競争のルールが発見できるかもしれません。

分析するためには大きく二つの点で考慮が必要です。
1) 何が変わって、何が変わっていないか?
2) 一次的なトレンドか、中長期的・構造的な変化か?

1) 何が変わって、何が変わっていないか?
例えば、経済の観点で言うと、東日本を中心に日本全体の経済が停滞しています。これが変わった点です。しかし、世界全体で見ると、新興国需要の牽引によって、リーマンショックから十分に立ち直り、好景気傾向にあるのが実情でしょう。
また、今回の特別措置などで法律も出来たようですし、今後も特にエネルギーと耐震に関しての法整備が進められるものと想定されます。また、ITに関しても今回twitterなどのソーシャルメディアが活用された、という事もあり、この辺りもなんらかの法改正がありそうです。が、一方で、地震の前には話題だった医療費抑制の議論や年金問題などは相変わらず日本に存在する課題であり、(変化のスピードは変わりますが)議論の方向性は大きく変わらないものと想定されます。

と言うように、「変化する点」と「変化しない点」を意識して把握しないと、変化が大きくみえているために、変化しない点を見逃してしまう可能性があります。

2) 一次的なトレンドか、中長期的・構造的な変化か?
地震直後は、様々な情報が飛び交い、消費者の心理(S:社会)も不安定だったという事もあり、例えば、米や保存食、水、電池、ガソリン、驚いたところではトイレットペーパーまで買占めが起こった、と聞きます。これは明らかに一次的な需要の変化であり、供給が安定的である、という事が分かった途端に買占めがなくなりましたね。
もう少し長いスパンで見ると、節電と言うのは暫くは続きそうですが、いつか電力供給が追いついたときになくなるものでしょう。
一方で、中長期的な方向性として、自然エネルギーの研究など、技術の方向性が変わったり、或いは、社会的な変化として、耐震性や災害対策が強いニーズとして出てくる、という事もあるでしょう。

PEST分析はマクロ環境の分析なので、一般的には少し長期視点で考えるのに利用しますが、今は変化が激しい時でもありますし、まだ方向が定まっていない、という状況下ですので、「短期(の変化で終わるもの)」「中期(の変化で終わるもの)」「長期」くらいの切り分けでPEST分析をしてみると良いと思います。


今、震災からの一日も早い復興が望まれていますが、ビジネスに携わるものにとっては、本業で如何に貢献するか、と言う点が重要だと思います。その意味でも、変わってしまった競争ルールに適合するために、改めてPEST分析から考えてみては如何でしょうか。

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