セグメンテーションは、顧客のニーズで分ける、という話を説明しました。

多くのビジネスの場合、法人顧客と個人顧客ではニーズが異なります。従って、当然、BtoB(法人顧客を対象としたビジネス。Business to Business)とBtoC(個人顧客を対象としたビジネス。Business to Consumer)ではセグメンテーション切り口が異なってくるケースが多いようです。

厳密にいえば、最終市場が法人顧客になるような生産設備や事務機器(BtoB、BtoBtoB)と、最終市場が個人になるような部品や材料(BtoBtoC)ではニーズのあり方は異なります。多くの場合、顧客の顧客が、直接顧客のニーズを決める大きな要因になるからです。また、「企業内個人(サービス受益者は個人で意思決定をするが、法人に請求するケース等)」をBtoBにするか、BtoCにするか、という要素によってもニーズは変わってきます。
ですが、いずれも企業のニーズ、個人のニーズの延長線上であり、ここでは、ざっくりBtoBとBtoCの二通りに分けて解説します。

まず、BtoC市場の場合は、大きく

・地理的変数
・デモグラフィック変数
・心理変数
・行動変数

の4つに分けられます。
まず、地理的変数、デモグラフィック変数の二つは、外から分けられる一番分かりやすい分類方法です。良く、国勢調査などで、国が統計情報を取得しているため、傾向値が取りやすいです。年齢、性別、地域等をはじめとして、年収や世帯構成員数等も良く利用されます。これらは非常に取得しやすく、分かりやすいのがメリットですが、ここ最近「多様化するニーズ」と言われている通り、これらの項目だけではニーズを分類できなくなってきています。
ここのところフォーカスされているのが、「心理変数」です。たとえば、ライフスタイルやパーソナリティなどです。ラグジュアリーブランドは、これらの変数をうまくとらえていることが多いようです。
最後の「行動変数」は、消費者の購買行動やその商品・サービスに対する態度、あるいは使用頻度(非ユーザ、ライトユーザ、ヘビーユーザ、等)などがあります。態度については、AIDA、AIDMAに代表される態度変容モデルで様々な切り分けがなされていますが、あれもセグメンテーション切り口の一つになります。

一方、BtoBの場合は、企業を分けていきますが、

・デモグラフィック変数
・戦略的変数
・状況的要因の変数
・購買アプローチ変数

などがあります。
「デモグラフィック変数」は、企業規模や業種、所在地などです。これも、国が情報を取得しているため、傾向値は取得しやすいです。また、帝国データバンクや商工リサーチのようなところからも、情報が取得できます。
「戦略的変数」は、顧客企業の戦略方針がどのような方針を取っているかによって異なってきます。たとえば、低コスト戦略をとる企業はコストにシビアなケースが多く、逆に、高付加価値戦略を取っている企業は価格より品質や機能を重視します。
状況的要因、とは、緊急性や標準品/カスタマイズ品、大口/小口等、どのような状況で必要としているか、という変数です。最後の購買アプローチ変数は、顧客の購買意思決定者が誰か、や購買プロセス、外部業者に対するスタンス等、が当たります。

デモグラフィック変数以外は(場合によってはデモグラフィック変数も)、簡単に取得できるものではなく、インターネットで検索しても欲しいものが出てくることは稀です。しかし、様々な情報を組み合わせ、仮説を立てることで、大きな流れは見えてくることが多いです。さらに、細かく精緻に見るためには、コストをかけてリサーチをする、という方法もあります。

近年、顕在化したニーズによるセグメントでは差別化が難しくなってきている、という意見も良く聞かれます。これは、市場が成熟し、あらゆるセグメントにプレイヤーが存在するようになってしまった、というのが理由です。そこで、潜在ニーズにアプローチすることが増えてきているようです。「インサイトを掘る」というのもその派生です。
インサイトについては、また別の機会に記載しようと思います。